東日本大震災で物理的に、具体的に失ったものは数多くある。震災地に限らず、関連企業や事業の行き詰まりなど枚挙にいとまがなく、無数にある。
しかし、本来なら失うこともなかったようなモノまで失くしていることに 気が付く。その原因は、原発と政治の貧困である。
世界では、この3カ月の間に大きな動きが、日本の震災とは関係なく展開されている。日本は、世界から同情されてはいるが、部外者的な扱いになったままである。
リビア情勢が混とんとしている。カダフィは意気軒高である。NATO軍が空爆を繰り返しているが、これは明らかに内政干渉である。カダフィは擁護されるべきと言っているのではない。国家は自らの国民の力で解決すべきなのである。そのことへの協力は、あくまでも非軍事的であるべきである。
オバマはリビア出兵を議会によって拒否された。アフガン撤退のスケジュールは、渋々容認されたが、結局はオバマも武力によって解決を試みているのである。
東南アジアで、大陸棚なの資源確保のために、中国の領海進出が活発になってきた。中国は尖閣列島に対しても、同じ発想である。ベトナムやフィリッピンとの協力する、絶好の機会である。
金正日が息子のために、中国更にはロシアとの関係を深めようとしている。今こそ、韓国と密接な連携を確認するべきであろう時期である。金体制は当分続くのか。
IAEAの閣僚会議で、日本は今こそ脱原発を基軸にした政策を打ち出し、世界をリードするべきであった。現実には、各国の国内事情に配慮した、具体性のない内容に収まってしまった。唯一の被爆国家としては、あまりにもお粗末な閣僚会議の結果である。
普天間基地は、結局は自民党が取りまとめた案に、2プラス2で決めてしまった。民主党の言ってきたことが、アメリカの言いなりで具体的に反故にされたのである。
この他にも多くの問題ややらなければならにことがたくさんある。震災だけならともかく、政治のドタバタ劇の中で、あるいは放射能対策が後手後手になる中で、日本はほとんど何もできずにいる。
政治の貧困と言うにはあまりにもお粗末な現実であるが、どこかでツケを払わされることになる。