Mars&Jupiter

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ボフスラフ・マルティヌーのチェロ・ソナタを聴きながら、二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩く

2008-05-29 06:15:35 | ボフスラフ・マルティヌーの作品
昨日は二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは、1890年生まれのチェコの作曲家、
ボフスラフ・マルティヌーのチェロ・ソナタである。
昨日はこのうちのチェロ・ソナタ第1番H277と、
チェロ・ソナタ第2番H286を聴いてみた。
チェロはヤーノシュ・シュタルケルによる演奏である。
シュタルケルによる演奏もなかなかいいのだが、
ピアノを弾くフィルクスニーの演奏もいい。
この2つの作品は第2次世界大戦中に作曲された作品なので、
どちらもその戦争という時代背景を頭の中に入れて、
聴いた方が理解しやすいし、その理解が必要かもしれない。

チェロ・ソナタ第1番は1939年に作曲された作品で、
彼が20年近く住んだパリで作曲された。
第1楽章ポコ・アレグロはピアノに続き、
チェロが主題を奏し、その主題が展開されていくが、
ピアノの伴奏にマルティヌーらしさがあふれている。
第2楽章レントは、最初の1分近くのピアノの独奏が、
陰のある感じの曲で、チェロがそのあと現れるが、
やはり何かしら差し迫った状況が感じ取れる。
1939年に勃発した第2次世界大戦による緊迫した状況が、
投影されているといっていいのだろうか。
第3楽章アレグロ・コン・ブリオでは、
チェロの技巧的な演奏がみられ、終楽章らしい。
軽快で刻々と変化していく音楽が流れる一方で、
第2楽章と同じく緊迫感はみられるが、
最後の終わり方に一縷の希望が見える気がする。

チェロ・ソナタ第2番は、1942年にニューヨークで作曲された。
彼がアメリカに渡った時に彼を助けたチェコ出身のチェロ奏者
フランク・リブカ(Franck Rybka)に献呈された作品のようだ。
第2次世界戦争が続いている中で作曲されたからか緊迫感はある。
しかし、第1楽章アレグロを聴くと希望のような明るさがみられ、
彼の作風が簡素な方向に向かっているような印象を受ける。
いかにも彼の音楽らしさが溢れている音楽である。
最後に最初に提示された主題が再現されて終わる。
第2楽章ラルゴも重く暗い感じで始まる。
チェロが歌うように主題をゆったりと奏していく。
第2次世界戦争で起こっていることへの怒りや嘆き、
そしてそこでの犠牲者への祈りのようにも聞こえてくる。
第3楽章アレグロ・コモドは軽快な楽章である。
中間部にはチェロのカデンツァ風の独奏があり、
ここはチェロ奏者の腕のみせどころであろう。
そのカデンツァ風の中間部を過ぎ、
再び主題が登場し、一気にコーダに向かって終わる。
コメント
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