そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

いびつなインフレ

2008-01-29 | 政治と金

10年ぶりの物価高で、日本は今インフレ状態とのことである。しかし、冷静に価格が上昇したものを見ると、輸入依存の高いものばかりである。

目立つ石油価格と、自給飼料を放棄しアメリカ飼料に依存した畜産製品がその典型である。エネルギーは、輸送コストを考えると発電効率が低くても自給する方が、よほど効率的なのである。

畜産製品は、乳製品一般の上昇により関連製品が高騰する。当然のことである。インフレは、経済全体を活発化する。資本主義はインフレがお好みであるが、現状は物価上昇しながらも景気は低迷する、いわゆるスタグフレーションになる様相を示している。

日本全体が、急速に活力を失いつつある。高齢化や株価の下落もその要因かも知れないが、この国が経済発展のために多くのことを犠牲にしてきた経過がその主因だと思われる。

その典型が「食料」の放棄である。どこかで買えば良い。安ければ良い。量さえ確保されれば良い。そのために、経済発展だけを国是として来た結果である。

自給率の低いものは、輸入する国家の思惑に左右される。今回は、アメリカが日本の家畜より、アメリカの車にコーンを食べさせたいと思ったからである。

海外から輸入される製品は、当然のことながらコストがかかる。経済発展だけを追求してきた日本は、ここにエネルギーが大量に使用され、地球温暖化に貢献することなど思いもつかなかったのである。

食料やエネルギーは、最大限自給しなければ他国の思惑に晒されて、健全な国家としての存在すら危うくなる。今回の、いびつな物価上昇はそのことをこの国の問いかけているのである。

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