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即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

女嫌いのわけ

2008年07月05日 00時16分25秒 | 外食
レストランを経営している友人の話。

最近特に女嫌いになったと、しみじみ。

そのわけは?

(もちろんそうじゃない人もいるけど)
お客さんの中で、嫌だなあと思うのはほとんどが女性。

例1:
ランチの時とか、混んでいても、待ってる人がいても、
食事が終わって悠然と一人で本を読んでる客。
まわりのことは気にしない。
お金払ってるんだから、何が悪いの?と言った風情。

例2:
10人で予約していて、5人しか来ない。
10人分の席をゆったり使っている。
1時間過ぎても、まだ残りの人は来ない。

お店は混んできて、待っている人もいる。

本当にいらっしゃいますか?と聞いても、
来ます、と言って平然としているのは女性。
男性は、悪いので、ここの席は使ってもらっていいですよ、と気兼ねして言ってるけど、女性は、もうじき来るから、と言い張っている。
別に予約してるし、お客だし、何が悪いの?っていう感じでまるで気になんかしない。

そして、結局来ない。

席が空いてるのに待たされている客は、店に不信感を持つ。

お店にとっては、明らかなチャンスロス。

さんざんな結果。

例3:
女性3人客。
料理を運んでいくと、かなり危ない下品な下ネタ話をしてる。
でも、まるで気にしない。
料理を運んできたのは、人間(男)ではなく、ロボットとでも思ってるのか。
普通、気にして、そんな話中断するだろ。
少しは気にしろよな。

まだまだいろいろあるらしいけど、そんな事例が度重なり、
ますます女嫌いになっているとか。

社会性がない、とか、空気を読めない、とか、自分本位、とか
もちろん女性全般の話ではないけれど、

そんな女性客が最近かなり目立ってきているとの話でした。

思わず「あんたたち、もう帰ってくれ!二度と来るな!」
と、叫びたくなる瞬間もあるらしい。

忙しくてちょっと被害妄想的なニュアンスもあるけれど、
なんと言ってあげたらいいのか。
難しいです。
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miel ドーナツ

2008年04月22日 00時36分49秒 | 外食
人気のクリスピー・クリーム・ドーナツのこと書きました。

先日、ヒーリングヴィラ印西にまた行ったとき、新しくできたショッピングモール、BIG HOPに立ち寄ったら、偶然こんなドーナツ屋さんがあったので、試しに買ってみました。

銀座プランタンにもお店がある《ミエルドーナツ》です。

特徴は油で揚げてないドーナツ。



「安心・安全。だから おいしい」ミエルのドーナツは「おいしい」と「ヘルシー」を、お客様にお届けする事ができるよう、常に厳選した安心・安全な食材を使用していきます。
・油であげず、ひとつひとつ手作りで焼き上げているからヘルシー。
・全品コラーゲン入り
・卵とバターは新鮮な素材を厳選して使用しております



こっちの方が、シンプルで甘くなくて、僕にはおいしいです。
しつこくなく、ナチュラルな感じ。

試してみてください。まだ4店舗しかないけど。

ふと、思ったんだけど、もう「ドーナッツ」って誰も言わないのね。
知らないうちに、「ドーナツ」なのかあ。
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行列好き

2008年04月08日 00時41分30秒 | 外食
凡人さん紹介していた超人気の《クリスピー・クリーム・ドーナツ》

相変わらず、毎日、有楽町のホームでは、大きな12個入りの箱を抱えた人がかなり目立ちます。
(混んだ電車では、邪魔なんだなあ、あれ。)

すいていれば一度買いたいとは思っていたけど、
先日うちの奥さんが、ついに買ってきて、やっと試食しました。
ほんの15分程度の行列で買えたとのこと。
(それ以上並ぶのは絶対にいや、と言ってた。たまたまそれくらいで買えたとのこと。)

買ってきたのは6個入りのこれ。

凡人さんは絶賛だったけど、

僕は、一度でもういいかと。

まあ、まずくはないし、もちもちっとした感触が今までのドーナツとは違うし、
なかなかうまいじゃん、っていう感じは感じなんだけど、

やっぱり、甘い、よ。

なんかアメリカっぽい。

そういう系統の味が好きならまあいいと思うんだけど、
僕はもっとさっぱりした甘くないものがいい。
全体的なイメージとして、しつこい。

凡人さんが
「なんで、そこまで並ぶのか。並んでいるから並ぶのか。」
と書いてます。
いくら美味しいからといって、
1時間半とか、2時間とか並ぶ根性が僕には理解できない。

まあ、あれだけ話題になっているので、
一度は食べてみたい、という気持ちはわからないではない。

でも、もしおいしかったからといっても、
何度も何度も(懲りずに)並んでいる人って・・・、
いるんでしょうねえ。
コメント (3)
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絶品チーズバーガー

2008年03月28日 00時22分26秒 | 外食
ロッテリアなんて、ついぞ行かなかった。

つい最近、キシリトールの仕掛け人、藤田康人さんのセミナーに行って、この「絶品チーズバーガー」の仕掛けの話も聞きました。

そして、翌日、当然、食べに行きました。
何年ぶりだろうか?

360円。高い。
オーダーしたら、5分ほどお時間いただきますとのことで、席に座って待つ。

来た。

ボリュームもないし、小さいな、これ。

そして、食べてみて、

今までのハンバーガーのイメージじゃない。

ビーフも、焼き方も、バンズも、チーズも明らかに違う。

野菜なし。変なソースもなし。

あのモワっとした感じがない。

肉もところどころ歯ごたえがある。

いやあ、これはなかなか食べれる

じゃない、満足して食べられるシロモノだ。

ハンバーガーってもの自体、ほとんど食べないし、食べたくもならないけど、
これならたまにはいいかも。

藤田さんの仕掛けの話、面白い。

新商品キャンペーンで10万人を動員するために、どうするか。

マックは大量のTVCFを打って、1千万人にリーチ。そのうちの1%の人に来てもらえば、10万人。
それに対して、ロッテリアは金もないので、1万人の社員・スタッフ・コアなお客様が、1人10人の仲間を連れてくれば、10万人。

そして、店舗を最大の媒体であることを生かし、活動自体をニュースにした話題性作り、そして、まず身近な人に食べてもらい輪を広げていくインフルエンサーマーケティングの手法。(スタート3日で5千件のブログ書き込み。)
そして、学生のマーケティングコンテスト。(下記)

今までのマス媒体を中心としたメディアミックスのやり方とは明らかに違います。

「口コミの作り方」、少し引用します。
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今回のテーマは“リアルとネットが融合した究極のインフルエンサーマーケティング”です。

 今回のロッテリアの“「おいしいコト伝えたい」プロジェクト”では、マス広告は一切行わず、ネットでのブログに加えマスPRとリアルのロッテリア店舗での活動を統合的に組み合わせるという新しいチャレンジをしました。

 そして私たちがインフルエンサーとして選んだのが、店舗でサービスを提供する「メイト」(店舗スタッフ)と地域のお客様代表としての大学生です。

 このプランで最も重要な役割を果たすのは、学生の取り組みです。我々は、学生のモチベーションと想像力を最大限に引き出すため、「学生マーケティングコンテスト」として学生たちに5つのチームを編成してもらい、マーケティング上の3つの課題についてその知力・行動力を競ってもらうことにしました。

 その3つの課題とは

キャンペーンブログでの、各チーム記事の閲覧数(認知獲得)
協力店舗における試食チケット回収枚数(販促効果)
協力店舗における新バーガー販売個数(販売実績)

です。各課題について1~5位まで順位に応じて得点を付与し、最終的に3つの課題の合計点で優勝チームを決定します。

 まずはマスPRで大きな情報の露出を仕掛けました。

 製品発売の前日11月29日の夕方のニュース番組の日本テレビ放送網「リアルタイム」で“絶品チーズバーガー”の開発ストーリーが放映されました。

発売日当日の朝の番組の日本テレビ「スッキリ!!」、フジテレビジョン「めざましテレビ」「とくダネ!」、テレビ朝日「やじうまプラス」に加え、日本経済新聞、毎日新聞、産経新聞、の各紙で一斉に新製品発売を露出させることに成功しました。
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学生5チームの取り組み

【上智大学】

 上智大学の戦略はとにかく「足を使う」ということです。担当店舗近隣の大学やお店、先輩が務めている会社のオフィスに顔を出し、インビテーションカードの配布を行い、さらにはデリバリーを請け負うこともしています。

【学生選抜】

 複数大学の有志によって構成されているこのチームでも、やはり学生ならではのフットワークを活用した販促活動を行っています。彼らのユニークなところは毎朝7時にチームメンバー数人が店頭に立ち、出勤途中のビジネスマンに大声で挨拶をしている点です。これだけで入店してくれる人は少ないのですが、狙いはそこではありません。

 通勤時間が終わる頃から、営業活動を開始します。担当店舗近隣のオフィスを訪問し、営業をかけるのですが、応対してくれる方は、大抵彼らが早朝から挨拶していることを知っていて、好意的に接してくれるそうです。そこで彼らはチームブログのURLやQRコードによる携帯電話用クーポンが印刷された名刺を渡し、そのうえでデリバリーの注文を取ります。常にデリバリーのオーダーをもらえるわけではありませんが、ブログを見てもらう機会や、携帯電話用クーポンを持って来店する機会を広げています。

【東京大学】

 店舗への集客に力を入れているのが東京大学のチームです。彼らが担当店舗とコラボレーションをすることになった時、一番初めに考えたことは「居心地のいい空間」を創り出すことでした。
 具体的には、チーズバーガーをおいしそうに食べる人の顔をデジカメで撮影して、プリントアウトしたものを店内の入口一面に張ることなどで、お客様と一体になってチーズバーガーを盛り上げていく空気をつくり出す、といったことを行っています。

 この「居心地のいい空間」作りと並行して、「御茶ノ水にロッテリアがある」ということをアピールするため、様々なイベントも行っています。例えばある日、朝8時から個数限定で大試食会を行い、およそ60人の行列をつくりました。

 これにより通勤、通学途中の人に印象づけることができたそうで、実際、営業のため訪問したオフィスで「朝、行列やってたよね」と声をかけてもらえたそうです。ほかにも就職活動生を対象に、チーズバーガー片手に就職内定者との懇親会を開催したり、予備校生を対象に東大生ならではの「受験虎の巻」を配布するなど、担当店舗の地域特性に合わせた企画により、認知度を高め、ファン増を狙っています。

【慶応大学】

慶応大学チームはブログへの流入を増やすため、現役の慶応生やOB/OGの著名ブロガーにアプローチし、大々的にチームのブログを紹介してもらっています。同時に一般のブロガーやSNSにコンタクトを取り、自分たちの活動を紹介してもらえるよう取り組んでいます。

 頻繁にブログに訪れてもらえるよう、コンテンツは5種類用意しました。その中には著名人の慶応OB/OGを訪問し、実際にチーズバーガーを食べてもらうまでを実況するといった、ユニークなコンテンツもあります。

 さらにこの5コンテンツを毎日定時に更新し、それをブログ閲覧者に明確にすることで、閲覧者が頻繁に訪れ、また複数の記事を見てもらえるような工夫をしています。

【早稲田大学】

 早稲田チームは「私たちは頑張るアナタを応援します!!」をテーマに活動を進めています。彼らは、このテーマに基づき、ブログへの誘因による商品の認知向上と店頭での販売促進の2つに力を入れています。

 まずブログでは、何よりもより多くの人に新商品を認知してもらうために、ブログへの訪問者を増やすことに注力しました。そこで行ったのが「The Straight Contest」です。

これは、「早稲田で一番、まっすぐ真面目に頑張るストレートな男を決める」コンテストで、4人の候補者の写真とプロフィールを大学内外の様々な場所に掲出し、人々の投票により優勝者を決めるというものです。投票はPCから投票用のURLにアクセスするか、プロフィールとともに印刷されているQRコードに携帯電話からアクセスする形になっています。このアクセス数で優勝者が決定するのですが、投票時にアクセスしたページが早稲田チームのブログになっています。投票後に表示される画面を見ると、お礼とともに新商品が表示されているわけです。

 店頭での販促活動では、朝早くから頑張っているビジネスマンを応援する企画「行ってらっしゃいキャンペーン」を実施しています。

 これは、毎朝6時からチームメンバーたちが店頭に立ち、出勤途中のビジネスマンに無料で温かいコーヒーと手作りのメッセージカードを手渡しするというものです。手渡しする際には「朝早くからお疲れさまです。コーヒーいかがですか? 今日も頑張ってください」と声をかけるのです。手渡しするカードには学生選抜チームと同様にQRコードによる携帯電話用クーポンが印刷されているのですが、同時にチームメンバーによる手書きの応援メッセージが書かれています。

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 これらの“究極のインフルエンサーマーケティング”の結果、“絶品チーズバーガー”は事前の予想をはるかに上回る販売実績を上げています。

 口コミはやはりコンテンツの強さと伝える人の熱意が必要です。

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学生たちがそれぞれ工夫を凝らし、汗を出し、楽しみながら競っています。
そしてこれは実際の集客の経過、結果がすぐわかるので、どれだけ自分たちの知恵や力が通用したのかが目に見えるわけで、学校での座学よりもとてもいい勉強になったと推測できます。

時代は明らかに変化しており、従来どおりの手法ではモノが売れなくなっています。
ウェブ2.0がもたらした新たなコミュニケーション手法。

インフルエンサーマーケティングの方向にどんどんシフトしていくんじゃないかと思っています。
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あるファミレスで

2008年03月16日 01時30分18秒 | 外食
最近はいろんなところでこうなってるって聞いたことあったけど、初体験。

いつかの週末、妻と二人で車で(妻が運転)某ファミレスへ食事に。

生ビールひとつ、と、○○と、・・・・。

(愛想のない)店員(にこりともせず暗い感じで)「運転は大丈夫ですか?」

言い方も言い方だったので、

「別に大丈夫だけど、なんで?」
「・・・・・。」
「余計なお世話でしょ。車の人にはビール出さないってこと?」
「いえ・・。お持ちします・・・。」
「誰が飲んで誰が運転するって、ここで言わないといけないの?」
「いえ・・・。そんなことは・・・・。」

もっとつっこんでやろうかとも思ったけど、やめにして。

まあ、お上からのお達しなんだろうけど、
お客に対して、確認したり注意したりしないといけないの?

駐車場のあるところで食事して酒頼むと、行政指導として、
こう言え、ってことになってるの?

でも、それやるんだったら、ファミレスとか居酒屋とかだけでなく、
フレンチとかイタリアンとかの高級レストランも、ホテルのレストランだって、
全部言うってこと?

まあ、店員の態度や言い方がすべての問題ということではあるけど、
いまどきのバイトは、しつけも教育もモチベーションも全然関係ないから、

あんたたち車で来たんでしょ?
酒頼むってことは誰が飲むわけ?そいで誰が運転すんの?
まさか飲んで運転するなんてことないよね?

客をまるで信頼してなくて、こんな尋問してるようなニュアンスに聞こえたりもする。

法律とか、行政指導などの運用の仕方なんだろうけど、
すべてがマニュアルの中で行われている世界ではこうなってしまう。

本来の意図や背景や目的を理解する事の方が何十倍も大事なのにね。

「お酒を頼んだ人には、こう言うように。」
「はい。わかりました。」

それがすべてなんでしょうね。寂しいなあ。
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卯波

2008年01月18日 01時29分56秒 | 外食
会社の近くにある古くからの名店が、今月末、時代の波に飲まれて、閉店します。

鈴木真砂女って知ってますか?

羅(うすもの)や  人悲します 恋をして

などなど、恋の句となればこの人、という俳人。

僕は俳句の世界は全く疎くて、知りませんでしたが、丹羽文雄の小説「天衣無縫」や瀬戸内寂聴の「いよよ華やぐ」に書かれてもおり、つとに有名な人のようです。

どんな人かと言えば。
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 明治三十九年、千葉県鴨川市の老舗旅館(現在の「鴨川グランドホテル」)に三姉妹の末娘に生まれる。昭和四年、二十二歳で日本橋は問屋のお坊ちゃんと恋愛結婚。女児を恵まれるも、夫は花札賭博に狂った果てに失踪。十年、実家の旅館を継いだ姉の急死に遭い、父母に説き伏せられ、義兄と結婚。家のためを考えてである。夫は良い人だ。だがどうしても好きにはなれない。
 女将稼業は些事多忙だ。鬱々とした日々がつづく。そんなとき真砂女は俳句と出会うのである。亡き姉は俳句の書き手だ。その縁で誘われるまま打ち込む。

  過去は運にけふは枯野に躓けり
  夫運なき秋袷着たりけり

 運に見放された幸薄い女。真砂女は辛いばかりの胸のうち思いのたけを作句に託す。そして女将になって二年後、三十歳のとき事件がある。

  口きいてくれず冬濤見てばかり
  男憎しされど恋し柳散る

 恋の相手は客の一人、七つ下の海軍士官。すでに妻があった。十三年四月、真砂女は家出する。折しも日中戦争たけなわ。愛しい人は長崎の大村に転属していた。ただもう士官さんを一目みたさ。鞄一つ持って下関行の特急に乗っていた。やっと彼に会えたが、喜びもつかの間、すぐに別れの時がくる。恋人は戦地へ行く。自分は主人の許へ。夫は黙って妻を迎え入れた。それどころか「家出の褒美でもあるまいが、二カラットのダイヤの指輪を買ってくれた」(「家出事件まで」)。

  鏡台にぬきし指輪や花の雨

 あるいはそのダイヤのだろうか。はたまた結婚記念のものか。真砂女は指に光るそれを鏡台に雨の音をききすむ。またこんな句もみえる。

  罪障のふかき寒紅濃かりけり

 罪障は成仏往生を妨げる罪業。寒紅は寒期に作る色鮮やかで美しい口紅。その背負った罪の意識のほど、あえて派手に紅を引き化粧する。
 ここに掲げる句をみよ。「人悲します」の人とは、相手の妻、さらには、自分の夫。どちらにも詫びようもない思いをさせた。もうこのまま自分を偽って生きてゆけない。
 三十二年、五十歳で離婚。裸同然で家を出た真砂女は銀座の路地裏に、カウンター九席、奥に小部屋が二つの小料理店「卯波」を開く。店名の由来の一句。

  あるときは船より高き卯浪かな

「人生も浪の頂上に佇つときもあれば奈落に落ちることもある。そして又浮かびあがる」(「銀座「卯波」開店」)。この明るさ。真砂女の人柄もあって、文人、俳人が出入りし店は繁盛する。

  黴の宿いくとせ恋の宿として

 初めてのアパート住まい。六畳一間。真砂女は振り返る。「……遂にボロボロ涙が出て来て情けないやら、みじめやらで何べん泣いたことだろう。しかしこのアパートの一年間の生活は私にとって幸せを噛みしめた一年であった」(「同」)じつはそこで恋人と一緒だったのだ。そうなのだが幸せは長くつづかない。

  幸は逃げてゆくもの紺浴衣

 どうしたって男には妻がいるのである。真砂女は言う。「この一年に生涯を賭けたようなものである」。一緒には住めない。だがしかしなお歯痒いような関係はつづいている。そうして突然、終幕がきている。
 五十一年、恋人は脳血栓で倒れ、以後植物人間になる。翌年、一度も見舞うことも叶わぬまま、愛しい人は逝く。

  かくれ喪にあやめは花を落としけり

 「かくれ喪」とは哀しい、真砂女の造語。「お寺の門の表の暗がりに佇ってひそかに一人で通夜をし、葬儀の焼香は彼の友人が夫人の了解を得てお別れが出来た。……私は南国の海辺生まれの陽の性格、彼は北陸の雪国生まれの陰の性格であるが、自分ではどううまがあったかわからない」(「句のある自伝」)
 愛人関係で四十年間。ようやく恋は終わった。真砂女は品のいい和服に帯をきりりと締めて店に出て、以前にもまし笑い顔を振りまいた。八十歳を超えて詠んでいる。

  今生のいまが倖せ衣被

「自分の長い人生をふりかえってみて、そして今生の句が生まれた。嘘、偽りのない現在の心境である。……過去の修羅は己が招いたもの、これを捨て去って久しい」(「同」)
 平成十五年三月、長逝。享年九十六。
--------------------------------------

ほんと、波乱万丈の人生ですね。

そんな真砂女が50歳の時に離婚し、銀座1丁目の路地裏で始めた小料理屋が、この卯波

カウンター9席、奥に小部屋が2つというだけの、本当に小さな店です。

会社の本当に近くでもあり、なんとなく知ってはいましたが、2年ほど前、文藝春秋のえらい人に連れて行ってもらい、初めて入りました。

さすがに、多くの文人、政治家、財界人が、通っているようです。

店の外には「卯波」という看板が出ていますが、この名は真砂女の代表句

  あるときは 舟より高き 卯波かな    

からとったものとのこと。

そして、
「江戸以来、俳句は「ゆとり」、「あそび」の世界を主たる対象としてきました。生活感の排除をもってよしとする傾向すらありました。その中で、真砂女は実体験の切なさをもとに、『男女の愛の句』という新ジャンルを開拓したのです。」

   幸は 逃げてゆくもの 紺浴衣

恋と俳句に人生を賭けた、と言えるでしょうし、ラテン系のような情熱溢れるパワーを感じます。

 先日の朝日新聞に大きく取り上げられました。

現在、卯波は真砂女の孫宗男さんが経営しています。
宗男さんのブログ、《店主のぼやき》です。

昨年11月の記事、《まだ少し時間はありますが、閉店のお知らせです》

*****************************************
「結果から申し上げると、卯波は一月末での店舗明け渡しが決定しました。
七月に退去の申し入れを受けてから、こちらも弁護士を立てての交渉を続けて参りました。
しかし、やはり建物の老朽化はいかんともし難く、裁判に持ち込んだとしてもこちらが勝利することはまず見込めないであろう...という結論に基づき、今回の合意となりました。

まことに残念ではありますが、その土地に根付いているものは二世代で追い出し新しいものに取って変えるのが、日本の相続税制の基本理念である以上、仕方のないことでもあるのでしょうか...

その後のことについてですが、今は退去が決まったばかりでもあり、まだ全くの白紙です。
移転をよく言われますが、卯波はあくまで真砂女のお店。
お店だけでなく、周囲の土地全てに真砂女の思いが残っています。
ですから、ここが駄目なら別の場所へというようには簡単には割り切れません。

私にとって真砂女が大事にしていた卯波を守ることが大切であったわけで、そのために懸命に努力をしてきました。
真砂女と私の40数年来の思い出が詰まったこの店を失ったあと、自分が何を目指すのかは、今は正直良くわかりません。」

「それから、閉店後の1/27(日)に、不要品のガレッジセールを行います。
まぁ大した物はないですけど、卯波の記念に何か一つ...と思われる方はどうぞいらして下さい。
意外な文房具とか調理道具などもありますよ。
大体お昼くらいから始める予定でいます。」
**************************************

時代の波、と言えば簡単ですが、
想像するだけで、熱く複雑ないろんな思いが店に詰まっているのでしょう。

年明け早々に、電話しましたが、もう閉店まですべて満員とのこと。

そして、最近は見物に来た人、入りたくても入れない人、などで、店の周りは多くの人がうろうろしています。

惜しまれて、惜しまれて、こういう店がなくなっていくんですね。

鈴木真砂女に対して、
彼女の句に対して、
この店で過ごしたそれぞれの時間に対して、

いろんな人のいろんな思いが、
今銀座一丁目の空に、
くるくるくると渦巻いているようです。
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エポックメ-キング

2008年01月14日 20時44分22秒 | 外食
川島さんの最近の記事、《エポックメーキング。》

エポックメーキングな発見。

『何か特別なことが「起きる」のではなく、誰かが能動的に、画期的なことを「起こす」イメージ。』だそうですが、全然レベルの違うエポックメーキングな話2つ。

昨日、中国ラーメン「揚州商人」に行きました。

ほとんど中国人の店員で運営されているこの店。
開店当時は週末などいつも大行列、駐車場待ちの車も行列で、とても入れる状態ではなかったけど、最近まあまあ入れるくらいの混雑状況になりました。
一番人気はこのスーラータンメン。


そこでのこと。
隣の若者二人が、ラーメンとチャーハン、そして、ここの名物でもある杏仁豆腐を二つ、注文しました。
そして、最初に持ってきて、と。

まあ、気にもせずにいたところ、
最初に出てきた杏仁豆腐、二人とも、食べ始めました。
完食!

そして、その後にきたラーメンとチャーハンを食べていました。

うーん、食べ方は別に自由だけどね。

こんなの初めて見ました。

こういうところで使うのではないかもしれないけど、

エポックメーキング!

次にこれ。

隣のテーブルの下のところ。

テーブルの足がガタガタしてたんだろうことはわかるけど、

これ?

割り箸のまんま!

これじゃ、客も店員もつまづくんじゃないの?

いろいろ書いている台北レポートにも通じる話だけど、大雑把というか、テキトー、というか、気にしないんですね。

うーん、これもエポックメーキング!

足の下にかませたら、不要な部分は折って除けばいいんでないの?

そういう発想自体ないんだな。

テーブルがガタガタいわなければそれでいい。

デザートは料理の後に食べる。
テーブルがガタガタいうようなら、足の下(だけ)に何かをかませる。

こういう固定観念を持ってること自体、だめですね。

人生いろいろ、世の中十人十色。
地球は広いし、いろんな価値基準が溢れている。

勉強になりました。
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銀座で寿司

2008年01月06日 02時19分37秒 | 外食
年末の話。

クリスマスということで、銀座の鰤門というお寿司屋さんにちょっと贅沢なランチを食べに行きました。

握りランチ2800円
前菜3品
握り8貫
お椀

お勧めです。
江戸前な感じではなく、落ち着いた雰囲気の中で、味もサービスも文句なしです。



まだまだ知らない美味しいお店、たくさんあります。
いつものお馴染みのところばかり行ってちゃだめですねえ。
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これぞホームパーティ

2007年11月19日 22時51分49秒 | 外食
先輩Mさんのお宅で、夫婦5組が集まって、絵に描いたようなホームパーティがありました。
もともと先輩ご夫婦と一緒に、軽井沢のカフェカームのNさんご夫妻を訪ねた時に持ち上がった話。
時々東京に帰ってくるのなら、一度うちにおいでよ、と、いう話になって。

もともとMさん宅は、外人も含めてお客さんがたくさんお見えになり、奥様がものすごく料理上手。
それも器も含めて、絵に描いたようなパーティ料理。
もちろん見かけだけでなく、本当に美味しくて、心がこもってる感じ。


しかし、この日は、以前全く料理なんかしたことのないMさんが、社内のKさん(これもおじさん)に習って、つい一ヶ月前から始めたとのこと。
まだレパートリーはたったの二つ。
それをこの機会に皆にご披露したいとのこと。

上のラタトゥーユと、下の牛肉の赤ワイン煮込み。

皆、不安丸出しで、強力胃腸薬持参とか、命がけで参加、なんて冗談を言いながら集まったのだけど、これが、絶品でした。
先生がよかったのか、ご本人にもともとの素養があったのか、定かではないけど、お世辞ではなく、初心者でもここまでできるのかと再認識。


素敵なお宅で、昔からよく知っている人ばかり。
ふんわりとした優雅な空気と時間の中で、
明るい話ばかり会話も弾み、こんなに大笑いしたのは久しぶり、という楽しい一夜でした。

料理の先生Kさんから、次はnanaponさんの番だから、一人前のシェフになれるよう、しっかり指導します、なんて言われちゃって、やばいことになりそうです。
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幸せな人々

2007年11月02日 00時48分12秒 | 外食
先週末、近くに2度外食に行きました。

三笠会館のアジオつきじ植村

ファミレスよりもちょっと客単価も高いし、落ち着いた雰囲気。
週末のちょっとした贅沢。

そこで両方ともこんなことがありました。

近くに三世代の家族が。

小さな子供がいて、大声で泣き叫ぶ。

結構いっぱいの周りの客が一斉に視線を向ける。

優雅な休日の外食のひとときが、一変。不快な時間に変わる。

その三世代の家族は、どうしたか?

おばあちゃんからおかあさんから、皆で子供の方に集中してる。
あやそうとしている。

『はい、だっこしてあげる。』
『だっこいい、ぎゃーーーーー。』
『じゃ、ジュース飲む?』
『ジュースいい、ぴーーーーーー。』

でも誰も周りの視線なり、なんだよー、という雰囲気なり、全然気になんかしてない。

あんたたち、かなりの注目浴びてるんだよ、って、ことが、まるでわかってない。

ただただ可愛い子供(孫)にだけ集中している。

『あら、どうしたの?いい子いい子。よしよし。』
おとうさんまで参加して、泣いててもこの子可愛いよなあ、って感じ。
完全に自分たちだけの世界。

昔なら、毅然としたおばあちゃんが、荷物を抱えるがごとく、外に連れ出しているはずなのに・・・。

ここは家じゃないんだよ。

子供が走り回ってもまあ仕方ないファミレスでもないんだよ。

まわりはこんなに迷惑してるんだよ。

なんで気づかないの?恐縮しないの?

ほんと、一家揃ってそうなわけ?

ずっと泣き叫んでいる。

一刻でも早く泣くのをやめさせるような必死感もない。

さすがに、あまりにも止まらないので、つきじ植村の時は、座っていた禁煙席はいっぱいだったので、食事途中だったのに、喫煙席の空いているところ(一番その一家から離れている席)に席を移動してしまった。

そんなことを知る由もなく、一家団欒のひとときを過ごした家族は、楽しそうに帰っていったのである。

空気が読めない。

空気を読まない。

電車の中の携帯や化粧の話も然り。
ビジネスの世界でもよくいるアホなやつ。

別の話だけど、今日電車で、大きな荷物をどかんと自分の座席の右側に置いて平然と座っているおばさん。
左側のちょっとしかないスペースにおじさんが悪そうにお尻を割り込んで座った。
その時のおばさんの顔。
「なによ、この失礼なオヤジは?こんな狭いところにずうずうしい。」
って目が言ってる。
そして、一度でなく、まるで汚い物でも見るような顔つきで、おじさんの顔をにらみ付ける。
「きゅうくつじゃない、無理やり座らないでよ、勝手な人ねえ。」って感じで。

『座席は荷物置くところじゃないですよ、網棚に乗せましょうか?』
って言ってやりたくなった。おじさん可愛そう。

しかし、おじさんも、何も感じてない。
おばさんが荷物置いてるからきゅうくつになってるってことも感じてない。
にらまれていることも感じてない。
ちょっときゅうくつだけど座れてよかった、ってだけ。
本来なら、あんたが荷物置いてるのがいけないのに、それでいて人をにらみつけるとは、なにごとだぁって、激しい視線のバトルが繰り広げられてもいいのに、おばさんが勝手にカリカリしているだけ。

なんだろうね、こういうの。

皆、結局なんだかんだ言っても幸せなの?

ほんと、《KY》流行りの世の中。

どんどんKYパワーが増殖している。

そして、「鈍感力」って言うのもある。

敏感で、繊細で、気にして、気を遣って、神経質な人は、
どんどんストレスたまって、メタボになり、鬱病に近づいていく。

鈍感なほど幸せ。
KY礼賛。

楽しくおおらかに、マイペースで行こう。

末永くお幸せに
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