岡山市議会議員/おにきのぞみの虹色通信

〈いのち・みどり・平和〉を大切にする
 政治や暮らしをつくっていきたい。

2月14日 〈さんかく岡山〉で「人身取引」の講演など

2011-02-14 | おにき日記


 昨日から今日にかけて「さんかく岡山」で、「人身取引」についての講演やヒアリングが行なわれています。「人身取引」と聞いてもピンとこないかもしれませんが、女性や子どもが海外から日本に性的・搾取的労働に従事させるために連れてこられ、人身取引の被害にあっています。日本は、2004年にアメリカ国務省から「日本政府は人身売買を防ぐための努力を怠っている」と批判され、「監視対象国」にリストアップされているのです。ここ10年では2005年の検挙件数がピークで117人(フィリピン40人、タイ21人)。徐々に減りつつありましたが、2010年に増加し37人(フィリピン24人、日本12人)になっています。

 アメリカからの非難を受け、日本は2005年から外国人の在留資格「興行」の取得条件を厳格化し、刑法改正で人身売買罪を新設します。これによって、フィリピンからの興行資格での入国者数は、過去最高を記録した2004年の82,741人から、2005年は半減の47,765人、2008年は3,185人です。その一方、厳格化と前後して、フィリピン人女性との結婚が増えはじめ、2005年に10,242人、2006年に12,150人。その後減り、2008年には7,290人ですが、離婚件数は増え続け、2008年の離婚率は65.6%。
 外務省は、偽装結婚、また、日本人男性・フィリピン人女性の間にできたジャパニーズ・フィリピーノ・チルドレンの支援と称しての搾取を防止するためにビザの厳格化措置を行なっています。が、偽装結婚などの形になり、人身取引は表面化しにくくなっています。日本には「人身取引対策行動計画」があり、防止、撲滅、被害者保護などへの対策を定めていますが、知られていませんよね。
 
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 昨日は、堀内光子さん(文教学院大学教員、元国連ILO駐日事務所代表)と渡辺美穂さん(独立行政法人国立女性教育会館研究国際室研究員)のご講演、今日は大津恵子さん(女性の家HELPディレクター)を囲んで関係機関による会がありました。写真の上が大津さんと、下が渡辺さんと(左から2番目)。
 人身取引は、ずっと心の底で気になっていることですが、両方とも都合が悪く、今日の最後だけ参加。お二人の顔をみて、元気をいただくために寄ったようなものでしたが、とても有意義な時間でした。昨日参加した、友人のフィリピン人から、「とてもいい話だったのに、なんで鬼木さんは来なかったの?」と興奮して電話があったのがよくわかりました。「人身取引」防止にむけて、具体的なアプローチだけでなく、性意識をとらえかえすこと、子どもの頃からの性教育、開発途上国の貧困の問題など、あらゆる面から取り組むことが必要です。
 フィリピン人女性など被害者に問題があるのではなく、日本側の問題であることを付記しておきます。
 
 



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