今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

賢者にもどったIPCC!

2018-10-12 09:18:34 | 幸福の追求

 IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)は8日、「2030年には産業革命前からの

地球の平均気温上昇は1.5度に達する」と公表した。その委員たちは元来、賢者集団だったので

ある。委員は各国政府が選任していた。言葉を変えれば政治家の代弁者的な一面があったことは否

定できなかったと思われる。すなわち科学者的な数値よりも、政治的な妥協の数値が優先されてい

たのが事実ではなかろうか。8日の発表は禁断の壁を破って真実を語り、対策の緊急性を模索し始

めたと理解してかまわないと思っている。

 元々、IPCCの委員間で人類が存亡の危機に陥っていることは認識されていた。

 「メディアで気候変動の報じられぬ日は一日とてない。天候や非日常的で極端な異変に関する

報道だけではない。大気組成や海水水位の上昇、規則正しくあるべき四季の乱れ、その他私たち

の不快な異変など、環境変化を巡る問題が多発している。政治家や圧力団体はこうしたニュース

を深刻に受け止めている。メディアで報じられる現象の解明に力を入れる科学者は多額の研究援

助資金をせしめつつある。国際機関に属する委員は、母国へ悲観的なレポートを送り、国連ビル

の廊下は危機感がみなぎって、ぴんと張りつめた雰囲気をかもし出している。(「人類は絶滅す

る」マイケル・防ルター著。佐々木信雄訳。朝日新聞者)参照」。

 「地球は現在人間の体に例えるならば、きわめて短期間に暴飲暴食した結果、消化不良やアル

コール中毒に陥った重傷の病人である。その生命は、早急に残滓を除去しコレストロールなどを

落として循環系に正常さを取り戻さないかぎりその保証がない。その処置は急を要しているが、

自力での回復は不可能になっていると判断される」(「人類は80年で滅亡する」西沢潤一・

上野勲いさ黄著。東洋経済新報社。参照)

 (「日本は空前の繁栄に酔っているが、近い将来『船上の金のやりとり』という諺どおりにな

るだろう。いくら儲かったといって喜んでいても何もならないからである」『死後の世界を突き

止めた量子力学』コンノケンイチ著。徳間書房。参照)

 これらの事実を知りながら、IPCCの委員たちは地球環境劣化の真実を公表してこなかった

のである。だから愚者の集団と揶揄されたのである。

 今や「これまでの人類史は正しかったのか、間違っていたのか」、「科学は勝利したのか、失

敗したのか」という検証の段階に入りつつある。さらに「人類はどのようにして延命するのか」

などという具体的な方法論を検討する段階に入っている。「月旅行」など、どうでもいいことで

ある。それは自由の範疇であって、人類の未来とは何の関係もないことである。

 今後のIPCCに期待したい。