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Mars&Jupiter

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ホアキン・クレルチのイェマヤを聴く

2010-05-27 05:33:53 | 古典~現代音楽ブラジル・メキシコ以外の中南米編
昨日は雨が降り続いていたためウォーキングは休みました。
今回とりあげる曲は、1965年生まれのクレルチの作品。
彼はキューバ生まれの作曲家・ギター奏者である。
ハバナ芸術大学でギターや作曲などをブローウェルなどから学び、
その後1990年からはオーストリアに渡り、
ザルツブルク・モーツァルテウム大学でギターをエリオット・フィスクに師事し、
中世音楽はアントニー・シピリやアーノンクールなどに師事したらしい。
ソリストとして世界各地で活躍するばかりではなく、1999年以降は、
デュッセルドルフのロベルト・シューマン大学で、ギターを教えているようだ。
今回聴いたCDは、グレアム・アンソニー・ディヴァインのギター演奏によるもの。

イェマヤは1987年に作曲されたギター作品である。
曲は「伝説」、「提示」、「予感」、「記憶」、「踊りに」、
「愛に」、「最後の単純な練習曲」の7つの部分からなっている。
以上のタイトルは勝手に自分で訳してみました。
イェマヤは海の神・水の神であり、すべての母でもある。
したがって、最初の「伝説」はそれをイメージし、
海上にやさしく吹く風の音を描写しているようだが、
この曲を聴いただけでギターをこのように使うのもありかと
思わせるほど強烈な印象を与える感じがし、
まさしくやさしい風の音がうまく表現されていると感じる。
そのあと続く「提示」、「予感」、「記憶」は流れるような
ギターの演奏が心地よく、美しい音である。
「踊りに」は激しい曲で、高度な演奏技術を見せてくれる。
「愛に」、「最後の単純な練習曲」は優しい感じの曲で、
甘い感じのギターの音は愛の神としてのイェマヤを感じさせ、
最後は冒頭の「伝説」を思わせるサウンドが流れ、幻想的に終わる。