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そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

生産量しか追わない、農を忘れた日本の農業政策

2022-04-25 | 農業と食
日本の食品は世界一安全と思っている方がこの国に溢れている。プーチンの支持率が83%に驚く国民はなんという無知なことであるか。手前みその国内情報しか関心のない日本は、農薬に関する情報が圧倒的に少ないのである。台湾が200倍もの農薬を使っている日本のイチゴの輸入を禁止したことを本ブログで2年前にとりげた。コメントがかなりあった。驚いたというのと、基準が異なるというのが多いのであった。中国は隠しているとか、遺伝子組み換え作物が入っていないとかいうものであるが、日本の圧倒的な農薬の使用量が変わるわけでもない。
日本人は勤勉で、日本が決めた基準を忠実に守ってはいる(だろう)。その基準が相当手前勝手である。ラウンドアップやネオニコチコイド系の農薬は先進国ではほとんど禁止されているが、日本は捨て場所になっているのではないかと思うほど大量に使われている。ラウンドアップについては、農協が地域ごとの競合をやって表彰すらしているし、国営事業で農地改良すると使用が強制されている。こんなものが入っていない。
更に、近頃はスマート農業やイノベーションという言葉で、報道に披露されて、農薬や化学肥料がどれほど使わなければならないかは、何も示されていなくてこの数字である。
無人のトラクターを導入するには、どれほど費用が掛かるかご存じあろうか?その費用は規模を大きくし反収を増やさなければ返却できない。導入前と農家所得が増えるわけでもない。遺伝子組み換え作物の導入も検討されることになる。すでにNHKなどの解説では遺伝子組み換え作物は安全であると言い続けている。
昨年5月、日本政府は、「みどりの食料システム戦略」(通称:みどり戦略)を発表した。みどり戦略では、有機農地を25%まで高めると示されているが、天文学的数字でしかない。上の表では現在0.2%でしかない。達成不可能のその時は日本はお得意の、有機の基準、ハードルをうんと下げるのであろう。変な国である。
有機とは化学用語で炭素を含むということである。だから有機テレビなどという、堆肥で作られてもいない有機テレビが出現する。
有機とは”Organick”の訳であるが、本来は機能的あるいは互いに繋がっている、という意味である。現在有機農業は、「生態系農業」と言い換えるべきだという人たちの声が大きい。
スマート農業などは、農業外技術であって農民を、土地や生産物や生態系から引き離すものである。生産量で農業を評価するものでしかない。有機では取り組めないだろう。日本はこんな矛盾した政策を平気で行う。そしてできもしない高い目標を掲げる。
外部資本や技術、それに外部(国外)資源に依存した農業は、現在のようなロシア・ウクライナ戦争が起きた時には、耐えられない脆弱な体質の農業といえる。おまけに今頃になって安倍晋三とクロトンが誘導した、円安の被害をもろに受けているのが、日本政府ご推奨の大型農業である。
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石油や天然ガスより食料が無くなる方が恐ろしい

2022-04-01 | 農業と食
ウクライナはなんといっても小麦生産がこの国の人々の生活と経済を支えてきた。ドニエプル川の氾濫原は、悠久の時間をかけて世界有数の腐葉土で肥沃なチェルノーゼム(黒土)の平原を作った。
ウクライナの小麦生産は世界8位で世界輸出量の4%を占めている。世界4位のロシアは10%を占めていて、両国は戦時下と経済制裁の渦中でサプライチェーン(供給網)が滞っていて、世界の小麦の供給と価格に深刻な影響を与えることになる。特に両国の小麦は品質は劣っているが、中東方面に多く輸出されていて懸念される。
ウクライナの小麦は2カ月間輸出は停止されている。ウクライナのミコラ・ソリスキー農業食料相は、ロシアによる侵略の影響により、今年はウクライナの穀物生産量が半減する恐れがあると見通している。更に、今年の生産量は25~50%落ち込む可能性があるが、「この数字は楽観的なものだ」と指摘している。働き手が専横に言っていることと、農場が荒らされていることや農作業そのものが不安の中にある。
昨年は北米の小麦は不作であったが、ロシアのウクライナな侵略で世界の小麦価格は、高騰することになるであろ。高くなるだけならまだましである。国外に出すこと、輸出を禁止する事態も起きかねない。事実1昨年コロナウイルスの蔓延で、世界の食糧輸出国は一斉に輸出禁止を打ち出している。この中にはウクライナも入っている。
世間は石油だ天然ガスだと騒いでいるが、石油が高くなっても天然ガスが輸出禁止になっても、経済は大変だろうが人は死ぬことがない。しかし、食料は別である。明日の食い物がなくなれば生きてゆけない。食料自給は価格の問題ではない。
日本の食料自給率は37%しかない。日本はマヨネーズの値上がりを気にはする一方で、コメについては生産費を下回る価格を平然と農家に押し付けている。自給率の向上など真剣に日本は考えていない。今こそ農業を見直して、食料生産を地道に築かなければならない教訓を頂いているのに。
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農業崩壊が始まっている、農村崩壊が極限に近づいている

2022-02-19 | 農業と食
著者の弁によれば今最も売れてている、ベストセラーとのことである。「農業消滅」農政の失敗がまねく国家存亡の危機:鈴木宣弘著:平凡社新書880円(税別)である。
農業農村の危機を身をもって感じている者にとって、読んでいるうちに気持ち悪くなる、極めて不快な本である。本書が不快なのではなく、現実を的確に言い当てているからである。そして絶望的な僻地の未来を想うと、行く末を考えれば、今からでも遅くはない。
日本の戦後政治が一貫して、経済成長に浮かれ、地方を捨て、食料を捨て、環境を汚染し、ひいては日本文化の礎を破壊してきたことを、今こそ反省するべきであると思われる。
経済学者鈴木氏の本書の仔細で広範に細部にわたる指摘を、国は悉く潰してきている。何のため。商工業優先のためである。
流行語にもなった『今だけ、金だけ、自分だけ』は鈴木氏の言葉である。
本書の内容は、以下のいくつかの表題が言い表している。
2035年には食料自給率は大幅に低下する
コメ農家は存続さえ危うい
日本はグローバル企業の餌食になる(※戦後一貫してなってきている)
亡国の種子法廃止(※日本の胃袋を独占企業に任せる)
危ない食料は日本向け(※規制が緩く世界で廃棄対象食品が集まっている)
安全保障としての国家戦略の欠如(※武力に特化した安全保障しか考えない)
農業過保護論の虚構(※日本ほど農業が保護されていない国はない)
地域循環型の経済が命を守る(※全くその通り、世界は向かっている)
結局今頃になって、ようやく生態系農業が有利なこと、環境にも優しいことを気が付く気はじめている。ようやく「みどりの食料システム戦略」などと言い出したが、農村のことや環境のことなど考えていない。時すでに遅しであるが、相当な力量が政治に求められる。
『今だけ、金だけ、自分だけ』社会に見切るを付けることが求められている。
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政策に従順な大会社や企業には社会主義で、貧困層や小規模企業には新自由主義を押し付ける日本 その2

2022-02-12 | 農業と食

昨日の続きである。日本は大企業のための社会主義国だと考えると、この国の政治を理解し易くなる。原発がいい例である。国家の支援がなければ破たんするシステムは、放射性廃棄物の問題以前に、社会構造としての矛盾をかかえている。
上記の写真は、1月号の財界サッポロの記事である。国は酪農の大規模化を進めようとしている。国際競争力が着くと、農場規模を大きくするが、大きければ競争力が着くというような根拠は何もない。
昨日は400頭規模を例にと書いたが、その規模だと約8億円ほどがかかる。国は我々の税金をこのために約半額、4億円もかける。施設投資に莫大な費用をかけるだけでなく、輸入穀物を大量に家畜に与えることになり、牛は短命になる。税金をかけて生乳の生産費を上げていることになる。おまけに環境を悪化させ、人の食料問題を危うくする。
生乳5000トン廃棄問題が騒がれている。廃棄などせずバターにすればいいのであるが、バターの比率が上がると乳価を下げなければならない。国が推し進めた、薄利を多頭数でカバーする大型酪農は、もろに影響を受ける。そのために農協中央会が打った、5000トン廃棄のデマゴギーキャンペーンは大成功した。高価な飲用乳を消費出来たようである。
牛乳が余れば単価を下げればいいのである。それが新自由主義でないか。大規模農業を推し進める国や農協はそれでたまったものでない。5000トン廃棄キャンペーンは大成功である。大型高泌乳牛群は穀物を制限すれば、乳量は減らすことができる。
それに比べて、国からほとんど援助のない家族酪農は、生産費も低く出荷乳量も少なく、多少の乳価の下落などほとんど影響を受けることがない。
農協も国も奨励する飼養形態を守るために躍起になるが、国連など世界で推奨される家族型農業は、日本政府は自助でやれというのである。
自民党の口先の資本主義、岸田の言う行き過ぎた資本主義とは、大企業や自民党賛同者に限って行き過ぎたのである。貧困下層には新自由主義のままである。
企業献金をいっぱい貰ってるから保護するのだろうし、保護してもらってるから献金するのだろう。この流れは票も集めてくれる。このシステムは資本主義とは関係ないだろう。資本主義体制が、民主体制を歪にさせている。
日本の資本主義体制は富裕層が保護される奇妙な体制である。
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政策に従順な大会社や企業には社会主義で、貧困層や小規模企業には新自由主義を押し付ける日本

2022-02-11 | 農業と食

日本は奇妙な資本主義国である。新自由主義を推し進める、社会主義国家でもあり、自助を強制する新自由主義を掲げる社会主義国家でもある。
社会主義国家のように国家が資金援助し資金提供しているのが、大企業であり国家の方針に従順な企業や経営者や人たちである。巨大な輸出産業であるトヨタには実質消費税が課税されない。輸出補助金などを考えれば、彼ら大企業は手厚い国家の庇護の元に営々と生きている。護送船団方式は、倒産すると社会的な問題になるというのが、言い分であろう。
その一方で貧困層には最底辺には生活補助金が出ているものの、大多数の貧困層には何のおこぼれもなく、雇用すらままならない耐えて生きていく事になる。
日本の貧困層は世界的に極めて特異である。多くの国の貧困には目に見える原因がある。十分な教育を受けられなかったり、暴力団がらみであったり、薬物依存症や賭博に明け暮れたり、怠惰であったりなど直接的な問題がある。
ところが日本人の場合は、勤勉で学歴も高く薬物などにてを出している人も少ない。日本の貧困層は、政治が作り出したものといえる。貧困層には自助が前提なのである。
その見地な例が農業の分野である。幅広い見識はないが、酪農の現場にそれは顕著である。
国は大型化すれば国際競争力がつくという理由で、酪農の巨大化を推進する。その結果400頭搾乳の牛舎などにジャブジャブ金をつぎ込む。環境者意思の生理や循環を無視した巨大なギガファームは、社会主義的支援と手厚い保護のもとに高い牛乳を生産している。
ところが環境に即した営農をしている酪農家には、必然的に小規模家族型営農であるが、補助金が全くないのである。
600頭搾乳と30頭搾乳の、農家手取り、可処分所得がほぼ変らないことがおかしいのである。農家のためでなく、周辺産業を潤し環境に配慮しない、アニマルウエルフェアに外れた飼養形態がおかしいのである。
日本は大企業は社会主義的手当てを施しながら、小規模貧困層には新自由手芸を押し付ける、妙な国家である。
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豊芦原瑞穂の国日本はコメを捨て、輸入穀物で搾る牛乳は大騒ぎ

2021-12-19 | 農業と食

お米の価格が下落している。今年は700万トンを切るようで(前年比10%減)あるし、価格も下がっている。コメの消費動向が下降気味だとではあるが、新型コロナのせいと説明されるが、その理由は良く判らない。
更に、特に高給米は25%も値下がりしている。60キロ当たり1万円が最低ラインと言われる価格も切っている。
稲作は日本の環境、特に水に係わる環境保全に大きく寄与して、2000年も作付けされてきた。この水の保全と配分こそが、地域の村社会を支えてきた。お米は人の必須アミノ酸を最も多く含んでいて、加工しなくても食べられる殆ど唯一の穀物である。単位面積当たりのカロリーは圧倒的に高く、東南アジアの人々の命と文化を育んできた。
稲作は日本文化の礎であり、主食で貨幣流通前の富の基軸であった。これからも日本という国が、あらゆる意味で守っていかなければならないのが、稲作である。
その一方で牛乳が余っているから飲んでくれの、農協中央会のキャンペーンが、何となく支持されている。北海道はまだしも東京都知事も記者会見で、牛乳を飲むパフォーマンスである。牛乳飲みましょう掛け声があちこちから聞こえる。牛乳は生鮮食品で貯蔵がきかないからというのであろう。
需要を上回れば、バターなりチーズにすることで十分貯蔵がきいたし、そのようにしていた。事実5千トン程度のバターの貯蔵、製造は可能な状況であるとは関係者の話である。
農家の受けとる乳価は目的別に異なっていて、その量の案分で決まる。バター向けは安いので、高い飲用乳の比率を多くしたいのが人情である。
酪農の大型化を推進する国の政策は、大量の輸入穀物に依存することを意味する。輸入する外国とは、アメリカである。輸入穀物は2千万トン少々食べている。乳牛にとって泌乳を強制される大量の穀物、遺伝子組み換えの肥培管理の不明な穀物を減らせば、乳牛は健康になり乳量も減ってくれる。
何より輸入穀物を減らせば減乳になる。国の政策で巨大化したから、国策に反することができないのである。
主食のコメ同様に余剰が生じたのなら、乳価も下げればいいのである。国策で巨大化した経営は耐えられないからやらにだろうが。
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牛のゲップへの一方的で不当な言いがかりは止めていただきたい

2021-11-08 | 農業と食
牛のゲップ(曖気(あいき・あいの字は口編)Brup・Belchi・Gas)が地球温暖化の原因であると騒がれている。言いがかりもいいところである。牛がメタン(NH4)を、発酵タンクの一胃からゲップとして排出しているのは古くから変りないことである。
先進国が近代化で便利を謳歌したっぷりCO2を排出して気候変動が起きているから、昔から変わらない生活をしている、ロクに電気も使っていない途上国にもペナルティーを科すようなものである。
メタンの温室効果がCO2の28倍とか70倍になるとか指摘されているが、その事実の確認をする根拠は持たないが、順序が逆であることを指摘したい。
先ず、安定的なCO2に比べてメタンNH4はたった7年で消失することが判っている。実際には3年でほとんど消失すると言われている。つまり、牛の排出するメタンガスは間断なく補給はされているが、増えるようなことはないのである。
日本に限ってみると、現在は肉牛と乳牛で380万頭専業畜産農家で飼養されている。戦前の統計は不明だが、馬が180万頭いたことが判っているから、それよりkなり多い牛は300万頭を超えていたと推定される。全て使役牛馬である。(馬の頭数は軍用に供されたため資料から推計される)農民が国民の6割以上の時代である。
つまり牛のゲップの量はこの100年ほどはあまり変わりないのである。翻って、日本は農民の数を極端に減らし、専業農家を3%程度にした。その一方で、便利と富を求め石炭や石油を大量に用い温暖化ガスを天文学的に排泄して、今日のような異常気象を招いているのである。
どの面下げて、今更牛のゲップが原因だとか、ゲップを押さえろなどと指摘するというのだろう。金が動くからである。
ご多分に漏れず、政府は牛のゲップを押さえる添加物に奨励金を出すというのである。脂肪酸カルシュウムなのであるが、この製品がパームヤシから作られるのである。インドネシアの熱帯雨林を潰して作られることのによる、CO2がどれほど排出されるのか私は計算できない。しかし熱帯雨林を伐採して失う植物が、土中に固定するはずであったCO2は簡単に計算できる。どうしてこんな牛の生理的反応を抑えるなどとする矛盾したことを、一方的にやるのだろう。

もし畜産に温暖化について注文を付けるなら、地球の裏側から運んでくる穀物の家畜給与についてやっていただきたい。下図は運ばれた食物の重量に距離を掛けた、フードマイレージである。日本は群を抜いて高く、これに排出されるCO2は1万7千トンで、国内の食物輸送の倍量になる。注目頂きたいのは、橙色の穀物である。穀物の輸入量は2700万トンほどで日本のフードマイレージの6割を占める。その7割近くが飼料用である。この穀物は遺伝子組み換えで無関税で、工業的畜産の基盤となっている。牛にとって生理に合わない穀物給与に対して、ペナルティーをかけ牛たちに健康を取り戻させていただきたいものである。温暖化対策にもなる。一石三丁である。

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都会の人はなぜあんなに外食するのだろう、食の安全も自給率も無関心な理由をここに見る

2021-11-05 | 農業と食

 このコロナ禍の中で驚いたことがある。街の人は何であんなに外食するのだろう。毎日外食する人も珍しくないことを知った。人によると、自宅では全く食事しないとか、調理すらしない人も少なくないことを、コロナ禍の中で初めて知った。
田舎にはそれほど飲み屋や食事処があるわけではない。あったとしても家庭に戻り、食事することが一家団らんの基本だと思っている。何か月も外食しないことも珍しくはない。
人類が他の動物と異なるのは、共食をすることである。食事を共にすることでお互いを信頼し合うのである。
これは人類が文明を持ち文化を育んで、社会を築いても変わるものではない。人は親しくなるには食事をご一緒にして和み、会話を通じて近づくのである。お見合いをする時も、上司や部下が親しくなる時にも、国家元首が国賓を招いた時も必ず食事を通じてお近づきになる。
ところが都会人は外食がほとんどで、しかも孤食(一人食事)である。
都会の人はなぜあんなに外食するのだろう、食の安全も自給率も無関心な理由を、図らずも新型コロナの蔓延で知ることになった。
これでは都会の人は、いくら我々が叫んでみても、食の安全や食糧の自給という国家や人類にとって、最も大切なことに無関心になるわけである。
彼らは人数が多く、民主主義が多数決なら、国家も食料の質も安全もボロボロになっても仕方がないというものである。
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パンデミックなのに、食料問題を目先の金のことからしか考えられない現代人たち

2021-10-22 | 農業と食

現在日本は総選挙の真っ最中である。国家の行方を決めるべく大きな意味を持つ。所が民主主義を標榜する国家では、国民の声を聞くなどという姿勢は頂いた票数が全てとなって政治は動いている。
噂の類から見た目の感じや口先の巧みな人間が票を集める。中身のない人物でも票さえ獲得すれば、国会議員になれる。人気投票と変わらない。
現代の民主主義とは、こうしたポピュリズムによって集められた議員に対して、近視眼的な政策しか出てこない。その典型が農業政策である。
今日朝のワイドショウーで東大の鈴木宣弘先生が、食料自給の大切さと農家の実情を話されていた。選挙中でもどかしい説明しかできなったと、facebookで知らせが来た。
その各党の農業政策は貧相なものでしかない。コロナ禍で近未来の多くの危機が露わになってきた。その典型が食料問題である。
食料問題は、環境問題や人口問題や地球温暖化それに地域紛争などを包括した形で、巨大化することは明らかである。なのに、既存のどの政党も金を配ることしか考えていない。唯一国民民主党が、農業は有機に戻すことを掲げてはいる。日本のカロリー自給率はすでに37%になっている。しかしながら、家畜の飼料などを考慮した場合には、20%を切っているのが現状であろう。
コロナ禍で食糧輸出国は、自国の食料の輸出にストップをかけた国が数多くある。それが顕在化してじわじわと国内の物価を上げている。
農村は都会に多くの人的資源を送り出し、少子高齢化が始まっている。日本の農政は、食料はなくなれがあるところから、買えばよいという考えが底流にある。農業や地域経済や環境のことなど何も考えていない。それよりなにより農家の自主性を認めない、農民は愚民の前提の政策しかない。
その好例が今朝の番組に示された上の表である。コメが欧米とほぼ同額でも、日本は農水省の決めた枠の中での補助であり、市場にはその金額で消費者に示される。ところが欧米では農家に自由に作付けさせ、農家のコスト補償金に利益分が加算された金額が農家に還元される。
つまり市場には、日本では12,000円で出回るが、上の表では欧米では4,000円で消費者に示される。購買価格が断然に異なる。流通が全く異なるのである。日本のコメは高く、海外のコメは安いので輸入には高額の関税をかけることになる。
それに何よりも、欧米の農家は所得保障されているのである。日本農業は保護などされいない。補助にしても、多くの場合、周辺整備と称する土建屋の飯の種になるばかりである。田舎には、誰もいない巨大な孔民間や道路が、農業予算で作られる。欧米型の補助事業は、生産者と消費者にお金が出されていることになる。日本では生産者に支払われることになるが、現実は周辺産業にお金が落ちるばかりである。
あれ程日本人にとってコメは重要な主食であると言って、守ってきたのに今や一俵(60キロ)15,000円を切ってしまうさまである。農家は高齢化になっているからという論議は前後が逆である。高齢化が進むような農業政策を振興させておきながら、都会へ若者を引き付けておきながら、農業生産には未来がないとかいう論議など論外である。挙句の果てが、下駄をはかせた状態でも自給率37%という、海外依存度63%の食料依存率である。

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国連などが農家支援策の87%は有害と断定、日本だけじゃないのだ

2021-09-17 | 農業と食

農家は個人事業主で、事業家としては零細である。新たなことに取り組んだり新たなことに取り組むには資金が足りないし、未来への大きな動きには政治の力が必要になる。
農家の弱みを政治はしっかり握てって引き寄せ、大金をつぎ込む。しかし、結局政治は巨大資本のために動くことになる。どのも大同小異である。
驚いたことにというか当然のことであるが、国の政策は農家のためになっていないし、環境保全にもつながっていないというのである。以下はJijicomの記事である。
『国連食糧農業機関(FAO)など国連3機関は14日、世界全体で年5400億ドル(約60兆円)に上る農家支援策のうち、87%は価格をゆがめたり環境に悪影響を与えたりして「有害」だとする報告書を公表した。こうした政策を維持すれば、持続可能な食料供給を実現できないとして、抜本的な見直しを各国に求めた。
今月23日に開かれる国連食料システムサミットで議論のたたき台とするのが狙い。日本は支援策が多い国と名指しされており、難しい対応を迫られそうだ。
 有害な支援策と指摘したのは、輸入関税と輸出補助金、特定の農産物生産を後押しする補助金。輸出入に際しての「国境措置」などによって内外価格差を生み出せば、「食料の貿易や生産、消費をゆがめる」ことにつながり、支援を特定品目に絞れば過剰生産や農薬の大量使用を促し、「環境に悪影響を及ぼす」と説明した。
 報告書は、これらが年4700億ドルに達すると推計。支援策が多い国として、日本のほか、韓国、チェコ、アイスランド、ノルウェーを挙げた。』

よくぞ言ってくれた。 日本ではすべてが道路である。農業支援のために道路や橋を作るのである。農業支援のために道路や橋やトンネルを作る。農業そのものの支援でないから、次第に農家戸数が減り、殆ど車が走らない、トンネルや橋が残っているのが、過疎化した僻地の実態である。それでいて土建屋だけは元気いっぱいである。
酪農で言うならば、3千万円する搾乳ロボット導入に支援はあるが、10年も持たない代物である。機械屋さんが大儲けするが、農業支援などなっていない。
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食料自給を放棄した日本はコロナ禍で矛盾が露呈している

2021-08-04 | 農業と食
(長周新聞より)
世界の食肉が高騰している。コロナ禍でアメリカの畜頭数の約7割を寡占する、四大パッカーの食肉工場の閉鎖が相次いでいるのである。日本国内のアメリカ産牛肉が10~20%店頭価格が上昇している。
世界でいち早くコロナ禍を抜け出た中国が、世界中の食料や食肉を買い漁り始めたことが背景にある。とりわけ数年前の豚熱の流行があったことで、食肉の争奪戦をしていることが、世界の市場を刺激している。牛肉に大きくシフトしたことも大きいい。経済力が増した中国は、ほどなく中国は食糧輸入国に転じる。
中国には食料に対する大きな展望を持っている。しかも国家が直接かかわってくるのである。
日本はと言えば、食料は安いところから買う方針を基本的に変えていない。このことは、食料をカロリーではなく価格を指標にしていることを意味する。
その結果畜産物は、大きく海外(ほとんどがアメリカであるが)の穀物に依存する形態をとることになっている。大規模にすることも大量生産することも可能になるが、本来穀物が持っているカロリーを大きく落として、肉や玉子や牛乳を生産することになる。
上の表は、食料自給の推移を現わしたものであるが、畜産物には輸入穀物に依存している分を考慮した数字が記載されている。例えば鶏肉は国内では60%台の後半となっているが、実態はせいぜい1桁台になるのである。
これは食料の本質であるカロリーで見ると、大きな食料廃棄になっていることも見逃すことができない。とりわけ大型畜産は購入した食料(飼料穀物)の20%程度しか生産していない。そして家畜は高生産を強要され苦痛の中に使用されることになる。
コロナ禍で世界の穀物価格も高騰し、それに伴い値上げは畜産物だけでなく、植物油や砂糖、パスタ、即席麺などにも波及している。
日本の食料は現物だけではなく、生産原料としての海外依存の比率が高く、極めて脆弱な体質である。
コロナ禍で更にこの矛盾は更に大きくなり、国民に警告を与えている。多くの人は気がついてはいないが。
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バーチャルウオーターは食料自給の指標になる

2021-02-09 | 農業と食

一昨日のNHKスペシャルは食料問題を取り上げてくれた。特にバーチャルウオーターという、ことに特化した感じの内容であった。
先進国の畜産は大型化する一方である。特に日本は政権が農業の大型化を積極的に推進している。外見的にはまるで崩壊した社会主義国のコルホーズのように巨大である。内容的には生産の目的が農民に理解されず収支を求められ、国家による資金投資による巨大化した農場である。それに特化しているのが、畜産である。それを支えているのが、アメリカ産の穀物である。8割のトウモロコシと2割の大豆である。これ等の穀物は(大豆は穀物ではないが)1970年代から無関税である。最近はほぼすべてが遺伝子組み換え作物である。しかもどのような肥培管理をしているか、つまり農薬も化学肥料も灌漑も何ら情報がないまま、日本の家畜は食べさせられているのである。
この番組ではそれを水に特化して、アメリカで消費する水を日本や輸入しているようなものだと(だからバーチャルであるが)述べているのである。穀物を輸入して家畜に与えているというのより、消費者にはとても分かりやすい。
こうして日本は家畜用穀物をほぼ2000万トン輸入している。因みに人間向けには、1000万トンを輸入しているるが国内生産量もお米などでほぼ1000万トン輸入している。日本では人と家畜はほぼ同量の穀物を消費している。穀物自給率はほぼ25%とということになってる。この数字はここ20年ほどあまり変わっていない。
こうして日本は国内で消費する水とほぼ同量の水を輸入していることとなる。死k氏現実にはアメリカの水を消費した穀物の輸入である。アメリカでは、特に中西部の水は、ミシシッピー川の地下水、オガララ滞水層と言われる水資源を吸い上げ灌漑しているのである。この帯水層も年々減少している。更に農薬や除草剤などによる表層の水汚染や、土壌改良に寄す問題も起きている。
21世紀の農業は、他産業と同様にあるいは環境に依存す分それ以上に、大量投資、大量生産、大量廃棄そして環境汚染という形態を選択してはならない。21世紀の農業は、家族型小規模農業による、有機農業こそが求められるのである。そして基本は食糧の自給である。日本はこの動きに真っ向から対峙しているといえる。バーチャルウオーターはその指標になるものといえる。
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企業の行う養鶏は農業ではないし、アニマルウェルフェアを声高に恐れをなす

2020-12-05 | 農業と食

これは日刊ゲンダイの調査による養鶏政治連盟への献金の一覧である。こんなに大金をばら撒いていたのかとあきれもするが、政治が農政を歪め農業をあらぬ方向ん漏ってゆこうとする意図が見える。
そもそも、大量のアメリカからの無関税で飼料用穀物が輸入されていることがおかしいが、日本の畜産と食糧の自給をあらぬ方向に向けてしまった。穀物を鶏に与えて玉子に変えると、カロリーは10分の1に下がる。食料自給率を大きくげる働きをする。玉子そのもの国産で自給していても、輸入穀物に依存しているからである。
アキタフーズのような企業経営の農地さえ持たない、鶏の餌さえ作らない10万羽規模の養鶏は農業ではない。食料を生産しているように見えても、食料を浪費しているからである。このような飼い方は農業ではない。
そんな企業が卵を生産しているからと、農水省の管轄下にあるのも妙な話である。その鶏たちは単に玉子を生産する道具でしかない。
鶏は生まれたその日に嘴を切り落とされ、卵を産むまでに数度何種かのワクチンを打たれる。数万羽単位の鶏舎はライトがつけられっぱなしで明るくされ夜も昼も季節さえ知らずに、金網のケージで何段かに上に組まれ中空にいたままで、A4サイズの身動きすらできなず羽根も伸ばすことができない。歩くことも大好きな砂遊びも仲間と突き合うこともできない。こうした養鶏場では、毎日数百羽単位は死亡個体がでる。健康でも10か月は生かされることはない。店頭では10個120~150円ほどで販売されている。
こうした飼い方は家畜を生命ある個体と認めようとするアニマルウェルフェア、家畜福祉に反するとされ、EUでは禁止されつつある。企業養鶏は、鶏が健康になっては困るのである。大量の遺伝子組み換え穀物を消費しなければ輸入業者は困るのである。彼らは健全な養鶏をするようなことがあっては困るので、政治家にお願いするのである。
吉川貴盛元農水大臣に現金を渡したアキタフーズ側は『鶏卵業界に便宜を図ってもらう目的で現金を渡した』『違法と認識していた』と認めている。
企業養鶏は、健全な商品を市場に出すことも、鶏を命ある動物とみなすことも、消費者に健全な食品を提供することも全く考えていない。
養鶏業者の興味は、企業が儲かるかどうかだけである。河井夫妻が金ばら撒いたから、たまたま見つかっただけの話で、他にもいっぱいあるだろ。

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食が裕になり劣化した畜産製品を生み環境を悪化させる

2020-11-11 | 農業と食

人間は裕になると動物たんぱくの摂取量が増える。上の表は左が収入の多い国々、右が中等度から貧しい国々の人達の、たんぱく質の摂取の様子を表したものである。1961年から2050年までとなっているが、2030年と2050年は予測である。
下から順に、大豆を含む穀物、果実と野菜、肉と乳と玉子(畜産物9、その他となっている。これは非常に解り易い表である。裕かな人たちは、畜産物が多いだけといえる。収入の少ない国の人達の総量は裕なかな国の人達とあまり変わらないところまで来ているといえる。
人間は裕になると、たんぱく質を上げる。昆虫や両生類などから魚へ、そして鶏肉から豚肉へ、そして牛肉とグレードを上げてゆく。プロテインラダー(蛋白の梯子)と言われるものである。
ところがこの梯子の上に行けば行くほど、高価になってくる。そして高価になっても購入できる階層がこれを求める。高価になる理由は簡単である。高価になり理由は、穀物への依存度を高めるためである。穀物は基本的には、人と競合する。牛肉の場合は、穀物が蓄えたエネルギーを130分の一に落として牛肉に変える。
最もましな玉子でさえ8分の一に落とす。農業が人の食料としてではなく、より高価な畜産物に変換する、「畜産加工業」として農産物が使用されるのである。
先進的と言われる近代化された畜産は、遺伝子組み換え化学肥料や農薬をたんまり収穫量のために使われている。それを、家畜たちは飽食させられているのである。
輸入量も大量である。日本はほぼ2000万トン輸入している。人と同じ消費量である。家畜用輸入穀物が食料自給率を下げていることもあまり知られていない。
無関税で安価で安易な穀物多給に依存する畜産形態は、家畜のに生理に反するばかりではなく、大量の糞害をおこし環境破壊につながり、そもそも良質の畜産製品は生まれません。
先進国の畜産品のほとんどが、多くの問題を抱えた不健全な畜産製品を生産している。裕になることでそれは更に加速し、肥満が増えることになる。
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WFPがノーベル平和賞受賞嬉しい限りであるが、それにしても全く食糧問題に無関心の日本

2020-10-09 | 農業と食

ことしのノーベル平和賞に、世界各地で食糧支援を行っている国連機関、WFP=(世界食糧計画)が選ばれた。私もサポーターの末席を穢すものとしてとても嬉しい。現在のWFPの活動は主に、「飢餓をゼロに」をスローガンに飢餓対策といって良い。。
国連WPFは、<戦略計画は2030アジェンダで設定された「持続可能な開発目標(SDGs) 」の、特にSDG2「飢餓をゼロに」と、SDG17「パートナーシップで目標を達成しよう」を指針にしています。戦略計画は新しいプランニングと事業運営体制の先駆けとして、成果に基づく国別のポートフォリオを含んでいます。これはSDGsの達成に向けて、各国政府の取り組みに対する国連WFPの貢献を最大限に生かすことを目的とするものです。>(国連ホームページより)としています。
ノーベル賞選考委員会は、世界の飢餓に対し真剣に取り組んでいるとし、「飢餓との闘いに努め、紛争の影響下にある地域で和平のための状況改善に向けて貢献し、さらに、戦争や紛争の武器として飢餓が利用されることを防ぐための推進力の役割を果たした」と評価し選考理由に挙げている。
WFPは「ワクチンが出来るまでは、食糧こそ最も有効なワクチンである。」と述べ、「深く感謝し、誇りに思う。」と飾らない言葉で喜びを現している。

予測できない近未来は多くあるが、食料問題人口問題は十分予測でき、しかも十分対処できる問題である。特に食糧問題は、世界を席巻する穀物メジャーが価格をコントロールし、日本のように簡単に食料生産を放棄する国家が、いいターゲットになっている。飢餓は国際政治の対象から外されている。商取引の対象にならないからである。
日本と幾つかの国家は、農業の巨大化を図っている。日本もその一つであるが、国が国際競争力を高めるため(実は下がるのであるが)、農業の近代化という名の企業化無機質化が進められている。農業は規模を拡大すれば、労働生産性はあがるが、土地生産性や安全性は犠牲になる。
こうしたことを踏まえた、国連家族農業10年が行われている。農業を家族型、小規模にすることによって、地域紛争の最大の犠牲者の農民と紛争地の飢餓を失くす。日本は、核兵器禁止条約同様に、家族農業の10年にも批准していない。
世界の貧困を加速させる、遺伝子組み換え穀物、化学肥料大量投与の穀物、関税がゼロの穀物を多給する日本の畜産、採卵鶏、養豚、肉牛や酪農の形態を、日本は推進させているのである。飢餓人口を増やし世界の食料価格を吊り上げる働きをしているのが、このような企業型畜産、多投資畜産、鉱業型畜産である。日本の農業政策は世界の動きの逆を歩いている。報道マスコミは都会発信であるから、何処かをポンと叩けば食べものが出てくる世界にいるので、現実感の薄い報道しかない。今回のWFPのノーベル平和賞受賞の報道も極めて弱い。
それにしても食料問題に無関心の食料自給率37%の異常国家日本である。
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羅臼港

春誓い羅臼港