小沢一郎が民主党代表を辞任することを決めた。政治資金規正法の範囲内で取り扱いっているので、やましいことはないと貫いた。今回の第一秘書の逮捕はどう考えてもおかしい。検察の横暴である。かつてこんなことで逮捕したことなどなかったし、請託の事実は権限がない以上証明されるとは思えない。
ただ、小沢がゼネコンから献金を受け取る政治姿勢は問われて然るべきである。自民党を金の問題で飛び出したさきがけや、日本新党それに社会党から合流した人たちとは、全く異質な政治姿勢である。旧田中派を象徴するような体質である。ニワトリ集団に突然番犬が飛び込んだと表現されている。
ゼネコンからの献金をいくら透明にしても、民主党の党首である以上問われることはあると思われる。ようやく企業献金廃止を口にするようになったが、こうしたことがないようにと税金から政党助成金を受け取っていいるのではないか。
しかしこの事件は、どう考えてもおかしなことだらけである。検察側からの説明が全くない。時折リークする内容も、どうも本質を外している微小なことばかりである。それにマスコミが一斉に行っていた小沢の政治体質の攻撃を、2ヶ月間止めることはなかった。
世論調査も、小沢の辞任を求める声は50%を切ることがなかった。小沢が辞任の最大理由はこのことである。
これで総選挙は任期いっぱいの9月になることになるだろう。党首が入れ替わり、若返ることになるが、自民党は敵失で少し上昇した支持率を失うことになる。そうなると、優柔不断な麻生は決断の時期を見極められずに、ズルズルと任意いっぱいまで引っ張ることになるだろう。
それにしても、なんとも陳腐な出来事が国全体を揺るがすような大騒ぎになる。この国の劣化した政治土壌は、回復することはないのであろうか。