ブルーベルだけど

君にはどうでもいいことばかりだね

オーディオの始まり <その2>

2015-05-31 10:33:11 | 日記
どこで聴いたか、出会いも忘れてしまったが、P-610B と対極にあるワイドレンジな特性と、ハッとするような美しい外観で衝動買いしてしまった。 ペアで 6,000円程だったか。

トーンは魅惑的だ。 ふんわりとした低音 ~ 中低音。 張りのある中音。 過渡特性に優れ爽やかな中高音~高音。 そして聴感上は超高音域にまで及ぶ。

購入したユニットは “ CORAL FLAT-6 ”。 (フォトはリニューアル後のモデル)  一方こいつには、どうしようもない欠点があった。

それは、抑揚を欠くこと。 何とも一本調子で、カーカーコーコーと下手くそなトランペット奏者の如くであった。 まー、BGM 用ならイケたかも知れない。

ということで、短期間の使用をもち、友人の Y 君へと売ってしまった。 そう、この頃は親しい友人、先輩のオーディオは僕が選定し、スピーカーシステムは僕の手作りだった。


こいつで聴く “ No Earthly Connection ” は素晴らしい。 目前に浮かんだソフトなボーカル、ブラスの切れは、初夏の森の中で清流を眺めているような ・・・ 曲を限定して、今も聴きたいスピーカーの 1 つだ。



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オーディオの始まり <その1>

2015-05-24 10:24:24 | 日記
それは大学 1 年時。 以前ここで書いた下宿から徒歩 7 分の距離にあるダイエーで買ったスピーカー。 オーディオコーナーで、仲良くなった店員さんから 「 ここに陳列してあるどのスピーカー (システム) より、こちらの方がいい 」 との言葉を引き出していたことから、購入を決意するに至る。

ペアで 3,000円程だったと思う。 安いジーンズを穿いた僕は、段ボールの梱包を手提げに入れてもらい、急ぎ足で帰った。

下宿に着くとさっそく箱を開け、端子にケーブルを半田付けし、親戚が経営する花火問屋に勤めていた H さんに案内してもらい秋葉原のコイズミ無線で買ったエンクロージャー (ペアで 7,000円位?) にネジ止め。

そうそう、「 送料がもったいないから 」 という H さんの親切な提案に感謝し賛同した僕は、一緒に一駅重労働して、わざわざ親戚の問屋から無料で配送してもらったっけ。 今思うとチグハグな話だけど、バイトさえ始めていなかった僕には、買うことだけで精一杯だった。

出てきた音は、これまで聴いてきたものとは次元が違う、鮮明かつ滑らかな音。 上京時に、父に買ってもらった 9,800円の Marantz SUPERSCOPE(ステレオラジカセ) に繋いだだけのオーディオ。 これが僕のファーストシステムだ。

そのユニットは DIATONE P-610B ・・・ 熟年オーディオファンの間ではお馴染みのロクハンだろう。 僕のオーディオは、偶然こいつで始まった。

プレス成形の安っぽいフレーム。 古色蒼然たるマッチングトランス取付用台座。 おまけにエッジはペンペラのスポンジだ。 (しかも、後年ボロボロになった)

その後、アルバイトして、プリメインアンプとプレーヤーを購入。 そして僕は、その下宿から 6 駅離れたアパートへと転居した。


Hotel California 、ボヘミアの森から(45 回転 LP) ・・・ このスピーカーから流れるボーカルは、思わず息を呑むほどの生々しさがあって、JBL STUDIO 570CH と同様、「 スピーカーの価格って、いったい何なのだろう 」 と考えさせられた逸品だった。




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プリメインアンプの歓送迎会 〝 音場追求からノスタルジアへ 〟

2015-05-10 10:03:14 | 日記
購入したのは Marantz 。 DENON (かの日本コロムビア、日本電氣音響株式會社ではなく、ブランド名のみ残存) とも、ディーアンドエムホールディングスで製造されている。 つまり、今や Marantz と DENON は、バリエーション設定を目的としたブランド戦略なのだ。

試聴に使用した CD は、Mike Oldfield : OMMADAWN 、大滝詠一 : A LONG VACATION 、EAGLES : Hotel California で、これまでの試聴と同一。

あいにく DENON は展示なし。 他メーカーとの比較試聴の結果、Marantz で唯一展示されていた PM-11S3 が突出。 中低音~中音が混沌としている曲を混沌としたまま再生する。

但し、分解能が低いわけではなく、ひとたび耳を “ 聞く ” から “ 聴く ” に意識変換すれば、1 つ 1 つの楽音は明確になる。 このニュアンスは、かつて同曲をアナログディスクで聴いていた頃のイメージと一致する。 無理やり皮を剥いて中身を露出させたような音ではない。

この混沌とした帯域が厚く暖かく、ひとの声、ボーカルものを魅力的な音で再現する。

低音は引き締まっていて弾力があり、中高音~高音はナチュラルトーンで、よく伸びている。 空間表現力もなかなかで、逆位相成分、エコー成分とも、太く実体感をもって周囲に漂う。 価格もリーズナブルだ。 メーカー希望価格が 43 万、売価は 33 万。

一方、分厚い面相はブリキのおもちゃの如くで、その高級感をスポイルしており、重量は何と 26.6kg もある。

クロゼット内への設置中に腰を痛めたら ? ・・・ 万一故障した際に配線を外して箱に納めるのは至難の技では ? ・・・ だいたい一人でできるのか ? ・・・ 元箱を保管したいが高さがあり過ぎ ・・・ などとブツブツ言いながら悩んでいると、店員の N さん曰く、この下のモデルもあって、低域はやや腰高になるものの、トーンは同じトレンド、とのこと。

あいにく展示がなくて試聴できなかったが、メーカー希望価格は 24 万。 売価は推して知るべしである。 しかも、カタログにはスマートな外観が載っていた。 重量は 18.5kg 。

ということで、購入したのは PM-14S1 。 肝心の音はというと、N さんのアドバイス通りで、やや腰高な PM-11S3 といった印象。 結構スリムで、ブルーに点灯したルックスが綺麗。 電子ボリュームだったり、放置すると休眠しちゃったりと、ユニークな面もあって、斬新だ。

注意点は、電源ケーブルの極性について表示も説明書きもないこと。 正しく接続しないと、平面的でボケボケの音に激変する。 これほど極性にナーバスなアンプは初めてである。


唯一不満な点は、スピーカー端子が左右それぞれ 1 つしかないこと。 バイワイヤリングのケーブルを HIGH、LOW とも、まとめて接続するハメに。 そうそう、それにもう一つある ・・・ モデルチェンジの度に買い替える悪い予感が (笑)




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プリメインアンプの歓送迎会 〝 需要激減と価格高騰と 〟

2015-05-05 09:41:56 | 日記
プリメインアンプを買うのは久しぶりだ。 今、オーディオショップと言えば、あそこしかない。 残念ながら、かの超有名専門店は今や、存在しないのだ。

候補はアキュの E-260、E-360、ラックスの L-505uX、L-550AX、L-507uX といったところ。 今回の試聴では、7 年前にも増して 「価格が不当に高くなった」 と痛感するに至った。

今や圧縮オーディオの時代。 重く大きな機器を揃えなくても、人間の聴感上 “ そこそこ ” と認識する音で、気軽にデータをテイクアウトできてしまう。 CD を買ったり、アナログディスクを中古店で物色したり、ハイレゾを楽しんだりといった輩は極めて希な存在である。

スーパーさえオーディオコーナーを設け、壁一面にスピーカーを積み、セレクターで切り替え試聴できた時代にまで遡って比べれば、単品フルサイズオーディオ需要は、正に “ 激減 ” と言えるだろう。

かくして、大手家電メーカーはオーディオ事業から撤退し、中堅以下のメーカーは不幸にも姿を消す一方、オーディオ専業を誇りとする少数派は生き残るために価格アップ ( クオリティダウン ) を余儀なくされてきたことは想像に易しい。

Accuphase と LUXMAN 両社のコストパフォーマンス感覚値を勇気をもって言えばこうなる。

 <Accuphase>
   以前の半分。 メーカー希望価格 40 万円のアンプの価値を
   以前のクオリティレベルに置き換えれば 20 万円相当。

 <LUXMAN>
   以前の 1/3 。 元ユーザーとしては悲しすぎる現実だ。


個々のモデルを試聴した感想は以下の通り。

 <E-360>
   ごく優等生的な音。 繊細さと力強さが両立され、ワイドレンジ
   でもある。 余韻も滲まず再生されるところなどは評価に値する。
   しかしながら、この相変わらず味も素っ気もない音を聴く度に、
   社名の由来が頭をよぎってしまうとは、何とも皮肉な話 ・・・ 。
   同社の主張は正論ゆえ、Accuphase ファンにとって理解困難な
   表現になってしまっていることだろう。 空間表現力は普通。

 <E-260>
   幼少の頃、真空管のモノラルプレーヤーで聴いていたレコードを
   友人宅で聴いたらカリカリで薄っぺらに。 友人宅のプレーヤー
   はトランジスタだった。 そんな音。 これが Accuphase か?
   私見だが、ルックスは LUXMAN より洗練された印象で、これに
   惚れ込んで購入するという考え方も、間違ってはいないだろう。

 <L-550AX>
   ハートウォーミングで太く包み込むような音。 が、いかんせん緩く、
   かつて LUXMAN が有した穏やかで力強い制動から程遠い。
   このアンプの中で、純 A 級に対する固定概念の 1 つが増幅され
   ている。 ボーカルは男女とも 「これ以上の音はないのでは?」 と
   さえ思わせる実力があるものの、録音状態によって表情を変える
   ところがあり、馴染みの曲が聴く気にならない程に殺伐とした音で
   再生されるケースもあった。 空間表現力は普通。

 <L-505uX>
   「ラックストーンへの先入観はこんなものだろう」 と、メーカー側が
   たかをくくって作り上げたような音、とでも言えば図星では?
   LUXMAN 伝統の “ かまぼこ型 ” ではないが、全てにおいて大味。
   一方で、ほぼ一律のルックスは高級感があり、所有欲を満足させる
   効果は十分期待できる。 そもそも安い買い物ではないのだから、
   「LUXMAN 買ったぞ!」 という感激はあっていい。

 <L-507uX>
   音が出た瞬間、思わず 「おっ!」 と声を出してしまった。
   引き締まった音像。 音の鮮度が高く、粒度が微細で瑞々しい。
   十分な厚みもあり、明るく暖かい。 高剛性ボディにトルクフルかつ
   吹け上がりの良い高出力エンジンを載せたクルマを、静かで快適な
   シートに身を置き鋭敏なステアリングで操る、などという比喩が頭に
   浮かぶ。 BGM 的にゆったりと疲れを癒すには不向き。 きっちり
   リスニングポジションで聴き入りたい。 唯一、不当に高い感じが
   しない “ 価格相応の製品 ”。 最後まで迷ったが、結局やめること
   にした。 このトレンドなら PRIMARE だし、今回の買い替え目的から
   外れてしまう。 空間表現力は優秀。


そんなこんなで、意外なブランドを購入することになったのです。 知人に対し、LUXMAN を選ばなかった本当の理由が話せず、ただただ 「高かったから ・・・ 」 と言わざるを得ないオーディオ業界の実情に、言いようのない寂しさを覚えるのは、僕だけではないだろう。







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プリメインアンプの歓送迎会 〝 さようなら A-977 〟

2015-05-03 10:11:50 | 日記
前日は何時間も聴いた。 改めて耳にした音は爽やかでどっしりとした厚みがあり、小音量でもバランスが良く艶やかだ。

特筆すべきは卓越した空間表現。 前方に 2 台のスピーカーしかないのに、音場は左右の壁を突き抜け、天空からスピーカーが存在しない後方まで、全方位に奥行きを伴いながら、楽音が実体感をもって広大にちりばめられる。

それは明らかに PRIMARE I22 よりも格上。 今更言うのも何だが、申し分ない音である。 でも買い替えを決意した。 幸いにも、この優位性に気付いた僕が購入したのは PRIMARE ではない。

買い替え理由は、ノスタルジアとでも言おうか。 とうに捨て去った、アナログディスクを魅力的な音で堪能していたあの頃の音に ・・・ 。


取り外しは深夜。 端子に繋がるケーブルを一つずつ外していく。 初めてこいつに出会った秋葉原の某有名オーディオ専門店の一角を思い出す。

そう、元々 ONKYO なんぞに興味はなかったのだ。 想像を絶する空間表現力、瑞々しいトーン、そしてあまりにも安い価格に戸惑って、購入を躊躇した瞬間が蘇る。

一旦ローテーブルの上に置き、端子を拭いた。 購入して 7 年ほど経っているが、どの端子にも曇りはない。 電源ケーブルの太さに改めて驚かされる。

後ろ髪を引かれる想いだが、こいつを大切に使ってくれるひとがいるから安心だ。 恐らく 1 、2 ヶ月後には S さんのコンパクトな書斎でハイクオリティな音を奏でているだろう。


さようなら 〝 A-977 〟 。 明日の午前中には新しい相棒がやってくる。



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