外食やごちそうが多くなった現代の食事、塩分過多に気を配っていますでしょうか。
日本では1日に1人約10㌘の塩を摂取するが、世界には1日1㌘以下の部族もいるという。
日本人ももっと減塩できないでしょうか‥‥。
日本人の塩分摂取量は昔と比べると減っているという。 国民健康・栄養調査などによると
全国平均では1980年には1日13.0㌘だったのが、2019年には10.1㌘に減少。
地域別にみると、東北地方は15.8㌘から10.6㌘になった。 日本高血圧学会で減塩担当の
委員長を務める医師の“三浦先生”は「東北地方は1950年代には1日30㌘近く取って
いたという調査もある。 食生活は相当変わった」と話している。
ただ、これで十分というわけではない。 世界保健機関(WHO)は塩分摂取量の目標値を
1日5㌘未満と設定している。 欧米と比べると、日本はしょうゆを使うことなどから
塩分摂取量が多い。 三浦先生は「塩分摂取量が多いと高血圧になりやすく、高血圧に
なると脳卒中や心臓病の確率が上がる」と指摘。 さらに減らした方がよいと勧める。
塩の摂取はどこまで減らせるのだろうか。 アマゾンの先住民族のヤノマミ族は、狩猟採
集の生活で、塩分をほとんど取らないことで知られている。 彼らの尿を分析した研究
では、1日の塩分摂取量は1㌘以下と推定された。 血圧は上(収縮期気圧)が100mm
Hg(㍉㍍水銀柱)程度で、年齢が上がってもさほど上昇しない。 三浦先生によると野生
の肉食動物の塩分摂取量は1日2㌘ほど、草食動物は同0.5㌘ほど。 石器時代の人類も
1日に1~3㌘程度だったと推測されている。
現代でそんな食生活は
可能か?「できる」と
話すのは、"滋賀医科
大学名誉教授で医師の
上島先生"だ。 先生は
高血圧を研究していた
が、自身も最高血圧
150~160mmH
gほどの高血圧だった。
内科医の妻に「血圧を
下げる薬はこれ以上出
せない」と言われ、無塩生活を始めた。
釣りが趣味だが刺し身はしょうゆなし、好物のカレーも無塩。 外食でも減塩食を選び
ながら、今は1日3㌘程度での生活だという。
少な過ぎても健康に問題ではと気になるが「1日1.5㌘摂取すれば体は十分機能すること
がわかっている。 それに普通に生活していれば3㌘未満になることはまずない」と
上島先生。 79歳の今は薬も減り、最高血圧は130mmHg前後になったという。
一足飛びに無塩生活とはいかないが、もう少し減塩する余地はありそうだ。 WHOは
家庭料理に塩を使わないことを推奨しているという。 さっそく、夕食の調理に使う
塩やしょうゆを減らそうか‥‥。
「自分の手だけで塩分を減らせるわけではないですよ」。 大日本印刷グループで食事
調査を手掛けるライフスケープマーケィング(東京・千代田)を訪ねると、ぼんやりした
減塩のイメージを”浅見さん”に正された。 同社は1998年から2300万件の
食卓データを蓄積した「食MAP」をまとめている。 それによると、家庭内で取る
塩分は、3割弱が手料理時の基礎調味料の由来。 7割強がパンや総菜、冷凍食品な
どの加工食品だ。 「加工食品に含まれる『見えない塩分』を見直さないと意味がな
い」と浅見さんは指摘している。
減塩市場は広がっているそうだ。 日本高血圧学会のまとめでは、減塩食品が増えたこ
とで、2021年度は前年度に比べて1036㌧もの減塩効果があった。 年間の減
塩量は、まとめを始めた12年度からの10年間で3倍近くに増えた。 10年間の
累計は7746㌧で、日本人全体の食塩摂取量の約8日分。 内訳をみると、近年は
「減塩しょうゆ」などの調味料に加え、減塩の加工食品の割合も高まっている。
加工食品では、消費者の知らぬ間に「こっそり減塩」を進める動きもある。
16年度調査で塩分摂取量の多さが男性は全国1位、女性2位だった福島県は、地場ス
ーパーと組み、総菜の食塩量をひそかに減らす試みを20年度から始めた。 「濃い
味が好まれるので、減塩を掲げると敬遠されると考えた」(県の担当者)。 肉じゃがは
塩分半減、親子丼も4割減といった具合だが、売れ行きは鈍らなかった。 アンケー
トでも「ちょうどいい」が9割。 「スーパーも自信がついた」(同)。
世界では英国の取り組みが有名だ。 加工食品の塩分を40%減らす目標を国が設定。
製パン業者などが協力し、国民が意識しないよう少しずつ減らしている。 その結
果、虚血性心疾患と脳卒中の患者が減り、年間2600億円もの医療費を削減でき
たそうです。
減塩については他人事ではなく、いずれは己の身に振りかかってくることです。
そう思い家庭や自分自身で取り組むことが一番だと思います。 頑張りましょう!
日本では1日に1人約10㌘の塩を摂取するが、世界には1日1㌘以下の部族もいるという。
日本人ももっと減塩できないでしょうか‥‥。
日本人の塩分摂取量は昔と比べると減っているという。 国民健康・栄養調査などによると
全国平均では1980年には1日13.0㌘だったのが、2019年には10.1㌘に減少。
地域別にみると、東北地方は15.8㌘から10.6㌘になった。 日本高血圧学会で減塩担当の
委員長を務める医師の“三浦先生”は「東北地方は1950年代には1日30㌘近く取って
いたという調査もある。 食生活は相当変わった」と話している。
ただ、これで十分というわけではない。 世界保健機関(WHO)は塩分摂取量の目標値を
1日5㌘未満と設定している。 欧米と比べると、日本はしょうゆを使うことなどから
塩分摂取量が多い。 三浦先生は「塩分摂取量が多いと高血圧になりやすく、高血圧に
なると脳卒中や心臓病の確率が上がる」と指摘。 さらに減らした方がよいと勧める。
塩の摂取はどこまで減らせるのだろうか。 アマゾンの先住民族のヤノマミ族は、狩猟採
集の生活で、塩分をほとんど取らないことで知られている。 彼らの尿を分析した研究
では、1日の塩分摂取量は1㌘以下と推定された。 血圧は上(収縮期気圧)が100mm
Hg(㍉㍍水銀柱)程度で、年齢が上がってもさほど上昇しない。 三浦先生によると野生
の肉食動物の塩分摂取量は1日2㌘ほど、草食動物は同0.5㌘ほど。 石器時代の人類も
1日に1~3㌘程度だったと推測されている。
現代でそんな食生活は
可能か?「できる」と
話すのは、"滋賀医科
大学名誉教授で医師の
上島先生"だ。 先生は
高血圧を研究していた
が、自身も最高血圧
150~160mmH
gほどの高血圧だった。
内科医の妻に「血圧を
下げる薬はこれ以上出
せない」と言われ、無塩生活を始めた。
釣りが趣味だが刺し身はしょうゆなし、好物のカレーも無塩。 外食でも減塩食を選び
ながら、今は1日3㌘程度での生活だという。
少な過ぎても健康に問題ではと気になるが「1日1.5㌘摂取すれば体は十分機能すること
がわかっている。 それに普通に生活していれば3㌘未満になることはまずない」と
上島先生。 79歳の今は薬も減り、最高血圧は130mmHg前後になったという。
一足飛びに無塩生活とはいかないが、もう少し減塩する余地はありそうだ。 WHOは
家庭料理に塩を使わないことを推奨しているという。 さっそく、夕食の調理に使う
塩やしょうゆを減らそうか‥‥。
「自分の手だけで塩分を減らせるわけではないですよ」。 大日本印刷グループで食事
調査を手掛けるライフスケープマーケィング(東京・千代田)を訪ねると、ぼんやりした
減塩のイメージを”浅見さん”に正された。 同社は1998年から2300万件の
食卓データを蓄積した「食MAP」をまとめている。 それによると、家庭内で取る
塩分は、3割弱が手料理時の基礎調味料の由来。 7割強がパンや総菜、冷凍食品な
どの加工食品だ。 「加工食品に含まれる『見えない塩分』を見直さないと意味がな
い」と浅見さんは指摘している。
減塩市場は広がっているそうだ。 日本高血圧学会のまとめでは、減塩食品が増えたこ
とで、2021年度は前年度に比べて1036㌧もの減塩効果があった。 年間の減
塩量は、まとめを始めた12年度からの10年間で3倍近くに増えた。 10年間の
累計は7746㌧で、日本人全体の食塩摂取量の約8日分。 内訳をみると、近年は
「減塩しょうゆ」などの調味料に加え、減塩の加工食品の割合も高まっている。
加工食品では、消費者の知らぬ間に「こっそり減塩」を進める動きもある。
16年度調査で塩分摂取量の多さが男性は全国1位、女性2位だった福島県は、地場ス
ーパーと組み、総菜の食塩量をひそかに減らす試みを20年度から始めた。 「濃い
味が好まれるので、減塩を掲げると敬遠されると考えた」(県の担当者)。 肉じゃがは
塩分半減、親子丼も4割減といった具合だが、売れ行きは鈍らなかった。 アンケー
トでも「ちょうどいい」が9割。 「スーパーも自信がついた」(同)。
世界では英国の取り組みが有名だ。 加工食品の塩分を40%減らす目標を国が設定。
製パン業者などが協力し、国民が意識しないよう少しずつ減らしている。 その結
果、虚血性心疾患と脳卒中の患者が減り、年間2600億円もの医療費を削減でき
たそうです。
減塩については他人事ではなく、いずれは己の身に振りかかってくることです。
そう思い家庭や自分自身で取り組むことが一番だと思います。 頑張りましょう!