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岡山市議会議員/おにきのぞみの虹色通信

〈いのち・みどり・平和〉を大切にする
 政治や暮らしをつくっていきたい。

12月20日 『解体新書』ー近代医学の再確認/知を智に変えて

2009-12-20 | いのち・人権


 東京での部落史フィールドワークのなかで、南千住回向院にあるレリーフ「観臓記念碑」も見に行きました。写真がないのがすごく残念ですが、杉田玄白による『解体新書』(『ターヘル・アナトミア』翻訳)出版にあたって欠かせない場所で、このレリーフは、1771(明和8)年にここで行われた刑死者の腑分け(解剖)を、杉田玄白・前野良沢・中川淳庵らが見学したことを記念するものです。
 『ターヘル・アナトミア』に載っている人体解剖図が正確かどうかを、腑分けに参加して確認したものですが、このとき執刀にあたったのが、被差別民であり、90歳の老人でした。彼は、医者が行ったことのない解剖を行い、その上で、心臓、肝臓、腎臓、胆嚢、胃などを正確に切り分けて名前を述べて示し、さらにその他の血管や筋など複数の器官についても「これらの名前は分からないが、どの人体内部も必ずこのようになっている」と語っています。執刀した「虎松の祖父」は、系統だった人体解剖技術を持っており、しかも主要な臓器の名前・位置まで知悉しており、この知識が、杉田玄白らがまだ十分に知らなかった西洋医学の基礎知識と完全に一致していたのです。
 説明してくださった浦本さん(東京解放研究所)が、「近代医学発祥の地だと言われるが、すでにそれだけの知識・技術を被差別の人が持っていたので、〈再確認〉したところとすべき。本来、この肝臓記念碑にこのことが触れられるべきであるが、まったく触れられていない」と。
 杉田玄白は、『蘭学事始』のなかで、「虎松の祖父」のことを「すこやかなる老者なりき」と、深い感動と敬意をもって書き残しています。被差別民が暮らしのなかで果たしてきた役割、歴史を正しく知ろうとするとき、「虎松の祖父」のことは欠かせませんが、その現場に立ったのは初めてで、感慨深かったです。ともに参加をした方から、「知を智にかえて、行動を」と私を励ましてくださいました。
   *        *        *
 岡山に帰ったら、とても冷え込む夜にびっくり。夫がゆず風呂と湯たんぽを用意してくれていました

 
 

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12月1日 「すばらしい!」と。岡山市はシングルマザーに保育料減免しています

2009-12-01 | いのち・人権

 
 ある地方議員から、横田さんを通じて、「岡山市は、所得税法上は寡婦控除が受けられないシングルマザーに、寡婦控除があったものとみなして保育料を減免しているらしいけど…」と連絡がありました。毎日新聞の記事をみての連絡です。はたして、横田さんは、「私が市議の間に、そういう話は聞いていない」と
 保育課に聞きますと、確かにありました。「岡山市保育料減免実施要綱」にきちんと書いてあります

 千葉市では11月12日に、来年度から保育料などを減免すると発表。寡婦控除は、夫と死別か、離婚して再婚していない人が子どもを扶養している場合、課税所得から一定額を控除する制度で、所得税や住民税が安くなります。でも、結婚せずに子どもを育てているシングルマザーには適用されていません。
 寡婦控除がないと税金以外にも影響が及びます。例えば住民税の額は、保育所の保育料や国民健康保険料の算定基準に使われています。寡婦控除が適用されると公営住宅の家賃が安くなる地域もあります。
 こうした状況はおかしいと、3人の母親が11月17日、日弁連に人権救済を申し立てました。うち1人は寡婦控除を適用された場合と比べ、所得税や国保料を年10万円以上多く払っているそうです。
 厚生労働省調査では、母子世帯の平均年収は213万円(05年)で、全世帯平均の4割にも届きません。加えて、夫と死別した世帯の平均年収は276万円、離婚した世帯は210万円、一度も結婚していない世帯に至っては177万円

 千葉市の記事、人権救済の記事のあとに、岡山市では……と続いていたのです
 
 シングルマザーを選ばざるを得なかった人もいれば、選んだ人もいます。そもそも一人で子育てする負担に配慮する制度ならば、母親の婚姻歴で区別する今の法律自体を見直す必要があるのではないでしょうか。岡山市は「すばらしい!」





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11月5日 12月に「みんなでたのしくPARTYしましょ☆」があります

2009-11-05 | いのち・人権



 「岡山で暮らす外国人女性問題研究グループ」の会合がありました。このグループでは、外国人女性たちにもっと〈さんかく岡山〉を知ってほしいと、12月に、「みんなでたのしくPARTYしましょ☆」を行います。外国のお料理、おもしろいゲーム、みんなで踊っておしゃべりしよう
☆と き 12月13日(日)10:00~13:00 ☆
☆ところ さんかく岡山(岡山市北区表町3-14-1)☆
☆参加費 500円、小学生200円、小学生以下無料☆
 国籍、年齢、男女、関係ありません。どなたでも。申込順に50人まで参加できます。086-803-3355まで、お申し込みください
   ☆        ★        ☆
 このグループ活動を通じて、ステキな外国人女性たちとの出会いがたくさんあります。子育て中のお母さんが多くて、皆さん、きらっと光る視点をお持ち。多文化の醍醐味を味わっています。岡山のまちづくりを担っていってくださる頼もしい女性たちです。ほんと(^^)。

 写真は、〈さんかく岡山〉で展示中の「茶杓展」。茶杓を創作するグループもあるのですね。茶色の一本一本、表情が違います


 
 

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11月1日 外国人市民会議オープン会議 & ホームレスの皆さんへの健康相談

2009-11-01 | いのち・人権

  第2期外国人市民会議もいよいよ大詰め。今日はオープン会議が行われました。テーマごとに委員が報告をし、参加者からの意見が求められました。テーマは、医療・緊急時の対応、地域社会との交流、留学生、国民健康保険・国民年金、就業、外国人市民向け情報提供についてです。
 必要な広報が外国人市民に届いていない、緊急カード(名前や血液型など)の作成と携帯、地域交流があれば児童の不就学解消や緊急災害時の支援につながるのではないか、留学生への岡山市独自の支援、国保・年金のわかりやすい説明、就業にあたってハローワークの周知と外国人窓口設置の働きかけ、学校・町内会からのお便りへのルビ振りetc。
 フロアからは、高齢者の視点を入れてほしい、医療通訳には研修が必要、外国人も参加できるボランティアグループの必要性、ホームステイの奨励などが出ました。また、第1期市民会議の提言内容の具体化がどこまで進んでいるのか。第3期にむけて議論の連続性を保つ方法が必要という提案もありました。せっかくのオープン会議でしたので、推進計画や提言の進捗状況を示す資料があったらよかったと思います。議論の時間が足りませんでした。もう30分必要でしたね。貴重な意見が出ていましたので、提言へ反映されることと思います。
   *        *        *
 夜には、ホームレス炊き出しをしている城地下広場で、岡山市による健康診断が行われました。8人の方が相談をされ、更に検査が必要な方が何人かおられました。健康診断の場があるというだけで安心感がありますね。今日、来られたのは南方もあわせて46人でした。
 岡山市からは6人の職員の方がこられ、最後は会の皆さんと一緒に床を磨いてくださいました。お休みの日にありがとうございました。


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10月31日 倉敷市の「ふれあい人権フェスティバル」に行ってきました

2009-10-31 | いのち・人権

 『太郎が恋をする頃までには…』(幻冬舎)の著者の栗原美和子さん(フジテレビプロデューサー)の講演があると聞き、「倉敷市ふれあい人権フェスティバル」の様子も味わいに出かけました。栗原さんは、『ピュア』『ドク』『東京湾景』etcを手がけ、『東京湾景』では脚本も書かれたとのこと。でも、私はどのドラマも見たことはありません。友だちが、『ピュア』がよかったので、和久井映見の髪型にしたと言っていたことを覚えています

 『太郎が恋をする頃までには…』はフィクションですが、栗原さんが夫で猿まわし師の村崎太郎さんと結婚(2007年)し、そこで起きた差別の現実、そして二人の有り様、想いを赤裸々につづる私小説的な本です。厳しい現実を前に、お二人が揺れる様も伝わってきます。この小説によって、村崎太郎さんはご自身が被差別出身であることをカミングアウトします。芸能文化人でカミングアウトしている人はほとんどおられません。マスコミとくにテレビ業界では問題は最大のタブーであり、今回の出版でそのことを再認識し、大きなショックを受けたとのことです。それでも、歩みは少しずつ前に進んでいると。

 本や講演内容のなかで、幾つかお尋ねしてみたいことはありました。でも、差別の現実そして自らを見つめ、語り、そのことをベースに解決していきたいとする姿勢・想いには共感します。
 昨年度、岡山市が行った意識調査においても、被差別出身の人との結婚については厳しい結果が出ています。結婚差別は結婚という事象のみで存在するものではなく、暮らし総体が問われるものですが、この部分に眼を塞いで、人権尊重のまち作りはできません。倉敷市は、そんな想いでこの講演会を企画されたのではないかなと
   *        *        *
 さて、村崎太郎さんは17歳のとき、父親から「の伝統芸能を有名にして、が誇るスターになれ」と言われ、戦争で途絶えていた猿回し師の道を歩み始めたそうです。栗原さんの講演のなかで知りましたが、彼はこの春に、『ボロを着た王子様』(ポプラ社)という自叙伝を出されているとのこと。さっそく買って読んでみたいと思います。
 私は彼とまったくの同い年です。の歩み・歴史、そこで生きてきた人々の想いを正しく知ることは、未来へのエネルギーをいただき、差別解消にとって大切なことだと実感しています



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