岡山市議会議員/おにきのぞみの虹色通信

〈いのち・みどり・平和〉を大切にする
 政治や暮らしをつくっていきたい。

2月17日-2 「放射能汚染防止法」を制定する岡山の会の学習会

2018-02-17 | おにき日記





 2月17日には、「放射能汚染防止法」を制定する岡山の会の学習会に参加をしました。

 この法律の基本的な考え方は、「放射能汚染を公害として捉える。汚染にも被曝にも責任を負わない現在の制度を改めて、規制する」ということです。はじめて聞いたときには、なるほどと痛切に感じました。
 3.11以前は、環境基本法など公害関連法には、放射性物質には適用除外規定が定められていましたが、3.11以後、適用対象とする法改正が行われました。しかしながら、規制基準や環境基準が定められていないので、原発事故で刑事責任を取る人がいないという状況は変わりません。全国的には、札幌市など道内5市議会や小金井市、取手市から、法整備を求める意見書があがっています。
 法整備を求めるとともに、自分たちの身近な自治体でも条例を作ることができるのだと、学習会では整理をしてくださいました。

 そこで、一般論として、どうしたら市民が条例を作ることができるのかと、私に求められました。どういう形であれ、議会の半数の同意がないと条例は可決しないので、そこまで盛り上げる活動が大切です。

 多くの条例は、市長サイドからの提案ですが、そのなかでも、例えばこの2月議会で出されている「手話言語条例」は、全国的な運動も相まって、当事者の皆さんの働きかけのなかで策定されようとしているものです。

 障害者の権利に関する批准に向けて、2011年に「障害者基本法」のなかで手話は言語であると規定され、2013年に鳥取県で条例が全国で初めて策定されました。2014年に岡山市議会でも法制定に向けての意見書が出されています。
 2月8日現在で、15県100市12町=127自治体で策定されています。岡山市でも当事者団体の粘り強い働きかけと議会質問でも何度も取り上げられ、先の11月議会で岡山市長が今年度中に作ると答弁しました。そして条例内容について当事者団体との話し合いが行われてきました。保健福祉委員会でも勉強会で当事者団体の皆さんから話を伺いました。また、学習会のなかでは、私自身が具体的に関わった「犯罪被害者支援条例」についても話をしました。

 そして、まさに行政が市民と協働でつくった条例もあり、2002年の「さんかく条例(男女共同参画社会の形成の促進に関する条例)」はその代表格です。日本女性会議岡山大会の成功のうねりのなかで、市長へ条例策定などを提案。市長からの後押しを受け、市民サイドの研究グループと行政サイドの専門委員会が練り上げてつくったとのことです。全公民館でワークショップが行われたと聞いています。関わった方にお話を聞くと「市民の熱意です」と言われました。

 最近のことでは、2015年の「協働のまちづくり条例(全部改正)」も然りです。15年ぶりの全面改訂です。2012年の特定非営利活動促進法改正のなかで「岡山市・NPO協働推進協議会」が設置され、2014年に市長に出された提言書にルール化が盛り込まれ、市長の後押しのなかで市民案を作成。その案を尊重する形で条例が作られました。

 書いてしまうと数行ですが、粘り強い取り組みが行われ、とりわけ後者は私も議会真っただ中にいましたので、可決した時の喜びはひとしおでした。

 ここでは、学習会の時にはお話ができなかったことを二つ書きます。

 一つは議員提案の条例です。数が少ないので活性化が求められますが、私が議員になってからを見ると、2010年「地域主体による生物多様性の保全を推進する条例」、2011年「がん対策推進条例」、2012年「歯と口腔の健康づくり条例」、2013年「議会基本条例」、2014年「持続可能な開発のための教育の推進に関する条例」などがあります。例えば、「歯と口腔の健康づくり条例」は私が保健福祉委員会委員長のときに、委員の皆さんの熱心な取り組みのなかで、なんども討議を重ねて策定されたものです。条例に基づいての施策の提案が行われると本当に嬉しいです。

 もう一つは、地方自治法第74条に基づく「条例の制定又は改廃の請求」です。有権者の1/50の連署で議会の議決を請求できるというものです。決定権は議会にありますので、議会の過半数の同意が必要です。横浜市議会がまとめているレポートが参考になりました。
http://www.city.yokohama.lg.jp/shikai/pdf/journal/26-11.pdf
  このレポートによると、2012年に東京都において、「原子力発電所の稼働の是非を問う住民投票条例の制定を求めた直接請求」が出され、否決された事例紹介がありました。また、1980年に横浜市へ「合成洗剤追放対策委員会の設置と運営」を求めた条例の事例紹介がありました。条例は否決されましたが、1/50以上の住民からの請求を尊重して決議が出されたようです。

 市民的にも理解を求める活動、担当課への継続的な働きかけ、議会・市長を動かすロビーイング活動などなど、まさに「熱意」が必要です。市民の皆さんといっしょに条例を作る過程は市民自治へのプロセスでもあります。しっかり意識していきたいです。

「放射能汚染防止法」を制定する岡山の会 ブログ
http://environmentalright.blog.jp

「放射能汚染防止法」を制定する岡山の会 Facebook
https://www.facebook.com/osenboushi/


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