「秋から始まった物語」と題した曲紹介シリーズ最後は、同世代にとって超有名な作品。 ファーストアルバムより雰囲気のある音作りがなされている反面、音質は悪く、中高域から高域は粗く歪んでいて、最高音域はほぼカットされている。
リリース後の来日コンサートは開演が大幅に遅れ、武道館の外で待たされている際に「ただ今、レーザー光線によるチューニングを行っております」という、怪しげなアナウンスが流れた。 今考えると、ちょっとあほらしい。(笑)
ところでこのブログ・・・「Don't Look Back」という画像タイトルでは、登録はできても貼り付けができず、試行錯誤の末、「Dont Look Back」に変更するに至っている。 う~ん面倒、とほほ。
特に好きなのは1曲目、3曲目、4曲目。 ついさっき(といっても、投稿時刻から6時間程経った頃だけど)電話したひとにも聴いて欲しい名作だ。
1:Don't Look Back
イントロのギターから「秋」だ。 当然のことながら、スキャロップ加工された
僕のギターでは綺麗な和音が出ない。 中音が強調され、コーラスを効か
せた独特のギター。 このサウンドを実現するエフェクターを、ギタリストの
Tom Scholz 自らが開発・販売していた。 それは「ROCKMAN」という商品。
Ritchie と同じく、一聴して Tom Scholz だと分かるキャラクターで、 「プロ
ギタリストは唯一無二のサウンドであるべき」という僕の持論を具現化した
ようなギタリストの1人である。 エンドの余韻がそのまま2曲目のイントロ
になり、切れ間なく3曲目のイントロが始まる。
3:It's Easy
爽やかなアメリカンサウンド。 ギターソロを含む独特のコード展開は1曲目
と近似パターンだけど、その爽やかさを更に強調していて Good! そして
曲想はやっぱり「秋」。 アコギと一緒に同じコードワークを弾いても違和感
なく一体化するところは、Tom Scholz サウンドの長所の1つ。 ギターソロ
もファーストアルバムから続くワンパターンが多いけど、なぜか良いんだな、
これが。 そのファーストアルバムで言うと Peace of Mind に相当する曲
で、 しかもメロディーが Rock 'n' Roll パターンに流れず、 結構凝った作り
になっている。
4:A Man I'll Never Be
これを聴きながら歩いた秋の京都を思い出す。 たまたま秋旅行で聴いた
から秋のイメージになったんじゃなくて、 元々秋のイメージだったから旅行
で聴く曲に加えた形。 穏やかで物悲しいバラード。 ギターソロは前作の
1曲目 More Than A Feeling と同じパターンのオンパレードだけどイケる。
でもこの曲、 意外と長いんだよね。 聴いている分には長く感じないんだ
けど。リコーダー様の音でゆったりと奏でられるエンディングは、秋の終焉
を告げているかのようだ。 収録曲全体にショートディレイの他、 空間系の
エフェクターがかかっていて、独特のライブ感を伴うアルバムに仕上がって
いる。 もう少し音が良ければいいんだけど。(苦笑)