The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

西麻布『レフェルヴェソンス』その7

2014-08-05 22:36:37 | ワイン
岸田ソムリエがこの中からいかがでしょうか?と出された3本の中から、
『1999 ヴォーヌ・ロマネ レ・ブリュレ ルネ・アンジェル』を選んだ。

他の2本は、名だたる造り手の90年代中盤のグランクリュであったのだが、
あえてこのワインを選んだわけだ・・・



その理由の一つは『レ・ブリュレ』の中庸の酒躯と、それに備わるであろうエレガンス!
もう一つは、おそらくこんな素晴らしいシチュエイションで、
ルネ・アンジェルを拝めるチャンスなど、これからいくら待っても望み薄に違いない、
という算段だった・・・

既に皆さんもご存知かと思うが、ここのドメーヌは、2004年が最後になった。
今はかの『シャトー・ラトゥール』の所有となって『ドメーヌ・ド・ユージェニー』として出されている。

『ルネ・アンジェル』の当主は1981年からフィリップとのことで、
99年は彼の油の乗った時代といえるのだと思う。

そして『レ・ブリュレ』薫り高く、飲み頃が早く訪れる!
99年という、ヴァン・ド・ガルドであるが、このプルミエならいけそうだ、と踏んでいた。

結果、実に神々しい香気を放ち、果実も練れて、甘くトップリと解けている。
ヴォーヌ・ロマネの2つのグラン・クリュの濃密度には及ばないものの、
その分味わいの潔さが、次のレザムルーズに繋がるわけだ!

このワインは心底『ルネ・アンジェル』の思い出の一本になったと思う!

西麻布『レフェルヴェソンス』その6

2014-08-05 13:28:51 | ワイン
この日の全ての料理の流れの中で、『フォアグラのナチュラル・・・』は特にも輝いていたと思う!



それは実にソフトで、しなやかで、密やかな感動を伴い、
更にその味わいは、オドロキをもって迎えられたものであった。

ナチュラルと称するとおり、フォアグラの舌触りは、あたかもバターを舐めるが如し!
口腔に含むか否かで、雪解けのように解けてしまう。

その味わいは日本酒のジュレによって、
瑞々しい完熟白桃とこの世のモノとは思えないほどの、涙もののアンサンブルを構築し、
そこから赤ワインへの序曲となって、粛々と最後のメイン・ディッシュへと誘うのであった。

一方では『02’ムルソー・シャルム ラフォン』をシッカリと握り締め、
もう一方では『99’ヴォーヌ・ロマネ レ・ブリュレ ルネ・アンジェル』の香気に陶酔し、
間髪入れずに、フォアグラを口に含むやこのラヴィリンス・・・



はて、これ以上の至福ってあるのでしょうか?