そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

レアーアースに学ぶ食料問題

2010-10-05 | 政治と金

尖閣列島を巡って、日中が領土権を主張して互いを非難している。比較的冷静な日本に比べ、共産党の独裁国家で、特定の人物に権力が集中する中国では、本来関係のないあるいは筋違いの事でも平気でぶつけてくる。近代国家にはないことである。中国の未熟さがここにある。

観光客を差し止めたり、日本学生をの上海万博招待中止したり、商社マンを拘束したりすることは、領土問題・尖閣列島事件とは全く関係ないことである。少し反省したのであろうか、報道官は関係ないと発言している。嘘である。

そうした中でどうしても気になるのが、レアーアース(希土類)の輸出制限である。ここでもそんなことはしていないと報道官は嘘ついている。日本は国内備蓄があり、代替品への技術的模索も動き出している。中国は、世界のレアーアースの98%を生産している。人件費が安いことと適当な技術先進国であることが、生産を促している。世界各地域にないわけではない。

こうした輸出禁止や制限は、WTOの示した特別な理由がなければ出来ないことである。中国はやっている。ちなみに中国はWTOに加入していない。今年、ロシアが小麦の輸出制限に踏み切った。自国の生産量が半量になりそうであるからとの理由である。代替品のない食料であり、WTOの容認する内容である。

つまり重要な製品はいつでも政治的に利用され輸出禁止にするし、国家が戦略物質として利用するということである。しかし、レアーアースはなければ困るかもしれないが、生命に係わるわけではない。産業にとっての都合である。

もっとも解り易い戦略物質が食料である。食料がなくていいい人間は存在しない。人の生命にとって欠くことのできないものである。すでに何年にもわたって、日本は食料を海外に依存する構造を築きあげてきた。今更、産業構造をそのままにして「食糧自給」もないだろう。一度日本は、レアーアースのように、戦略的攻撃を受けてみれば気が付くであろう。

尖閣列島問題はいみじくも食料自給の大切さを教えてくれえいるのである。食料を自給しない独立国家などないのである。

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