そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

こんなにも汚いアメリカの畜産物、それでもTPPか

2013-09-17 | 政治と金

牛の慢性的な下痢を引き起こす、ヨーネ病という病気がある。別名パラ結核と言われるように、人間の結核に近い菌である。典型的な慢性の疾患である。

日本ではこのヨーネ病は法定伝染病に指定されて、定期的に血液検査が畜産農家に義務付けられている。今年からその精度も高いものになり、これまで臨床症状は2歳にならなければ発病しなかったり、排菌しなかったりしていたのも、その前の段階の若い時期に摘発できるようになった。

私は、この辺では初発のヨーネ病を摘発した経験がある。アメリカからの輸入牛であった。その時の映像などは今でも利用されている。ちょっとした思い入れもある。

ヨーネ病に酷似した人間の病気に、クローン病という病気がある。ヨーネ病は牛とその仲間しか感染しないと言われていたが、疑問が投げかけられている。超慢性の病気の原因菌は、培養にも3カ月以上かかり、これまでは判定が難しかった。最新技術の、DNAによる診断はクローン病との関係を裏付けている。

アメリカでは15年前には、無差別の抽出で16%ものヨーネ病が確認されている。法定伝染病ではない州も多く、日本のように淘汰が強制されていないし、保障金も出ない。検査体制も十分ではない。

日本などの研究者の調査によれば、アメリカに乳牛の60%は、ヨーネ病に感染していると報告している。特に大農場では95%も感染している。そして牛乳に、ヨーネ菌が排出されることも解っている。多くの研究者は、先進国のクローン病の発生の増加は、ヨーネ病の牛からの排菌が原因でないかと訴えている。

今週の週刊誌「女性自身」に、ヨーネ菌によるアメリカの牛乳汚染の実態が特集されている。アメリカの粉乳に警鐘を鳴らしている。実態はすべての乳製品が危険なのである。

これまで、アメリカの生産効率を優先する企業的農業の畜産の危険性を訴えてきた。肉の汚染と汚い牛乳であるが、牛の病気に対しても、目先の収益を優先する実態が反映されたアメリカの伝染病対策と、怖ろしいクローン病の実態である。

肉の汚染http://blog.goo.ne.jp/okai1179/d/20130416

汚い牛乳http://blog.goo.ne.jp/okai1179/d/20130422

それでもこの国はアメリカルールに従う、TPPに参加するのだろうか。

コメント (2)
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