即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

デパートの変化

2010年01月31日 14時36分47秒 | 「デパート」研究
先日の記事、デパートネタ2題に対して、デパ研首席コメンテーター、とらんとらんさんからコメントいただきました。
相変わらず切れのいい発言です。
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百貨店の売り上げが、どこまで落ちていくのか、底が見えませんね。
不景気というものが前提としてあるのでしょうが、景気回復したら以前のような売り上げに戻るのかと聞かれると、もう無いと思います。

いくつかの理由は有りますが、主に百貨店自体の役割が、時代にマッチしなくなったこと挙げられますね。

・「お金があるから、何か高いものを買いにいこう~それがステイタスだ」
・「私たちは客(神様)だから、百貨店でもいって、王様気分に浸ろう」
・「百貨店に行けば、何か良い物が有るに決まってる」

なんだかどれも前時代(私達の親の世代)の典型的な動機付けです。
でも、今の消費者がこんな動機で百貨店にいくことが、そんなにあるとは思えないんです。
全く無いとは言いませんが、上に書いたような感覚で買い物に行く人は、今はそんなにいないのではないでしょうか。。

百貨店でこんな消費の仕方をしているのは、日本に観光でやってくる大金持ちの中国の方が主力になっています。
私が勤務していた頃、店が閉店した後に1時間だけ、中国からの団体観光客が貸しきり状態で買い物をしていた時がありました。
~全くの余談ですが、「ビッ○カメラ」を貸切したマイケルはスゴいなぁ!とか今更ながら思います(笑)

思うんですが、日本人って、おカネの使い方が、あまり上手ではないのではないかと。
本来は、おカネの有る無しに関わらず、必要なものを必要な分だけ買って、無駄遣いはしないというスマートは考え方なのではないかと。
不景気が良いきっかけになって、本来のスマートな消費者に戻っていけるのかな、っと。

物産展~これは、他にネタが無いので客寄せパンダ的な催しの色合いが強いのかもしれません。
これも勤務していた時の体験ですが、ネタに詰まると物産展を芋づる式に開催していたような気がします。
北海道を筆頭に、九州(鹿児島や宮崎)、沖縄、石川(加賀)~その他もろもろでした。
自分がいた同フロアに催しコーナーがあったので、毎度毎度こればっかしという印象しか残ってないんですね^^;
特に北海道と九州は「これでもか!」ってくらいにやってました。

百貨店のバイヤーが頑張ってるという見方も出来ますが、別の角度からみると「テナントに丸投げ」という感じにも受け取れます。
なぜかというと、毎回同じ顔ぶれの出店が殆どだからです。
本当の意味での企画力が無いのです。
もっとアタマもカラダも使って、本当の意味での「企画」を出さないと死期を早めてしまいます。。

「ネットショッピング(通販)」についても、同じようなことがいえるのではないでしょうか。
今になってしまっては、後の祭りですが・・・。

通販において、何が不安かと言えば「信用」があるかどうかという部分ではないかと思うのです。
代金を振り込んだのに「モノが送られてこない」とか「アフターフォローが無いに等しい」という相手が見えない故の「信用不足」がネックで通販を躊躇するユーザーは多かったはずです。
本来はここで、百貨店のネットショッピングが「信用」を前面に展開していけば、楽天やヤフーにも匹敵する顧客を掴んでいた可能性も有りました。
ところが各百貨店が展開していたネットショッピングは「しょぼい」の一言でした(今はだいぶマシにはなりましたが)。
ネットショップをきっかけにリアル店舗にも、来店してもらうチャンスもたくさんあったのに、ただ指を銜えて、そのチャンスを逃してしまったのは、私から見たら怠慢でしかありません。

こんなことを書いてる間に「松○屋」に「フォーエバー21」が入るというではありませんか。。
本当に、もっと真面目に企画しろ~どこまで丸投げやねん^^;
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そんなデパートの旧態然とした体質。
物産展しか頼れるコンテンツはない。
何でもかんでも自分たちで考えたり汗をかいたりせず、丸投げ体質の極致。

お役所もそうでしょうけど、銀行、JAL、テレビ局新聞社、などもかつての成功体験の状況のまま、時間も思考も停止してる状態なのではないかと思います。

なんてことを書いてたら、続けざまに有楽町西武四条河原町阪急の閉店のニュースが!
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有楽町西武閉店 百貨店はどう生き残るか
(1月28日付・読売社説)

 日本の商業の中心地にある店も、顧客離れを止められなかった。百貨店業界の厳しい状況を象徴する閉店といえる。

 大手流通グループのセブン&アイ・ホールディングスが、傘下の百貨店、西武有楽町店を12月で閉める。長引く消費不況で赤字が続き、今後も黒字化は見込めないと判断した。

 昨年は、三越池袋店が閉店し、伊勢丹吉祥寺店の閉鎖も発表された。それに続く今回の閉店は、立地のいい店舗すら、淘汰(とうた)の例外ではないことを示している。

 <中略>

 デフレや少子化で消費全体のパイが増えないなか、低価格で品ぞろえも豊富な衣料、雑貨、家電などの量販店が台頭している。インターネット通販も、百貨店の顧客を奪っている。

 ブランド力を武器に顧客を呼び込む百貨店の経営手法は、壁に突き当たっている。生き残りには、売り上げが減っても着実に利益があがる体質への改革が急務だ。
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阪急が京都・河原町店を閉鎖へ 店舗リストラ加速
1月28日14時56分配信 産経新聞

 エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)は28日、傘下の阪急阪神百貨店の「四条河原町阪急」(京都市下京区)の営業を今秋に終了すると発表した。

 同店は1976年に開店し、阪急電鉄・河原町駅のターミナルに立地。阪急百の京都での旗艦店だった。若者向けのファッション用品を中心にした品ぞろえが特徴。2009年3月期の売上高は56億1400万円だった。

 ただ、景気低迷に加え、近隣の大型百貨店や専門店との競合も激化し、赤字に陥っていた。売り場面積が約8900平方メートルと、一般的な大手百貨店の半分以下と小さく、H2Oリテイリングでは「競争の厳しい都市中心部で事業を継続することは困難と判断した」と説明している。
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これだけ売り上げが減ってくれば、当然ながらこういう流れになりますね。

先日、とてもタイムリーに某大手アパレルメーカーのえらいさんに会いました。

nanapon『アパレル業界大変ですよね。』
えらいさん『そうねえ。』
『デパートも大変ですよね。どんどん閉店みたいで。』
『はい、ほんとに。』
『ここのところの御社の業績はどうなんですか?』
『それがですね、かなり上がってきてるんですよ。』
『へ~。それはすごいです。』
『うちの商品はかなりデパートに卸してるんですけど、最近デパートの姿勢が変わってきてね。
前は、置いてやってもいい、とか、売り場小さくてもいいなら作ってあげてもいいよ、とか、掛け率は○●%じゃないとだめ、とか偉そうに高飛車に言ってたのに、最近は、商品出してくれますか?売り場広く作りますよ、とか、掛け率もそちらの希望でいいですよ、とかまるで態度が変わっちゃって・・・。(笑)』
『へー、そうなんですか。』
『だから売り場も拡大したし、利益率も上がってきたんで、特に何か新しい手を打ったということでなく、結構いい状況なんですよ。
それに競合が皆力が弱くなってる事もあるし。』
『はあ、それはよかったですねえ。』
『デパートがいくらダメだと言っても、まだまだスーツを始めとして、服はデパートで買うと言う人もいるんでねえ。』

とらんとらんさん、どうですか?
面白い現象ですね。
ずっと売り手市場で強気一点張りで来たデパートが、やっと弱腰というか普通になってきた。
「おせーんだよ、もっと早くそうしてれば、今みたいになってねーんじゃねーの?」
と言う声も聞こえてきそうだけど、この先、どうなっていくのやら。

この前テレビでそんなデパートの話をやっていて、スズキ自動車の鈴木会長が、
『当然ショッピングセンターになっていくんでしょ。』
って言ってましたけどね。
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