The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1999 シャトーヌフ・デュ・パプ シャトー・ド・ボーカステル 

2014-08-15 11:14:07 | ワイン
めったなことではローヌを開けないワタクシですが、
シラー、グルナッシュ好きの次男坊にかかっては、このワインを開けることに・・・

まあ1999年物ですので、熟成感においての期待値は大きい物がありました!



実際コレを開けるや否やの、立ち昇る香気の複雑性は、
いわゆるココの造り手のブレットOKによるニュアンスだけではなく、
醸造においての仕掛けがそうさせているのだと思った!

『シャトー・ボーカステル』はシャトーヌフ・デュ・パプのAOCで認可された、
13葡萄品種を全て使用している。

それはムールヴェードル30%、グルナッシュ30%、シラー10%、
クノワーズ10%、のほかにサンソー、ヴァケラス、テレ・ノワール、
ミュスカルダン、クレレット、ピクプール、ピカルダン、ブールブーラン、
それにルーサンヌ・・・

このセパージュをみるだけでも、意味ありの混醸で、
シラーとムールヴェードルだけは蓋の無い大樽で、その他はコンクリートタンクにて発酵、
マロラクティック発酵の後ブレンドをし、
オーク熟成1年間、瓶熟1年間の後リリースされるとのことだ・・・

さて実際飲んでみる段では、まずは色合いを眺めると、
わずかにマフォガニーのエッジは見えるが、健全なガーネットの輝きは実に美しい♪

グラスに注いで軽くステアーしてみると、ニュアンス多い艶かしい香気が立ち昇る。
まずは、黒胡椒に甘草にオールスパイス、なめし皮にトリュフに麝香が来る!
そして僅かにドライ感を絡めたブラックフルーツのアロマを感じ、
そこにフェロモン様の色気のおまけつきと来たもんだ・・・

味わいはコクがあっても、あくまでもピュアでクリーンな果実を保ち、
基本スタイリッシュだが奥行きを感じ取れる独自のバランスなんですね・・・

もちろん、今少しの熟成期間があれば、なお良いのだろうけれど、
ココの切り口で、実に複雑極まりない熟成ヌッフを堪能できた。

考えてみると、この上に『オマージュ ジャック・ペラン』があるというのだから、
この造り手の底力に、心底敬服せざるを得ないということだ・・・