ロシアでまた船舶による重油海洋汚染が発生した。経済発展途上にある国で実績を積み上 げつつある時期は、環境問題に極めて関心が薄い。とりわけ今日のロシアは、ほとんど無関心にさえ思える。
強風を受けてロシアの黒海のカフカス港で数隻の船が座礁し、タンカーが破壊して数千トンの重油が流出している。野鳥観察者は、カウントできないが30,000羽程度の野鳥が死滅したと報告している。
鵜が羽を広げているのは、懸命に付着したオイルを乾かすとするさまである。野鳥の生態を 多少ともでも知る者にとっては、オイルが付着して動けない野鳥よりむしろ哀れでならない。
重油の採取などの、事後対策はほとんど放置されていると言って過言でない。WWF(世界生物基金)は、硫黄による環境汚染は相当期間続くであろうと発言している。この環境汚染はどうなるのであろう。
ロシアは、いつからこのような経済発展至上国に成り下がったのであろう。かつての社会主
義体制を復活しろとは言いたくはないが、やはり正確な意味での民主化は程 遠く、情報開示はまだなされていないとみるべきなのであろう。
チェチェンの弾圧も、結局はチェチェンの独立が、エネルギー資源の国有化の妨げになるからである。プーチンを批判する数多くのジャーナリストが、非業の死を遂げたのも同様の意味を持っている。
来春にはプーチンは大統領から降りるようであるが、統一ロシアの主席の位置を譲らず権力を保持する方策を 未だ模索している。ロシアは国家権力が際立つ、恐怖国家になりつつあるようである。