そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

アメリカ銃社会の抑止力の幻想、国家も同じである

2018-02-23 | トランプ

今年になってアメリカでは銃乱射事件が18件も発生している。二日に一回の割合といえる。異常な事態といえる。これに対して、トランプは力の論理しか持たない、為政者としては基本的な教養も思想ない男であるから仕方ないともいえるが、事態を解決する提案ができない。今回の孝行での乱射事件を受けて、トランプは何を言ったかというと、「教師を訓練をさせて、いい銃を持たせれば、解決が早い」といったのである。短期的なその場限りの論理である。
上の表は、国民100人当たりの銃の保持の数である。圧倒的にアメリカが多く、ほぼ全員が銃を持っていることになる。これだけ銃を持った人たちがいるのであれば、トランプの理屈であれば「抑止力」が働いて、事件は起きないことになる。実際は世界で最も中により事件の多い国家である。昨年は1万5千人も銃によって殺害されている。
教師が銃を持ったところで、抑止力にはならない。事件を起こす人物は、それに勝る方法をや手段を考えるからである。誰でもが安価な銃を簡単に購入できる社会、銃社会が問題なのである。銃乱射事件や殺人事件を、銃の数や性能の問題に押し込めてはならない。銃の保持を強く規制して、社会から銃をなくすこと以外の解決策はない。

これは何も一国の暴力問題ではない。国家間の武力による関係も同じである。暴力的な国家を力で抑え込もうとする、アメリカなどの武力による威圧や威嚇も同じである。能力の高い兵器を配備する行為は、トランプの発言そのものである。
しかしそれでは何時までたっても紛争はなくならない。勝つための戦闘しか考えないのは、トランプの稚拙な思いつきである。人類は際限ない暴力装置の拡大を競ってきた。20世紀の戦争の世紀から何も学んでいないことになる。
第一次世界大戦が終わってから、世界各地で無数の戦争や紛争それにテロが起きているが、世界で最も強力な軍隊を持つアメリカはそれらのすべてに関わっている。トランプの論理であれば、もっとも強い「抑止力」を持つアメリカは紛争や戦争など起きないことになる。
現実には常に止むことのない戦禍をアメリカは抱えている。巨大な戦力を持つからである。それは同時に、武器生産産業が紛争などを通じて富を得るからに他ならない。
銃社会も同じである。誰もが何処でも安価に銃を購入してもらえる巨大な市場を、IRA(全米ライフル協会)などは失いたくないからである。そして彼らは、極めて強い政治団体として政権を誘導するのである。
銃は人を殺さない。殺すのは人であるとIRAは主張するが、銃が人を殺すのである。銃がなければ銃による殺人事件は起きない。兵器がなければ戦争は起きない。兵器で潤う産業の主張を聞いてはならない。暴力は暴力に対して抑止力にはならない。アメリカが証明していることである。
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