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夏場所の見どころ

2011-05-07 10:00:00 | まらずもう新聞編集部のまらずもう分析

 

 恒例のまらずもう夏場所も5月8日(日)初日を迎える。大相撲は「技量審査場所」などという苦し紛れの開催形式となったが、まらずもうは通常開催。「技量審査場所」にならなかったのを最も惜しんでいるのは、やはり大関・毛呂乃だろう。なにしろ「技量を審査する」のであれば右に出る者はいない。技の多様性、持続時間、飛距離、意外性。どれをとっても技量面で毛呂乃に勝る存在はないのだから。挙句、審査される=見られることも毛呂乃は大好き。大相撲が技量審査場所と聞いて不安がる力士もいる中、要求されもしないのに下半身を露出させていた。毛呂乃以外の力士は、技量審査場所にならなかったことで胸をなでおろしていることだろうが、そうしている間にも毛呂乃は自身のまらをなで上げているのである。  

 

 そんな幕内の土俵は、かつてないほどのハイレベルな争いが予想される。横綱・雲虎は先場所も毛呂乃の妨害工作に遭い優勝を逃している。横綱3場所目、そろそろ横綱として優勝を決めたいところだが相変わらず毛呂乃のマークは厳しい。今場所もどのような手段を使ってくるとも知れない毛呂乃。ダッチとの連携プレイも今やすっかりおなじみ、もはや何体のダッチがあるのか、数え切れないほどになっている。毛呂乃ダッチ軍団にひとりで立ち向かわねばならない雲虎にとっては、今場所も厳しい戦いになるだろうが、ひとりで戦ってこそのまらずもう。王道の相撲を見せてほしい。王道・雲虎対邪道・毛呂乃のという従来の構図はそのままに、さらに第三の男・摩羅の川が割って入る。今場所から番付上の出身地を現住所の岩手に変更、岩手の復興を願い、まらを立ち上がらせる新小結は先場所の幕内全勝優勝者。先場所の勢いを持続させられるか。それだけではない。先場所十両で全勝優勝を果たした汚痔の山もついに幕内参入。50歳の新鋭は横綱・雲虎に見出され入門、摩羅の川とは序ノ口同期生と因縁浅からぬ仲。幕下時代に打ち立てた23連勝の記録はいまだ更新されていない。現在継続中の連勝は、先場所幕内優勝摩羅の川17連勝、これを記録保持者の汚痔の山自身が15連勝で追っている。誰も破れなかった汚痔の山の記録、「自分で抜く」のがまらずもうの美学。場所後には連勝記録は塗り替えられている公算が高い。雲虎・毛呂乃・摩羅の川・汚痔の山と、全勝経験者4名がひしめき合う今場所。1敗が命取りになりかねない、最高位にふさわしい息詰まる優勝争いが展開されるに違いない。  

 そんな幕内で一人蚊帳の外なのがダメ大関・玉椿。優勝争いに絡むことなど期待できず、先場所は9勝止まり。今場所こそ奮起してほしいところ。「復興」の2文字は玉椿にこそふさわしい。日ごろから立ちまくっている幕内力士たちと異なり、立たなくなった者が再び立つようになってこその「復興」ではないか。玉椿の復興を信じたい。  

 

 十両では蒼狼、月乃猫がともに自己最高位。番付枚数上、好成績を収めない限りまだ入幕は遠いのが通例だが、八百長問題で大相撲界は引退力士続出。空いた穴を埋めるため、いつもより入幕しやすい。この直前の一文、まらずもう力士として虚心坦懐に読めば、興奮せずにはいられまい。相撲ぶり・稽古ぶりには評価の高い月乃猫、幕下付出デビューからまだ3場所目の大器・蒼狼。ともに幕を目指してほしい力士だ。  

 その十両から今場所幕下落ちしたのがベテラン明烏。ここのところ不本意な土俵が続いていたが、まだまだ幕下では格が違うところを見せたい。いままで15戦の土俵では苦戦が続いていたものの、先場所は6勝。過去最低成績でも4勝は収めている。幕下以下は自己選択した7番のみの相撲となるため、取り組み日を選んで確実に勝ちにいけば、1場所での復帰は可能なはずだ。大勝ちすれば十両中位まで一気に番付を戻すことも可能、考えようによっては十両ぎりぎり最下位に残って15戦するよりも番付を上げやすい状況と言える。幕下落ちに気落ちすることなく、前向きに戦ってほしいところ。また幕下2枚目には先場所優勝の飛埒王が躍進。幕下での足踏みが1年を越える苦労人だが、年明けに今年の目標として掲げていた「十両昇進」がいよいよ実現しそうな大切な場所。十両昇進を決めるのはもちろん、できることなら連覇で花を添えたい。だが先場所優勝したとはいえ、優勝争いは飛埒王圧倒的有利とはまだ言い難い。優勝候補としては他にも2名、池男王子と家満の存在を忘れるわけにはいかない。大食いでもライバル関係にある2人がついに同じ幕下でガチンコ勝負。池男王子は先場所途中休場の原因となった腰痛が不安要因。先場所開催が1週間延期されたため、場所から場所の間隔が短く、回復期間があまりとれなかったのが気がかり。王子の腰はどのくらい復調しているのか。自身「ほぼ完治」とは言うものの、同時に「駅弁などのアクロバティックなものへの挑戦には怖さが」と不安ものぞかせる。一方デビュー3場所でわずか1敗、快進撃をつづける家満は幕下でも通用するのか。  

 三段目は力士不在、序二段の注目は今濡。先場所は4連勝を記録するも、その4日しか報告できず、残りは休場扱い。後日本人に確認したところ、報告できなかった日も勝っていたとのことだが、「報告デキナカタコトマデ含メテ負ケ」と潔い。今場所も報告がしにくい状況も予想されるが、報告さえできれば初優勝も夢ではない。  

 序ノ口は今場所も大混戦。先場所デビュー組は今場所も全員序ノ口に留め置かれ、今度こそ序二段に昇進したいところ。大相撲の情勢の影響で、今場所は仮に負け越しても3勝なら序二段昇進の可能性が開ける。震災後、すもうをとりながら気仙沼でカレーの炊き出しを行っていた萬海、夫婦参加で注目を浴びた河豚狸は先場所も3勝を挙げており、序二段昇進が期待できる。まらずもうの水に慣れた金精山も「5勝」と堅実な目標を掲げており侮れない。さらには痔と花粉症に敗れ旅に出ていたもっこり山の復帰はあるのか。最初の1場所では海のモノとも山のモノともわからない力士たち。今場所大化けする力士が出てこないとも限らない。  

 

 まらずもうは通常開催、中継も通常通りお楽しみいただけます。5月8日(日)初日のまらずもう夏場所にどうぞご期待ください。

 

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