静岡で仕事を終え、翌日に備え浜松のホテルへ移動。 18 時 30 分に T さんと待ち合わせ、駅前の “ 八百徳 ” へ。
店内は普通。 店員は年配の女性ばかりで不愛想。 やはり、名古屋の “ まるや ” は希なる例外で、うなぎ屋は押しなべて接客の質が劣悪なのだ。 まー、こんなのは慣れているし、やっぱり味である。 美味ければよし。
店員にひつまぶしを注文した際に地焼きかどうか訊くと 「蒸してあるが、蒸さないものを出すこともできる」 と言う。 ということで地焼きを特注。 注文してから 「地元の店 “ とちの木 ” のように、焼き加減も恥も知らないド素人が単に蒸す工程を省いただけのゲテモノを出してくるんじゃないか?」 などと、ちょっと後悔しながら花の舞とやらの冷酒 ( これが人工的で臭くて不味い! ) を飲んでいると、いよいよ運ばれてきた。
香ばしい匂い。 蓋を開けて 1 切れつまんでみると、これが美味い! T さんが注文した蒸しの入った標準バージョンと 1 切れずつ交換してみると、明らかに違う。 やはり、うなぎはこの辺りが境界なんだろう。
翌日は 9 時 45 分に待ち合わせ。 実は、10 時 30 分のアポイント終了後は 15 時まで時間が空いている。 そこは何と言っても浜松 ・・・ 駅を出て右方向へと動く歩道を進んだ先には楽器博物館なるものがある。 暇を持て余しそうな僕と T さんは迷わず向かった。 博物館での話は次回に ・・・ 。
11 時 40 分頃に楽器博物館を出て、昼食で駅ビルに向かう道すがら、ネットで調べると浜松科学館という施設にプラネタリウムがあることが判明。 午後一番の部が 13 時から始まるとか。 とんかつを食べ終えると、受付最終時刻という開演 10 分前に間に合うよう駅を出る。
炎天下を歩いていくと、程なく浜松科学館を発見した。 何のことはない、先に入った楽器博物館とは高架を挟んで隣通し。 建物前の木陰ではスーツや作業着の中年男 5 人が昼寝中だ。 僕らは建物に入り、まずチケットを購入。
会話ができるとか書いてある大きく無骨なロボットを一瞥し、3 階へ。 そしてプラネタリウム入口から少々離れたところにあるベンチに座り、目前の画面にエンドレスで映し出される小惑星衝突の様子を眺めながら開場を待つ。 その後、スーツ同士のカップルが加わり、標準時では開演 8 分前に開場されたプラネタリウム内に一番乗りで入っていった。 開演直前に入場した年配の男性が左下に、年配の女性が右下に座り、客は総勢 6 人。 とりあえず、開演後は撮影禁止というプラネタリウム本体を事前に撮影しておく。
判で押したように夕暮れから始まるものの、驚いたのはナレーターの女性。 最初に 1 回だけ、咳をするためマイクを OFF にするという小さなアクシデントがあったが、声も口調も内容も秀逸で、頭上で展開される星々のドラマにぐいぐいと引き込まれる。 感心しながら、天空の映像にどっぷりと浸かる ( 「溺れる」 といった表現の方が適切か ・・・) ことができた。 上演時間は 40 分だが、感覚値は 10 数分。 これは決して大げさではない。
それにしても凄い迫力。 天球を高速移動する場面など、疾患のある客には刺激が強すぎるかも。 日頃、数少ない光点に 「静」 を感じる星空が、街の灯りも月も消失させたここでは正に、無数の星のダイナミックな 「動」 を感じる宇宙だ。
戦争で全てを失った復員兵が戦地で目にした南十字星を見るため、なけなしの金でプラネタリウムに通い、ある日、その場内で眠っているのを場内員が起こそうとするも息絶えていたという、昔観た TV 番組を思い出し、最近読んだ “ 永遠の 0 ” の影響もありで、実は何度も泣きそうになってたぞ。