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そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

賞味期限とMOTTAINAI

2007-11-27 | リニアー新幹線

ものない時代、食べ物がない時代に育った者にとって、物をぞんざいに扱うことは強く戒められていた。とりわけ、食べ物はいい加減な扱いをすると殴られる目にもあった。MOTTAINAIとはまさしくそうした感覚のことである。

最近になって、モノがあふれるような時代になると大事なものは何かという感覚すら薄らいでくる。とりわけ、またぐことも捨てることも怒られた食べ物は、相当な状態になっても食べたものである。

庭先に売りにきた人たちから買うものも、今流の表現をすると「自己責任」で、購入したものである。匂いや色形で判断して、買ったものである。それでも、誰も腹を痛めることなく、誰も売りに来た人を責めることもなかった。

食べ物の大量生産を企業が行うようになって何を基準にしたのか、「賞味期限」が表示されるようになってきた。その内容を改ざんするのは約束違反であるし、虚偽の表示を行うことになる。

しかしながら、突如として物が悪化するわけではない。薬では、効力が劣化するものについては「有効期限」が表示されている。これは、指示された保存の下で、その時期までは表示の内容を保障すると言うものである。生産段階では、劣化を見込んだ量(力価)で出荷するのである。科学的な根拠を持っている。

食べ物も、急激にに悪化するわけでない。まだ食べられる物を、賞味期限を設定しているからと、廃棄するのは何ともMOTTAINAIものである。1日経って廃棄される弁当で暮す、路上生活者は糖尿病になるほど肥満になっていたりもする。

虚偽の表示は、法的にも道義的にも間違っているが、今年多くの話題になった食品偽造に被害者はいない。不二家も赤福も白い恋人もミートホープも、被害者が出たわけではない。質の低い経営者がつるしあげられて、報道で騒がれているだけである。

海外に食料を大きく依存し、自らが生産しない国家で廃棄される食物は、一日一人当たり660カロリーになる。これは、日本全体ではおおむね1500万人の、胃腑を見たす量である。

どこかおかしな、食糧輸入大国日本のMOTTAINAI「賞味期限」表示である。

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