今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

国立追悼施設構想の自民党幹事長案を支持する

2005-06-15 01:53:48 | 戦争と平和
 武部勤自民党幹事長は、6月10日、札幌市内で講演し、
次のように述べた。
 「(イラクで殺害された日本人外交官などが)戦没者とい
う概念に入らない問題も出てきている。世界中で活躍し、命
を失った人たちを慰霊する(国立追悼施設など)墓地のよう
なものを造るべきだ」。
 この自民党幹事長の発言は特記すべきもので、敬意に値す
る。私も大いに支持したい。
 大体、世界の中で先進国に位置する日本が、神道主義に固
執すること自体、どうかしている。民主国家にとって神道一
辺倒というのは前時代感覚のままである。憲法蹂躙も甚だし
い。これに対し自民党幹事長構想は、民主化を一歩先んじた
ものの見方である。
 外交官の殉職者は勿論のこと、警察官の殉職者も同施設で
慰霊すべきである。第一、神道に慰霊の力があるのか、とい
う論議は、これまでされてきたところでもある。それはさて
おき、幹事長の構想は、無宗教である点がいい。すなわち、
その施設に祀られる人は、あらゆる宗教の人達である。した
がって、あらゆる宗教が、その施設に行って慰霊儀式や行事
をすればいい。宗教の一つに過ぎない神道にこだわるから、
他の宗教から批判されるのである。いわゆるアメリカのアー
リントン墓地と同じようにしようとする構想である。
 約8年前に、銀婚式を祝って、6人の子供達がハワイ旅行
をプレゼントしてくれたことがある。私達夫婦は喜んでその
旅行をを満喫したものである。その帰国の機中で、中国の商
社マン数人と会話したことがある。英語と日本語と漢字で会
話した。その時、先の大戦で日本が中国や近隣諸国の人々に
甚大な被害を与えたことを、私なりに詫びた。その後で中国
の人から「神道は好きか」と聞かれた。私は仏教徒なので「
神道はあまり好きではない」と答えた。そうしたら、中国の
人達は喜んで、握手を求めてきた。すなわち、中国の人達は、
日本軍の残虐性の陰の精神的なバックボーンに「死んだら靖
国で会おう」という神道方式があると強く感じていることが
分かった。その意味でも、一宗教法人に過ぎない靖国神社に
英霊を祀る従来の慰霊方式を変えることが重要である。そう
しなければ、中国などの批判は止むことはないだろう。
 武部幹事長の構想を実現すべきである。さうすれば、中国
や韓国などのアジア諸国の信頼を得るであろう。また、納得
してもらえだろう。
 武部氏のような人こそ、次期総理大臣になってもらいたい
ものである。恐らく、武部氏のような総理大臣が実現するこ
とを中国などの近隣諸国はもとより、世界の良識ある国々は
望んでいると思われる。