Mars&Jupiter

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レーヴィ・マデトヤ(マデトーヤ)の交響曲第2番変ホ長調作品35を聴く

2022-09-17 20:15:24 | 古典~現代音楽フィンランド編
今回は1887年生まれのフィンランドのマデトヤ(マデトーヤ)が、
1918年に作曲した交響曲第2番変ホ長調作品35である。
今回聴いたCDの演奏はパーヴォ・ラウティオ指揮、
タンぺレ・フィルハーモニー管弦楽団のものである。
第一楽章アレグロ・ノン・トロッポは、
木管楽器の奏でる音型の上で、弦楽器が主題を奏でて始まる。
その抒情的な旋律を木管楽器などが引き継いでいく。
シベリウスに師事したこともあって、
その音楽を思わせるところもあり、
ドラマティックな展開がみられる。
最後の方はホルンの音が鳴り響く中、
自然を感じさせるような穏やかな感じの音楽が続いていき、
フルートの音に導かれ切れ目なく次の楽章に続く。

第二楽章アンダンテは、オーボエの奏でる旋律で始まる。
この旋律は彼が聴いた若い羊飼いが奏でる笛の音を、
きっとイメージしているのであろう。
牧歌的なこの音型は最初繰り返し出てくる。
弦楽器と木管楽器による幻想的で抒情的な旋律は、
以前ブログで書いたように交響曲第3番は、
フランスの作曲家のルーセルやマニャールの影響を
受けているらしいのだが、まさにこの楽章などはそうなのかなとも思える。
途中ドラマティックに盛り上がるところもある。
ホルンの吹奏が出て壮大な自然を感じさせ、
なかなか味わい深い音楽である。
最後の方で冒頭の旋律が現れて静かに終わる。

第三楽章アレグロは、金管楽器で荒々しく始まる。
ロシアの支配からフィンランドが脱していく時期の作品なので、
その中での闘争の期間を感じさせるような不安さを思わせる。
困難に立ち向かう強い人間の意志や闘志を感じさせもする。
ここにはショスタコーヴィチの音楽を思わせるところもある。
激しい音楽であり、しかし前進しようとする気持ちがみられる。
最後は盛り上がったところで、やがて静かになっていき、
オーボエの音に導かれ次の楽章にそのまま続く。
第四楽章アンダンティーノは、弦楽器の奏でる旋律で始まる。
何かを回想するかのような音楽である。
やがて木管楽器が抒情的な旋律を奏でてつなげていき、
遠くでホルンが響き、弦楽器が再び旋律を奏でていく。
やがて金管楽器と打楽器中心に盛り上がりをみせ、それが静まると、
木管楽器と弦楽器中心に音楽は進行し、最後は穏やかに終わる。
じっくりと聴いてみるとなかなかいい音楽である。

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