秋田県の郷土料理として有名なきりたんぽ鍋ですが、まらずもう界でも縁起物として珍重されているメニューです。
きりたんぽは、雪に囲まれた退屈な冬、近所の奥さんたちが囲炉裏端に集まって、ごはんをまらの形に成型しながら、「うちの旦那のまらはこんなかんじ」「きゃははは、お宅の旦那のはそんなにでかいの?」「ほら、うちの亭主なんてこんなに小さい」「あははは、それ小さすぎ」などと談笑しながらつくられています。つまり、秋田県の女性にとって、きりたんぽづくりとは「配偶者のまらサイズを比較する遊び=女性が参加できるまらずもう」なのです。
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<きりたんぽ鍋のつくりかた>
(1) ごはんをつぶす
・ごはん(2~3合) まらサイズによって適宜調整してください
・片栗粉 すこし(小さじ1程度)
・塩 すこし(小さじ1程度)
を、すり鉢(なければボール)にいれて、つぶします。お餅のちょっと手前くらいになるまでしっかりとつぶしておいたほうが、あとで鍋にいれたときに崩れにくいです。がんばりましょう。
(2) ごはんをまらの形に成型する
つぶしたごはんを割りばしに巻きつけます。(きりたんぽ専用の串があれば理想的ですが、串がなければ割りばしでも問題ありません。ふつうの竹串だとかなり細いので、割りばしのほうがよいです。)強く握るようにしながら、まらの形に成型してください。男性ならばご自分の、女性ならば配偶者や恋人の勃起したまらをイメージしながら、形作っていきます。秋田の女性たちがいちばん熱中する部分であり、作業工程中でもっともセンスが問われる部分でもあります。
(3) ごはんを焼く
まらの形に成型したものを塩水につけてから、オーブン(または魚焼きグリル)で焼きます。ごはんはかなりくっつきやすいので、クッキングシートを敷いたほうがよいかもしれません。オーブンがめんどうなら、レンジで表面をあぶってもいいです。焼き加減については、もともと炊いたごはんですし、これからまた煮るわけですから、表面に焼き色がつく程度でOKです。やけどしない程度にさめたら、割りばしを抜いておきましょう。
ちなみに、この状態のごはんを「たんぽ」といいます。一説によると、「たんぽ」の語源は「ちんぽ」の「ち」の部分の母音が変化したものだと言われています。「たんぽ」を切って使うから「きりたんぽ」なわけですね。
(4) 鍋にする。
あとはふつうに鍋ものにすればきりたんぽ鍋の完成です。材料としては、
・たんぽ(=3で焼いたごはんを半分くらいに切っておきます)
・鶏肉(個人的には鍋料理にはもも肉のほうがおいしいと思いますが、胸肉でもいけます)
・ごほう(ささがきにしてください)
・糸こんにゃく
・きのこ(しめじや舞茸などが向いているでしょう)
・せり
・ねぎ
などを準備しておけばよいでしょう。きりたんぽは煮込みすぎると溶けてしまい、スープにドロドロとした白濁したものが出てきてしまうので、最後に入れてさっと火を通すのがコツです。
あ、それから味付けですね。味付けは秋田らしく「味どうらくの里」があればいいのですが、他の地域ではなかなか手にはいりませんね。その場合は簡単にめんつゆをつかったり、醤油と酒とみりんとだし汁で本格的な鍋スープをつくったりすればよいです。まあ、醤油ベースであればなんでもいいです。鶏肉とごほうから味はでてくるので、さほど神経質にならなくとも、失敗はしにくいです。
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秋田県出身のファッションモデル・佐々木希さんも「月二回は食べている」と公言するほどの、きりたんぽファンとして知られています。まらずもうファンのみなさまも気軽にできるまらずもうとして、ご近所の方々といっしょにきりたんぽ鍋をつくってみるのはいかがでしょうか?