今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

「創価学会仏」とは、「創価如来 」のことか?

2007-03-04 20:42:09 | 宗教
 「大白蓮華」2007年3月号(NO.686)の
「池田名誉会長の 生死一大事血脈抄講義」中で、
「創価学会仏」という言葉が初めて登場した。それで
は、その「創価学会仏」の項を紹介しよう。

 「三代の師弟によって示された広宣流布に戦う根本
精神が異体同心の組織の中に脈動していくとき、創価
学会は民衆救済する仏の大生命力を恒久的に持ち続け
ることになります。
 その力は民衆の苦悩の暗闇を破り、勇気と希望を与
えてゆく『慈悲の大光』として輝きます。悪を打倒し、
正義を叫び抜く『獅子吼』となって響きます。宿命を
転換して、自他共の幸福を築く『大確信』が一人一人
の胸中に開かれます。
 そして、そのような三障四魔の大難にも打ち勝つ
『異体同心の和合僧』、『金剛不壊の師弟の大城』と
してそびえ立つのが、創価学会の組織なのです。
 ゆえに戸田先生は、『未来の経典には「創価学会仏」
の名が記される』と予見なされました。大聖人に直結
した広宣流布遂行の和合僧団である創価学会は、それ
自体が仏そのものなのである。これが戸田先生の大確
信であられた。
 戸田先生は幾度も、『戸田の命よりも大切な学会の
組織』と語られました。
 私も、何よりも大切な仏意仏勅の和合僧団を、戸田
先生の命そのものとしてお預かりしてきました。そし
て『異体同心』を指針として、この創価学会を大発展
させ広宣流布を進めてきました。
 どうか、これからも『異体』を『同心』にしていく
信心の努力と誠実な行動によって拡大していっていた
だきたい。それ自体が広宣流布の道であり、世界平和
への確かな前進だからです」

 これを要約すれば、
 「戸田先生は、『未来の経典には「創価学会仏」の
名が記される』と予見なされました。大聖人に直結し
た広宣流布遂行の和合僧団である創価学会は、それ自
体が仏そのものなのである。これが戸田先生の大確信
であられた」
 という部分に集約されている。その意味は次のよう
なものである。
①創価学会員は、全員が「創価学会仏」という「仏」
 である。
②「創価学会仏」と言ったのは、創価学会第二代会長
 の戸田城聖氏である。
 しかし、戸田氏が言った、あるいは書物に書いたと
すれば、①それはいつだったのか(年月日)、②どこ
で(場所または書名)、③なぜ今になって「創価学会
仏」という言葉を公表したのか、④未来の経典とは、
どういう経典なのか、という四つの疑問に明確に答え
る必要がある。そうしなければ、創価学会員といえど
も納得しないはずである。
 さらに、「大白蓮華」3月号では「つづく」と書か
れている。来月号では、「創価如来」という言葉が登
場するのであろうか。
 一方、教義面からすれば、「創価学会仏」とは、
「和合僧団である創価学会そのもの」という表現では、
「仏」という概念には該当しないものである。それは
教団(サンガ)を意味する。もしも、それを強弁する
のであれば、「即身成仏」なるがゆえに創価学会員全
員が「仏」であるというべきである。
 即身成仏とは、死んだ後で「仏に成る」という意味
ではない。煩悩に汚れた生きたままで、その身そのま
まで、自覚によって、「仏に成る」という意味である。
娑婆即寂光、生死即涅槃の意味だからである。創価学
会は、「即身成仏」という日蓮大聖人の教えを取り入
れるべきである。
 また、「即身成仏」という言葉を使わないのであれ
ば、学会員は仏というより、地涌の菩薩という方が適
当であろう。その意味からすれば、池田名誉会長は、
「地涌の大菩薩」、または「浄行菩薩」と表現した方
が、会員から納得してもらえるのではなかろうか。 
 以前から、創価学会が「創価如来」といったら、創
価学会をやめる、という会員が相当数いると聞いてい
た。「創価学会仏」と、今回発表したことで、学会内
部ですでに混乱しているとも聞いている。
 日蓮聖人は「本門の教主釈尊を本尊とすべし」(報
恩抄)といっている。また、日興師は「師弟を間違え
て教えるな。かたよった心で、間違って師と弟子を教
えたならば、無間地獄に落ちる」と説いている。日蓮
聖人と日興師の教えの原点に帰るべきだと考える。そ
の意味からしても、創価学会は日蓮聖人の血脈を受け
継いでいるとはいえない。逆である。故意に意逆して
いる。日蓮大聖人の血脈を受け継いでいるというので
あれば、「釈迦本仏論」を主張しなければならない。
素直な心で、日蓮聖人の教えに帰らないのであれば、
日興師の言う通りになるであろう。