李明博韓国大統領は14日、日本の天皇が韓国を訪問したいなら、
「独立運動家への謝罪」をするべきだ、という発言の趣旨である。
戦争被害者の怨念のすごさを感じざるを得ない。しかし、大統領の
発言には矛盾点がある。そもそも李大統領が2008年に来日した時、
天皇に訪韓してくれるように要請したのは自分自身である。
また、韓国や中国に侵略したのは、天皇の意思ではなく、軍部の独
断専攻というのが、日本国民の大多数の判断である。昭和天皇は侵
略や戦争に反対だった、というのは定説となっている。昭和天皇は平
和主義者だったのである。
韓国から見れば、すべて天皇の責任であるかのように判断するのは
当然かも知れない。事実、法的にはそうなっていた。しかし、実態は天
皇といえども戦争などに反対できない国内体制になっていたのである。
反対すれば、天皇自身の生命の危険性があったといわざるを得ない
状況だった。
ましてや、現在の平成天皇には、一切の戦争責任はない。むしろ、
現在の為政者を責めるべきであろう。責める相手を間違えると、日韓
の友好の大いなる妨げとなるだけである。
戦争被害者としての韓国大統領の発言は理解できないわけではな
い。しかし、寝た子を起こすようなことは避けるべきだと考える。