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Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

ユン・イサン(尹伊桑)のフルート四重奏曲を聴きながら、二俣川から鶴ヶ峰まで歩く

2008-09-10 05:48:09 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは1917年韓国生まれのユン・イサンの作品。
彼の経歴については、かつて触れたのでここでは省略。
フルート四重奏曲は、1986年に作曲された。
ベルリン芸術週間のために作曲された一楽章制の曲で、
曲は4つの部分から構成されるようである。
それぞれ部分は細かいトレモロの音の動きによって開始され、
それゆえ各フルートによるトレモロの音は印象的である。

日本で学んだユン・イサンが聴いたことがあるかはわからないが、
竹林の中をかけぬける風の動きをもイメージさせる。
尺八の響きにも似たところや尺八の奏法をみることができる。
次から次へと音があふれ出しては、消えていく感じである。
各フルートのせわしないような動きは幻想的でありながら、
やがては解説書にも書かれている「天体の音楽」のような、
ハーモニーを生み、発散から収束へと向かう。

桑桐(San Ton)の「内モンゴル民謡による7つの小品」を聴きながら、二俣川から鶴ヶ峰まで歩く

2008-09-09 07:23:54 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
今回からは器楽曲・室内楽の紹介はその他の地域編に入る。
昨日途中で聴いたのは1923年生まれの中国の桑桐の作品。
桑桐という人物についての情報はCDの解説では書かれていない。
どんな経歴の作曲家についての詳細はわからないが、
上海生まれのようで、作曲家および音楽教育家として活躍した。
1941年国立音楽専門学校に入り、作曲を学び、
1947年頃から作曲活動を本格的に行い、
1949年以降は上海音楽学院で教鞭をとり、学院長にもなっている。

「内モンゴル民謡による7つの小品」は、1953年に作曲された。
中国音階による旋律中心のピアノ作品になっている。
内モンゴル民謡の原曲を崩さないような曲となっている。
第1曲「哀歌」は、哀愁に満ちた中に印象主義派風な部分がみられる。
この第1曲だけが4分ほどの曲で、他の6曲は1分程度、
もしくは1分に満たない短い曲ばかりである。
第2曲「友情」は、軽快で明るい旋律による短い曲である。
第3曲「郷愁」は、流れるような旋律によるしっとりした短い曲。
第4曲「草原の愛の歌」は、前曲と同じくおだやかでしっとりした短い曲。
第5曲「子供の踊り」は、三部形式からなる軽快な短い曲。
第6曲「悲しみ」は、第1曲と同じように哀愁ただよう曲。
第7曲「踊り」は、バルトークの舞踏組曲を思わせるような
軽快な舞踏風の短い曲で、ほのぼのとした感じで全曲を閉じる。

ウィリアム・アルウィンの「ピアノ五重奏のためのラプソディ」を聴きながら、鶴ヶ峰から上星川まで歩く

2008-09-08 06:51:41 | 古典~現代音楽イギリス編
昨日は鶴ヶ峰から上星川駅まで歩きました。
西谷を過ぎたところで突然の土砂降りにあい、
服がずぶぬれになりそうだったので環状2号線の下で雨宿り。
雷鳴が轟き、強風のためしばらく身動きもとれなかった。
途中聴いたのは1905年生まれのアルウィンの作品。
アルウィンは15歳の頃から王立音楽院にフルート奏者として入学し、
音楽の勉強を始め、21歳の時には作曲科の教授の地位に就いたようだ。
その後もイギリス音楽界において色々な活動に尽力したようだ。
またロンドン交響楽団などのフルート奏者としても活躍したようだ。

「ピアノ五重奏のためのラプソディ」は、
1938年に作曲にとりかかり1939年には完成した作品のようだ。
冒頭で力強く奏されるリズミカルな主題が提示され、
他のヴァイオリン中心に奏されるおだやかな旋律とともに
曲はこれら主題を使いラプソディ風に自由に展開されていく。
最後冒頭の主題が再び登場し、華やかな感じで終わる。

ヴァイオリンとヴィオラのための即興的なソナタは、
1939年の11月に完成した作品の新古典主義風の作品のようだ。
第一楽章前奏曲はバッハのような古典風な様相を示しながら始まる。
モデラート・コン・アルクーナ・リチェンツァから対位法的な扱いをする
ピュ・モッソ(スケルツァンドのテンポで)を経て最初のテンポに戻る。
第二楽章主題と変奏曲は、古典風の主題をもとにした変奏が続き、
モデラート・エ・センプリーチェ(メヌエットのテンポで)に移り、
曲は簡素で淡々とした旋律を奏しながら終わる。
第三楽章フィナーレ・アッラ・カプリツィオは、
古典風の主題をもとに軽快な音楽が展開されていく。
アレグレット・コン・ブルラに移り、音楽はおだやかな感じになり、
最後は冒頭の主題が再現され、華やかに終わる。

ヴィオラとピアノのためのバラードは、
1939年5月に作曲された作品のようだ。
ピアノの伴奏は幻想的な感じを作り出している。
全体はフランスの印象主義風な音楽でありながら、
ヴィオラの奏する旋律には所々でイギリスらしさが感じられる。
曲は最後に盛り上がりをみせ、華やかに終わる。

さて、今回で器楽曲・室内楽曲のイギリス編は終わりにしたいと思います。
なお、今回とりあげた器楽曲・室内楽曲のロシア編に関するCD等の情報は、
以下のアドレスに載せてあります。
http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/chamber-music-cd-england.html
参考にしていただければ幸いです。

エドワード・エルガーの弦楽四重奏曲ニ短調作品83を聴きながら、西谷から二俣川まで歩く

2008-09-07 08:24:53 | 古典~現代音楽イギリス編
昨日は西谷駅から二俣川まで歩きました。
二日前の夜道で転んで手のひらと膝、顎を負傷。
胸部も地面に打ち付けたようで、
歩くにしてもそれらの箇所の傷が痛む。
だから、あまり長い距離は歩くことができない。
そんな中、帰り道で聴いたのは1857年生まれのエルガーの作品。
エルガーはイギリスを代表する作曲家なので、
いまさら人物についての説明は必要ないだろう。
弦楽四重奏曲ニ短調作品83は1918年に作曲された。
後期の作品で、イギリス弦楽四重奏団によって初演されたようだ。

第一楽章アレグロ・モデラートの冒頭は、
古典風な均整感を持ちつつおだやかに始まり、
展開部では激しく情熱的な音楽となっていく。
再現部は冒頭のおだやかな主題が登場するが、
曲の終わりにかけて音楽は再び激しくなり、
クライマックスを築き上げ、最後おだやかに終わる。
円熟した彼の作曲技法を味わうことができる作品である。
第二楽章ピアチェーヴォレ(ポコ・アンダンテ)は、
ゆったりとした優しさ溢れる音楽である。
ピアチェーヴォレとは「楽しそうに」とか
「気持ちよさそうに」といったような意味である。
歌うような旋律は、よく聴くとイギリス民謡風でもある。
第三楽章アレグロ・モルトは、軽快な感じで始まり、
フィナーレらしく、力みなぎる情熱的な音楽である。
中間部のおだやかな音楽は第二楽章を思い出させるが、
曲はコーダにかけ再び情熱的になり、最後颯爽とした感じで終わる。

アラン・ロースソーンの弦楽四重奏曲第2番を聴きながら、横浜から和田町まで歩く

2008-09-06 05:57:28 | 古典~現代音楽イギリス編
一昨日はウォーキングを休みました。
昨日は横浜から和田町まで歩きました。
途中聴いたのは1905年生まれのロースソーンの作品。
ロースソーンは、ランカシャー州ハズリンデン出身で、
1925年王立マンチェスター音楽大学に入り、
ピアノ、チェロ、作曲を学び、1929年卒業後は、
ポーランドとドイツでピアノを学んだようだ。
弦楽四重奏曲第2番は1954年に作曲された。
1954年7月12日チェルトナムの音楽フェスティバルで、
グリラー四重奏団によって初演されたようだ。

第一楽章はソナタ形式で書かれ、マエストーソ・エ・ペザンテに始まり、
アレグレットの部分を経てアレグロ・アジタートへといたる。
軽快な感じで始まりながら、深刻でシリアスな内容の音楽である。
第二楽章アレグロ・アパッシオナート・センプレ・モルト・ルバートは、
情緒的な感じのゆったりとし、重々しい感じの音楽である。
第三楽章アレグレットもゆったりとした音楽だが、
中間部で情熱的な盛り上がりをみせるが、その後静まり、
第四楽章主題、3つの変奏とコーダへと続いていく。
主題をもとにした変奏だが、最後は神秘的な静けさの中終わる。