ぶらぶら人生

心の呟き

12月の庭 (雨、降りつづき)

2010-12-21 | 草花舎の四季
 郵便局へ行った帰り、草花舎に立ち寄った。
 1日に訪れて以来、久しぶりであった。

 お昼時を過ぎていたので、コーヒーだけいただいた。
 来客が幾人かあった。
 Yさんや顔見知りの人と話しているうちに、<統合失調症>という病気が話題となった。
 かなり厄介な病気のようだ。
 
 窓外の雨を眺めながら、私は非常に仲良しだった旧友を思い出していた。
 彼女が死を選んだ原因は、なんだったのだろうか? と。
 高校1年のとき、山陰本線のトンネル内で、自死した。
 私は、彼女の親しい友達のひとりだった。
 東京から転校してきた彼女は、秀才であった。その上、努力家でもあった。
 将来は医師になるのだと、勉学の取り組みも群を抜いていた。
 遺伝的な悩みを持ち始めたのも、医師になるための勉強をしている過程での気づきであり、自らの未来に絶望することにもなったのだと聞いている。
 私や親しかった友人に当てた遺書があったようだが、衝撃を与えてはと父親が渡すのを拒まれ、そのまま目にすることはなかった。
 別れの前に誘われて一緒に写真を撮ったり、彼女の好きな詩を和紙に書いたものをプレゼントされたりしたのに、それが何を意味するかを不審に思うこともなかった。何かにつけ晩生(おくて)だった私には、彼女の懊悩や決断を予測し寄り添う力がなかった。

 彼女が、将来を捨てねばならないと決意した、遺伝的な病気とは、なんだったのだろう?
 <統合失調症>という難儀な病気について考えているうちに、遠い昔の、親友の哀しい死とその原因を考えていた。
 
 病気は、誰の身にでも襲いくる。
 ウィキペディアで調べているうちに、高村光太郎夫人の智恵子の病が、<統合失調症>であったと知る。
 また、現代アートの旗手・草間彌生も、若き日、その病気を病んだひとりである、と。

 
 ひと時話した後、雨の庭に出た。
 ナンキンハゼの白い実を見上げた。
 ネズミモチの実も、黒紫色に熟していた。
 季節はひとりでに巡ってゆく。         


         
  
                   
 
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いただいたシクラメン

2010-12-21 | 身辺雑記
 昨日、山口に行き、夕方帰宅した。
 途中、暮れ色の空に月影を見たので、荷物を置くと玄関に回った。
 と、入り口のドアの下の方に白っぽいものが見えた。
 なんだろう?
 幾分薄気味悪く思いながら、動きのないことを確かめて、ドアを開けた。
 
 白いビニール袋に入っているのは、シクラメンの鉢であった。(写真)
 書き置きも留守電も入っていなかったけれど、鉢の包装からスーザンさんからの贈り物だと分かった。
 花のプレゼントは嬉しい。
 花の白は、好みの色でもある。

 今日、お礼にスーザン邸を訪れた。

 (お月様は、おりしも、東の山の端を離れたところだった。)
            

              


 昨日は、山口行きの途中、濃霧の中を走り続けた。
 遠景どころか近景も、霧の中に沈んでいた。
 濃霧体験のナンバーワンは根室。それに劣らぬ深い霧だった。しかも、相当長い距離にわたって乳白色に閉ざされた。
 津和野で生活していた4年間にも、2メートル先の人が見えない濃霧を体験した。

 こうした思いがけない自然現象との出合いも、心楽しい。
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