Mars&Jupiter

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武満徹の「そして、それが風であることを知った」を聴きながら、希望が丘から西谷まで歩く

2008-09-17 07:00:28 | 古典~現代音楽日本編
昨日は希望が丘から西谷駅まで歩きました。
途中聴いたのは、1930年東京生まれの武満徹の作品。
武満徹の経歴については以前触れたこともあるので省略する。
「そして、それが風であることを知った」は1992年に作曲された作品。
フルート奏者オーレル・ニコレの日本での代理人
小尾旭の委嘱を受けて作曲されたようである。

曲は現代的でありながら、そこに美しさがあり、
ドビュッシーのように絵画的、映像的である。
どこかある風景の中に聴き手が迷いこみ、
周囲を見渡してここはどこだろうと思う感じで、
そこには風が吹き続け、その中で呆然となる風景を思わせる。
現代曲でありながら、どこまでも美しい、
そこが武満徹の音楽の素晴らしさかもしれない。

「海へ」はアルト・フルートとギターのための作品である。
第1楽章の「夜」は1981年にトロントで初演されている。
その時の演奏者は聴いたCDの演奏者であるエイトケンのフルート。
そしてギターはキューバの有名な作曲家レオ・ブローウェルである。
SEAという字をもとにEs-E-A(変ホ-ホ-イ)からなる音を
使うアイデアが面白く、フルートの技巧的な部分もなかなかである。
第2楽章「白鯨」も幻想的な美しい曲である。
尺八の奏法をフルートの演奏に活かしているところも面白いが、
ギターの演奏も存在感のある美しい旋律を奏でている。
第3楽章「鱈岬」はギターの独奏から始まる曲で、
フルートが入り、印象主義的な世界に入り、
ロマンティックな美しさも垣間見せる曲である。

昨日は卒業生と飲みながら、楽しい時間を過ごした。
みんなそれぞれの人生ではあるが、
その生き方を聞いて元気づけられるところがある。
作曲家の人生も色々あるなあと思わせるところがあるが、
どのような人生がいいのかには答えはない。
少なくともこれでいいというものはないが、
こうやって生きていくというものがあれば、
強く生きることができるのかもしれない。
コメント
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