ひきこもりの人たちのためにインターネット上の仮想空間「メタバース」などを活用した
交流の場が生まれている。 自治体や民間企業が開設し、相談支援や在宅ワークの紹介
のほか、共通の趣味を通じたユニークな❝部活動❞も。 自宅にいながら社会とつながる
一歩になっているという。
パソコンの画面を開くと、緑の木々に囲まれたテーブルに、パンやクマの似顔絵マーク
がゆっくりと集まってくる‥‥。
京都府が2022年6月から週に2日開いている「オンライン居場所」。 マークは参
加者が操作するアバター(分身)だ。 互いにニックネームチャットでやりとりする
チャットでやりとりする。
運営は不登校経験者向けの塾を展開する「キズキ」に委託。 同社のスタッフを交え、
ユーチューバーでゲームの実況動画を見ながら感想を言い合ったり、好きな食べ物や
住んでいる地域の天気などの雑談をしたりする。 何げない会話の中から、人には言
えない悩みが分かることもある。
民生・児童委員らによる17年の調査では、京都府内で約1100人のひきこもり状態
にある人を把握できたが、44%は支援につながっていなかった。 そこに新型コロ
ナウイルス禍が追い打ちを掛け、対面以外の方法を模索することになった。
現在の居場所の参加者は10~40代の6人。 府家庭支援課の"木村さん"は「行政の
窓口に行くのはハードルが高いという人でも、気軽に利用してもらえれば」と話す。
神奈川県も23年度に、仮想空間を使った交流イベントを企画している。
東京都の"山田さん"は20年、経営する職業適性検査の開発・提供会社で「COMOLY(コ
モリー)」というサービスを立ち上げた。 データ入力や文字起こし、アプリ開発と
いった仕事を受注し、スキルや経験に応じてひきこもりの人に紹介。 多い人は月に
6万円ほどの収入があるという。
始めたきっかけは、小学校時代からの友人が就職活動でつまずき、大学卒業後にひきこ
もりを経験したこと。 「どこでも働けるように」とプログラミングの習得を勧め、
今はサービスを一緒に運営する。 登録者は全国の約750人。 在宅ワーク紹介の
ほかに、メタバース当事者会、オンラインの部活動など内容は実に多彩になっている。
「料理部」は女性が多く、自慢の一品の写真やレシピを投稿。 「囲碁部」では、か
つてのプロを目指したひきこもりの経験者がさまざまな定石(打ち手)を指南する。
仮想空間から実世界へ飛び出し、年に1回のワークキャンプに参加する人も。 徳島県
神山町では担い手不足のため放置されていた特産のユズを収穫し、ジャムを作った。
山田さんはこうした取り組みを「支援」ではなく「共創」と表現する。
「ひきこもりの人たちを追いつめているのは『自立イコール就職』という固定観念だ。
地方では空き家を活用すれば、遠隔ワークで月に数万円を稼ぎながら暮らせる。
そんな新しい生き方を、当事者と共に創りたい」と力強く語っています。
こういった地道な活動へ、国や自治体が積極的に支援してほしいと思っています。
交流の場が生まれている。 自治体や民間企業が開設し、相談支援や在宅ワークの紹介
のほか、共通の趣味を通じたユニークな❝部活動❞も。 自宅にいながら社会とつながる
一歩になっているという。
パソコンの画面を開くと、緑の木々に囲まれたテーブルに、パンやクマの似顔絵マーク
がゆっくりと集まってくる‥‥。
京都府が2022年6月から週に2日開いている「オンライン居場所」。 マークは参
加者が操作するアバター(分身)だ。 互いにニックネームチャットでやりとりする
チャットでやりとりする。
運営は不登校経験者向けの塾を展開する「キズキ」に委託。 同社のスタッフを交え、
ユーチューバーでゲームの実況動画を見ながら感想を言い合ったり、好きな食べ物や
住んでいる地域の天気などの雑談をしたりする。 何げない会話の中から、人には言
えない悩みが分かることもある。
民生・児童委員らによる17年の調査では、京都府内で約1100人のひきこもり状態
にある人を把握できたが、44%は支援につながっていなかった。 そこに新型コロ
ナウイルス禍が追い打ちを掛け、対面以外の方法を模索することになった。
現在の居場所の参加者は10~40代の6人。 府家庭支援課の"木村さん"は「行政の
窓口に行くのはハードルが高いという人でも、気軽に利用してもらえれば」と話す。
神奈川県も23年度に、仮想空間を使った交流イベントを企画している。
東京都の"山田さん"は20年、経営する職業適性検査の開発・提供会社で「COMOLY(コ
モリー)」というサービスを立ち上げた。 データ入力や文字起こし、アプリ開発と
いった仕事を受注し、スキルや経験に応じてひきこもりの人に紹介。 多い人は月に
6万円ほどの収入があるという。
始めたきっかけは、小学校時代からの友人が就職活動でつまずき、大学卒業後にひきこ
もりを経験したこと。 「どこでも働けるように」とプログラミングの習得を勧め、
今はサービスを一緒に運営する。 登録者は全国の約750人。 在宅ワーク紹介の
ほかに、メタバース当事者会、オンラインの部活動など内容は実に多彩になっている。
「料理部」は女性が多く、自慢の一品の写真やレシピを投稿。 「囲碁部」では、か
つてのプロを目指したひきこもりの経験者がさまざまな定石(打ち手)を指南する。
仮想空間から実世界へ飛び出し、年に1回のワークキャンプに参加する人も。 徳島県
神山町では担い手不足のため放置されていた特産のユズを収穫し、ジャムを作った。
山田さんはこうした取り組みを「支援」ではなく「共創」と表現する。
「ひきこもりの人たちを追いつめているのは『自立イコール就職』という固定観念だ。
地方では空き家を活用すれば、遠隔ワークで月に数万円を稼ぎながら暮らせる。
そんな新しい生き方を、当事者と共に創りたい」と力強く語っています。
こういった地道な活動へ、国や自治体が積極的に支援してほしいと思っています。