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ルイス・ウンベルト・サルガードの交響曲第1番「アンデス」を聴く

2022-07-02 22:08:52 | 古典~現代音楽ブラジル・メキシコ以外の中南米編
北アメリカの作曲家の作品をとりあげているが、
ここで南アメリカの作曲家の作品もあげておく。
今回は1903年生まれのルイス・ウンベルト・サルガードが、
1949年に作曲した交響曲第1番「アンデス」を取り上げる。
ルイス・ウンベルト・サルガードはエクアドルの作曲家である。
父が創設した国立音楽院で学び、1924年には卒業したようだ。
卒業後は音楽院の教授として教える一方で、
作曲家としては9つの交響曲を残している。
聴いたCDはミヒャエル・マイスナー指揮、
クエンカ交響楽団の演奏である。
第一楽章アレグロ・モデラート(サンファニート)は、
鐘の音で始まり、木管楽器とハープで民謡の旋律が奏でられる。
繰り返される鐘の音と民謡風の旋律がとても印象的である。
サンファニートとはエクアドルの伝統的な踊りである。
主題は確かに変形され展開されていき、確かに再現部もある。
だが、交響曲というイメージとは違う気がしてしまう。
何とも親しみやすい音楽に気持ちをとられてしまうが、
不思議な感じにさせてしまう楽章である。
最後は金管楽器中心に盛り上がったところで終わる。
第二楽章ラルゲット(ヤラビー)は、
第一楽章冒頭の鐘の音の旋律をホルンが奏でて始まる。
ヴァイオリンが切ない感じの旋律を奏でるが、
ヤラビーとはアンデス地域の哀歌のようで、
メスティーソ層で歌われたもののようだ。
木管楽器やチェロがその旋律を引き継いでいくが、
ここでも親しみやすい民謡的な舞踏的な旋律が奏でられていく。
ロマンティックに盛り上がるところもあり、
ヴァイオリンのソロが入り、最後は静かに終わる。
第三楽章アレグロ・センプリチェ(踊り、ヴィヴァーチェ)は、
オーボエが愛らしい旋律を奏で、金管楽器などの音と呼応する。
木管楽器が中心となって活躍し、舞踏的な旋律を奏でていく。
第四楽章フィナーレ-アレグロ・ヴィーヴォは、
やや荒々しい舞踏的な音楽で始まる。
このあたりはヒナステラを想起させるところある。
アルパソはエクアドル高地のダンス音楽であるが、
旋律はそれをもとにしているようではある。
鐘の音が鳴り、そのあとも荒々しい音楽が繰り返される。
金管楽器中心に高揚したところで最後突然終わる。

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