ぶらぶら人生

心の呟き

口で書く

2014-01-27 | 身辺雑記
 最近、文章が思うように書けない。
 文章力の老化! である。

 鑑賞力はまだ衰えておらず(これも怪しいけれど)、良い悪いは分かるので、自分の書いたものに、なかなか納得がゆかない。
 もっと上手な表現の仕方があるはずだ、と。
 自信がないのであれば、書くのをやめればいいのだが、そうすれば、ますます頭の老化を招きそうな気がして、それも怖い。

 過日、読了した竜門冬二著『50歳からの勉強法』によると、竜門さんは<口で書く>ことをされるのだという。
 驚いた。
 手ではなく、口で書く。
 すごい技だと思う。
 出版物の文章を、テープに録音されるというのだ。
 それで人の目にさらしても恥ずかしくない文章が書けるだから。
 恥ずかしくないどころか、人の胸を打つ文章が!
 何というすご技だろうか。
 私などは、いったん投稿した後に、加筆修正すること、しばしば。
  
 竜門さんは、話術の達人でもあるようだ。
 もともと話すようにかける作家なのだろう。
 一方、想像を絶する緊張感をもって、文章を語られるのかもしれない。
 語り下手の私からは、想像もつかない。

 そういえば、この本の中には、<話法>についても書いてあった。
 かつて私は、<話す>ことを仕事とし、糊口を凌いできた。
 が、何を語るかには心を砕いても、どう語るか、つまり<話法>については、あまり工夫をしなかった。
 竜門さんの話を読んで、少々後悔している。

 ただ、話し方(話法)は、職業とは関係なく、生きている限り、大切なものだ。
 人と人とをつなぐ、最も身近なものとして。
 これから、<話法>を意識しても遅くはないと思う。
 
 この本で、いろいろ学ぶことは多かった。
 題名の「勉強法」というは、私の好みではない。
 おそらく、<勉強>という言葉が嫌いだからなのだろう。
 私は、語彙の中で、恣意的に好みに合わないものがある。
 その一つに、<勉強>がある。
 なんだか強いられている感じが嫌なのだ。
 
 題名というのは、難しい。
 題名から本を選んで、がっかりすることもある。
 童門冬二さんの、この本の題名は嫌いだが、内容はなるほどと思うことが多かった。

 以前、童門さんの『小林一茶』を読んだ。
 それも面白かった。
 この著者の本であれば、期待を削がれることはなさそうな気がする。


            



 今朝は、この冬一番の冷え込みである。
 9時には、病院へゆかなくてはならないので、早く起きた。
 朝の時間を持て余し、PCを開いた。
 白内障の手術後のことはよく分からない。
 しばらくブログが書けないのかもしれないと思い、前々から題名だけつけて放置していた、<口で書く>を投稿しておくことにした。

 7時半、カーテンを開けると、下弦の眉型の月が、南寄りの空にあった。

         
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする