今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

知的生命体の星を探せ!

2019-08-09 16:51:53 | 幸福の追求

NHK特集「スペーススペクタル ついに発見!? 生命体の星太陽系外からの宇宙船」

が6月23日放映された。また、BS日テレで8月7日「深層NEWS 本当?宇宙人は存在

するのか」が放映された。この両番組は対照的な取り組み姿勢に興味があった。

いずれにしてもこれまでの科学者諸氏の研鑽努力に敬意を表します。しかし、今回放映された

内容と、仏教の宇宙論に多少の相違点があるものと思われます。その違いを交えて評論させてい

ただきたい。

 

 まずNHK特集の内容を列記しよう。

①   知的宇宙人は地球人と同じ環境だと信じてきたが、「そうではない」という可能性が強くなった。

②   宇宙に存在する赤色矮星を回る惑星に生物が存在している可能性がある。

③   その惑星に知的生物が存在している可能性がある。

④   その赤色矮星と惑星は、太陽系外の天の川銀河に存在する。

⑤   赤色矮星は太陽より小さく、熱量も小さい。

⑥   しかし、矮星と惑星の距離が近い。惑星は矮星に常時片面だけ向いている。

⑦   その惑星は、一年中惑星に面している部分は灼熱で、裏の片面は永遠の闇と-10度の氷の世界である。

⑧   表面と裏面の温度差は400度という。

⑨   その両面の境に2割ほどのベルト状の地に生物が生存していると考えられている。これをトワイライト

ゾーンと云っている。

⑩   その惑星の裏面には水(氷)がある。

⑪   知的生物がいる星は明日にも見つかる可能性がある。

 

一方、BS日テレは慎重な考え方で、現実論としては評価されてしかるべきであろう。

①   知的生物がいる星が見つかっても、遠いので行くだけで何十年もかかるだろう。

②   宇宙移住は難しい。第一、食べ物をどうするのか問題である。

③   上記が実現できるようになるのは、何万年、何億年後になるだろう。

 

これらに対し、ブッダは次のように説いている。

①   水の中に生命の種がある。

②   我々の属している天の川銀河には、1000の人類に似た知的生命体がいる星がある。全宇宙には1兆の人類がいる(長阿含経)。

一方、仁王経では100億個、法華経(5百弟子受記品)では90億9000万個で「我が今教化する所には百億のブッダが出た」

と説かれている。各星に一人づつブッダが出た、と解釈すべきである。また100億個と同じと云えよう。

③   ②の意味することは、「宇宙は自然の法則によって動いている」、したがって「宇宙の知的生命体は地球人と同じである」、「宇宙の

知的生命体の存在環境はどの星でも同じである」、「自然の法則は全宇宙に遍在している」、その存在環境は地球と太陽系惑星を分析

すればほぼ事足りるはずである。

④   ブッダは「すべての人々を苦から解放するための教えを説いている」、その教えは全宇宙に通ずる普遍性を説いていることを意味し

ている。ブッダは普遍性と永遠性の真理を説いていると解釈すべきである。

⑤   その一方で、宇宙論をブッダは次のように説いている。我々の属している天の川銀河には、1000の人類に似た知的生命体がいる

星がある。全宇宙には1兆の人類がいる。

⑥   人が生まれ変わるという輪廻観では、何処に生まれ変わるか分からないと説かれている。

 

以上を対比して、次のような結論が導き出されると確信している。

①   宇宙は大自然の法則によって動いている。それは全宇宙における遍在性と、永久性を持っている真理と云われる。

②   知的生物はほぼ同じ自然環境の中にいるはずである。

③   知的生物は太陽と地球と月の関係がなければ、存在できない。地球がモデルと考えれば間違いないであろう。

④   天の川銀河には1000億個の恒星があるといわれている。ブッダは1000個の地球のような星があって、知的生物(人類)

が住んでいる星があるといっている。恒星1億個に一つの地球のような星がある計算になる。

⑤   知的生物がいる地球でブッダが得た悟りは、上記のすべての星で得られる悟りの内容と同じはずである。だから、「ブッダは各

星に一人ずつ出た」というのである。

⑥   赤色矮星を回る惑星には知的生物は存在しない。しかし原始的な生物が存在している可能性はあるかも知れない。

⑦   その他の星にはいろんな段階の生命体のいる星は多いのかもしれない。しかし、知的生命体は太陽系惑星の地球と同じ条件以外

の星には存在しない。

⑧   太陽と地球と月のある関係の宇宙は、オモチャのコマが回っているように見えるという。その星を探すべきである。

⑨   赤色矮星を回る惑星を探しても、知的生物は絶対に見つからないであろう。あり得ない話しだからである。

⑩   仏教の根本命題は、すべての人を苦から救うことである。最も肝心な事は、各人が悪いことをしないことである。それを守る人

たちだけが未来の幸福を得られるはずである。

⑪   地球のように戦争を繰り返している星、戦争のない平和な星、貧富の差のない星、邪悪な人たちのいない星、核戦争を繰り返し

て知的生命が絶滅した星、温暖化で知的生命がほぼ絶滅した星などもあるのではなかろうか。私は、平和な星にりんね輪廻することを

願っている。