即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

新聞社の行方

2007年09月22日 10時53分43秒 | 
新聞社―破綻したビジネスモデル
河内 孝
新潮社

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この本、すごーく面白いです。

去年まで毎日新聞の常務だった人。
新聞業界の裏も表もすべてわかった上で、現状を語っている。

日本の新聞がどれだけひどい危機的状況なのか。
とっても説得力あります。

新聞社の人、結構知っているけど、
普通の企業よりもかなり体質古いと言わざるを得ないです。

大手私企業は、いつ業績が悪化してもおかしくないし、いつM&Aされてもおかしくない。そんな危機感を少なくても山一證券以来、持ってきているのだろうけど、大手新聞社は、一向に我が物顔。
権威主義、公器としてのプライド。

部数や広告収入が減ろうが、ITに飲み込まれる危機が迫っていようが、抜本的な手を打つ気配はない。

旧来の陋習ばかり、当たり前のように綿々と続けている。

この本に書かれている、警鐘、今後への提言に対して、どうしていくのか。
自ら積極的に動くのか否や。

出版社からこの本の内容紹介:
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新聞という産業は今、様々な危機に直面している。止まらない読者の減少、低下し続ける広告収入、ITの包囲網、消費税アップ、特殊指定の見直し----そして何より、金科玉条としてきた「部数至上主義」すなわち泥沼の販売競争は、すでに限界を超えている。いったい新聞は大丈夫なのか。生き残る方策はあるのか。元大手紙幹部が徹底的に解き明かす、新聞が書かない新聞ビジネスの病理と、再生への処方箋。
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真の敵は、テレビでもインターネットでもなく、破綻したビジネスモデルにとりすがる新聞界の守旧派、と結んでいる。

部数至上主義の問題。強引な拡張販売方法。ムダに紙を押し付けることによって起こっている環境問題。

若い世代が新聞を読まない理由も、結局は読者が新聞を見放したのではなく、新聞の方が読者から離れていったのが原因。

将棋界にとって、新聞業界への依存度は大きいです。

新聞業界がこんな状況だったら、ほんと、将棋界もやばいですよ。

そして、今週の週刊ダイヤモンドの特集は『新聞没落』

結局は同じことを言っている。

これだけ言われていても、過去の成功体験のまま、自ら何も変わろうとしない新聞社の体質。

そういえば、先日リオで行われていた『世界柔道』に、《産経新聞》の看板が出てましたね。
それから、ヤンキーススタジアムもそうだし、レッドソックスのホームグラウンド『フェンウェイパーク』には《YOMIURI》《読売新聞》のロゴが。
《朝日新聞》もサッカーとか野球とかいろんなところでロゴ露出しています。

これはなんなんでしょう?
イメージアップ?グローバルなイメージ付け?お金が余って税金対策?

いろいろアゲインストの風が強いので、こういうことでもして、汚名挽回(?)したいわけ?

どうも新聞社のやることなすこと、違和感がつきまとう。

今更強い危機感を持って、内部から大きく変えていくパワーは無理なんでしょうか?

時代がどうの、ってことでなく、社会における自らの価値をどう捉え、どう位置づけていくか、という検証作業。
やはりキーは僕らが金を出しても読みたくなる記事、コンテンツってことにつきるはず。
社会の公器とかそんなことはどうでもいい。
読みたくなる素敵な記事を提供してくださいね、大新聞社様。
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