即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

羽生名人タイトル戦出場100回!

2010年08月05日 11時33分30秒 | 将棋
先々週の週刊将棋に出ていた特集です。

1回出るだけでも大変なタイトル戦をなんと100回も出場ということです。

日本各地だけでなく、海外も含め、前日の検分、前夜祭から、終局翌日の移動まで、どれだけ関係者に気を遣い、地元ファンへのサービスを重ね、盤上では歴史に残る死闘を繰り広げてきたことか。

体調のこともあるだろうし、我々ではわからないような苦労もあるはずだし、そんなことを考えていくと、クラクラして気が遠くなるような記録です。

大山十五世名人というこれまた別世界の人もいるけれど、
どのような角度から見ても、前人未到、誰も追いつけないような遙か宇宙のかなたのけものみちを1人突き進んでいるかのように思えてしまいます。

タイトル戦出場回数  
       出場  獲得  獲得率
1位 大山 112  80  71%
2位 羽生 100  77  77%
3位 中原  91  64  70%
4位 谷川  57  27  47%
5位 米長  48  19  40%
6位 佐藤  35  12  34%
7位 二上  26   5  19%
8位 加藤  24   8  33%
9位 升田  23   7  30%
10位 森内  18   8  44%

獲得率の70%オーバーも含め、TOP3はちょっと別格ですね。
歴史に残るというか、歴史を作ってきた3人です。

現在保持している3冠の防衛戦は決まっているので、すでに103回は確定。
大山十五世名人の112まであと9です。

そして獲得数では、大山十五世の80回にあと3つと迫っていて、歴代一位となるのはもう時間の問題です。

今までにタイトル戦に10回以上出たことのある棋士は、上記の人を含めて16人だけ。

羽生名人は約25年かけて100回。
平均1年に4回!
年4回もタイトル戦を戦って、それを25年も続けるなんて・・・。

大山十五世、羽生名人に次ぐ3人目の100回達成者は僕らの生きてるうちには絶対に無理なのでしょうね。
渡辺竜王でさえ10年で9回だから、このペースでは絶対に届かない記録です。

100回のうち77回獲得という記録も破格です。
現在までの通算勝率0.723を超えた0.770という獲得率。

1局毎の勝率でも481局戦って、313勝168敗の0.651。
その時代で一番調子のいい超一流棋士ばかりを相手にしてのこの記録も驚異的です。

棋戦別に見ると、
王座戦の獲得率が10割、勝率が0.844。
反対に、竜王戦は獲得率5割、勝率は0.472と苦手としているのが目立ちます。

スコア別に見ると、
全100回のうち、4ー0が10回、3ー0がなんと20回。
つまり3割はストレート勝ちでの獲得。
今回の名人戦もそうだし、こんなにたくさん相手は厚い壁にいやというほど打ちのめされている。
そして、主催者から「強すぎですよ。できればフルセットにしてほしかった。」とその度に皮肉(?)を言われているわけです。

勝った77回の中で見ると、約4割がストレート勝ち。
七番勝負では0.685。
これに対して五番勝負はなんと0.870!
1日制の強さが抜群に光っている。

ちなみにストレート負けは、100回のうちたったの1回だけ。
(2003年の竜王戦の対森内戦)

対戦相手別では、
      回数  勝敗  
谷川九段  22 16ー6
佐藤九段  21 17ー4
森内九段  11  6ー5
郷田九段   6  5ー1
久保二冠   5  4ー1
深浦王位   5  3ー2
となっている。

谷川九段、佐藤九段が抜きんでていて、森内九段は差をつけられているのはちょっと意外。
2回以上負けたのは4人だけ。
そして負け越している人は一人もいないというのも凄い。
(1ー1だけどタイなのが渡辺竜王と丸山九段のみ)

来月からは101回目のタイトル戦の王座戦が開幕。
18連覇中(負けなし)、5期連続ストレート勝ち、16連勝中という驚異的な連続記録更新中のタイトルに、久々登場の藤井九段がどう挑むのか。
1番返すだけでもニュースになりそうなだけに、ここはダメもと、開き直りでファンを沸かせてくれる将棋を見せてくれそうな予感がする。
101回目のプロポーズです。「僕は死にましぇん。」とばかり思いを遂げることができるのかどうか、楽しみです。)
(藤井九段は武田鉄矢か!?)

すべての面でこれほどまでに凄い稀代の名棋士羽生名人。
来月40代になるけど、この前人未踏の記録をどこまで塗り替えていくのだろうか。

羽生善治データベースサイト、玲瓏の管理人たいがーさんもやり甲斐もあるでしょうし、ずっと先まで歴史に残り後世の将棋関係者やファンの人たちから高く評価されるサイトとなることでしょうね。

次の一里塚は、112回と80回を超えることだと思います。

僕らに類まれな歴史の1ページを見せてくれつつ、一歩一歩がんばってほしいものです。
コメント (4)
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