goo blog サービス終了のお知らせ 

ブルーベルだけど

君にはどうでもいいことばかりだね

プリメインアンプの歓送迎会 〝 需要激減と価格高騰と 〟

2015-05-05 09:41:56 | 日記

プリメインアンプを買うのは久しぶりだ。 今、オーディオショップと言えば、あそこしかない。 残念ながら、かの超有名専門店は今や、存在しないのだ。

候補はアキュの E-260、E-360、ラックスの L-505uX、L-550AX、L-507uX といったところ。 今回の試聴では、7 年前にも増して「価格が不当に高くなった」と痛感するに至った。


今や圧縮オーディオの時代。 重く大きな機器を揃えなくても、人間の聴感上 “ そこそこ ” と認識する音で、気軽にデータをテイクアウトできてしまう。 CD を買ったり、アナログディスクを中古店で物色したり、ハイレゾを楽しんだりといった輩は極めて希な存在である。

スーパーさえオーディオコーナーを設け、壁一面にスピーカーを積み、セレクターで切り替え試聴できた時代にまで遡って比べれば、単品フルサイズオーディオ需要は、正に “ 激減 ” と言えるだろう。

かくして、大手家電メーカーはオーディオ事業から撤退し、中堅以下のメーカーは不幸にも姿を消す一方、オーディオ専業を誇りとする少数派は生き残るために価格アップ(クオリティダウン)を余儀なくされてきたことは想像に易しい。


Accuphase と LUXMAN 両社のコストパフォーマンス感覚値を勇気をもって言えばこうなる。

<Accuphase>
 以前の半分。 メーカー希望価格 40 万円のアンプの価値を以前のクオリティレベルに置き換えれば 20 万円相当。

<LUXMAN>
 以前の 1/3 。 元ユーザーとしては悲しすぎる現実だ。


個々のモデルを試聴した感想は以下の通り。

<E-360>
 ごく優等生的な音。 繊細さと力強さが両立され、ワイドレンジでもある。 余韻も滲まず再生されるところなどは評価に値する。
 しかしながら、この相変わらず味も素っ気もない音を聴く度に、社名の由来が頭をよぎってしまうとは、何とも皮肉な話 ・・・ 。
 但し、同社の主張は正論ゆえ、Accuphase ファンにとって理解困難な表現になってしまっていることだろう。
 空間表現力は普通。

<E-260>
 幼少の頃、真空管のモノラルプレーヤーで聴いていたレコードを友人宅で聴いたらカリカリで薄っぺらに。 友人宅のプレーヤーはトランジスタだった。 そんな音。 これが Accuphase か?
 私見だが、ルックスは LUXMAN より洗練された印象で、これに惚れ込んで購入するという考え方も、間違ってはいないだろう。
 今回試聴した中で最も安い一方、最もコストパフォーマンスが悪く感じた製品。
 空間表現力などどうでもいいレベル(失礼!)

<L-550AX>
 ハートウォーミングで太く包み込むような音。 が、いかんせん緩く、かつて LUXMAN が有した穏やかで力強い制動から程遠い。 このアンプの中で、純 A 級に対する固定概念の 1 つが増幅されている。
 ボーカルは男女とも「これ以上の音はないのでは?」とさえ思わせる実力があるものの、録音状態によって表情を変えるところがあり、馴染みの曲が聴く気にならない程に殺伐とした音で再生されるケースもあった。
 空間表現力は普通。 音像は少々ボケて広がる傾向。

<L-505uX>
 「ラックストーンへの先入観はこんなものだろう」と、メーカー側がたかをくくって作り上げたような音、とでも言えば図星では? LUXMAN 伝統の “ かまぼこ型 ” ではないが、全てにおいて大味。
 一方で、ほぼ一律のルックスは高級感があり、所有欲を満足させる効果は十分期待できる。 そもそも安い買い物ではないのだから、「LUXMAN 買ったぞ!」という感激はあっていい。
 空間表現力は前後左右ともややナロー。

<L-507uX>
 音が出た瞬間、思わず「おっ!」と声を出してしまった。 引き締まった音像。 音の鮮度が高く、粒度が微細で瑞々しい。 十分な厚みもあり、明るく暖かい。
 高剛性ボディにトルクフルかつ吹け上がりの良い高出力エンジンを載せたクルマを、静かで快適なシートに身を置き鋭敏なステアリングで操る、などという比喩が頭に浮かぶ。 BGM 的にゆったりと疲れを癒すには不向き。 きっちりリスニングポジションで聴き入りたい。
 唯一、不当に高い感じがしない “ 価格相応の製品 ”。
 最後まで迷ったが、結局やめることにした。 このトレンドなら PRIMARE だし、今回の買い替え目的から外れてしまう。
 空間表現力は優秀。




そんなこんなで、意外なブランドを購入することになったのです。 知人に対し、LUXMAN を選ばなかった本当の理由が話せず、ただただ「高かったから ・・・ 」と言わざるを得ないオーディオ業界の実情に、言いようのない寂しさを覚えるのは、僕だけではないだろう。








コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« プリメインアンプの歓送迎会 ... | トップ | プリメインアンプの歓送迎会 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事