そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

中国よりアメリカや多国籍企業の食べ物が危ない

2014-07-26 | 政治と金

今や日本は、”嫌韓”と”反中”一色である。週刊誌が韓国や中国をこき下ろさなければ売れない雰囲気である。ヘイトスピーチなどもそうしたことが、背景にあると思われる。

今回の中国の食品汚染もそうしたことで、エスカレートする一方である。期限切れの肉を混ぜたり偽装をしたり汚れたままのを商品にしたりと、とても許せるものではない。
しかし、これらの一連の報道の発端は中国メディアの告発である。しかも、駆け出しのレポーターでも解る出来事である。解り易い。受け取る方も同じである。
マクドナルドやファミリーマートなどはえらい迷惑であろうが、当然のリスクである。
中国はこれを事件として扱い、質の向上を図ろうという思いだろう。そのための外科的処置のように思われる。日本のマスコミには大うけである。日本の報道に対して中国も、今回は反日感情をあおるような領土問題を持ち出していない。輸出の鈍化と人件費の上昇を乗り切るには、質の向上しかないと判断したのであろう。

しかしこれは、途上国が避けて通らなければならない、ありがちな関門である。多国籍企業やアメリカのような確信犯とは異なる。

本ブログで何度も指摘しているが、アメリカと多国籍企業の政府を巻き込み、政策的なバックも取り付けての売り込みに比べたら、低俗で他愛もない今回の中国の食品問題である。

抗生物質にまみれているアメリカの肉
こんなにも汚いアメリカの畜産物、それでもTPPか
などで取り上げたが、アメリカに食品の方がよっぽど怖い。彼らが権力者と一体になって、食料を単なる食料品としてしか扱わず、業者によるロビー活動が功を奏しているからである。
モンサントが展開する、遺伝子組み換え食品の危険性も何度も指摘しているし、ネオにコチノイドのように正体不明であるが、結果だけは判明していて、日本とアメリカだけが使っている、危ない農薬も日本に広がっている。
駆け出しのレポーターではわからないだろうし、消費者も難解な権力構図は嫌だろう。視聴率が稼げない。

中国食品の汚染などの低レベルの出来事に騒ぐだけでなく、権力を巻き込んだ、多国籍企業の食べ物にもっと目を向けてほしいものである。
そして、日本の生産者・農民の真摯な生産意欲を削ぐような価格だけによる評価、TPP参入は見直してほしいものである。

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