今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

謎の天体「ヒミコ」は、中宇宙のクロス現象か?

2009-05-13 11:27:30 | 仏教の宇宙観
 129億年前の初期太古宇宙にあった謎の巨大天体
を日米英の研究チームがすばる望遠鏡などを使って発
見したと報じられた。(読売新聞4月23日夕刊参照)
 現代科学が説く137億年前にビッグバンによって
スタートしたという宇宙の歴史の中で、8億年後とい
うごく初期に巨大天体が存在していたのは説明がつか
ないという。同時代のほかの天体より10倍も大きい
からである。空間的な広がりは5万5000光年、重
さは太陽の400億個分、現在の銀河の平均的な大き
さだという。古代日本の謎の卑弥呼にからめてこの天
体は「ヒミコ」と命名された。
 ところで、大宇宙は底辺(どちらが底辺だか分から
ないが)で繋がっている巨大な双塔の大宇宙図を何か
で見たことがある。すなわち、我々の属している中宇
宙が2つあることになる。しかし、ヒミコのようなラ
イアンアルファ・ブローブは20~30億歳の宇宙で
見つかる。129億年前の宇宙観測は、現在の人類の
観測技術で見ることのできる限界であるという。野僧
の云いたいのは、双塔の大宇宙図がもしも正しいので
あれば、片方の我々の属していない中宇宙は見えない
はずである。すなわち、ビッグバンも、それぞれあっ
て計2回あったのではないか、と云いたいのである。
もしも、その仮説が正しいのであれば、2つの中宇宙
のビッグバンによって中宇宙がクロスして大宇宙が誕
生したのではないかと思えるからである。
 すなわち、今回のヒミコの存在はその中宇宙が結合
する際のクロス状態の一つではないだろうか、と夢想
するからである。もう一方の塔の現象が見えているの
ではないだろうか、という意味である。
 しかし、大宇宙は双塔でも、丸でも、四角でも、三
角でもない。もしもそれらのどれかであれば、その外
側の漆黒のダークマターは何なのであろうか。宇宙で
はないのであろうか。
 いずれにしても、ブッダの宇宙論は現代科学では、
否定も肯定もできないレベルであることに違いはない。