普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

農業および農協の抱えている問題と民主党内野党

2011-11-22 17:29:19 | 農村問題
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 昨日の「たけしのTVタックル」で「TPPで農業が壊滅する!? 食の安全の危機vs(秘)既得権益…JA幹部vs改革派農家が激突!! 農家より農業を守れ!! 減反&戸別所得補償…補助金バラマキ(秘)票田!?」と言う物物しいキャッチコピーで、TPP賛成側:法政大学教授の萩谷順、農業法人新鮮組の岡本茂明、民主党金子洋一、反対側:同党の原口一博、JAグループ宮城の会長の菅原章夫、漫画家の江川達也に、勝谷誠彦の各氏に三宅久之さんによる討論が行われました。
 現実はテレ朝の意向もあったようですが、TPPは話しの入り口で、萩谷さんの今までの農業問題の解説と、現在日本が抱える農村問題が取り上げられました。
農業の基本的な問題
・占領軍が小作農廃止したのは良いが経営効率の悪い小規模の農家が残った
・しかも農地の転売と賃借を禁止した「農地法」が農業再生の大きな障害となっている
・日本政府の高い米価の保持政策と減反政策
・ウルグアイラウンドで農産物輸入の緩和政策とした6兆円補助金が支払われたが必ずしも農業の強化には使われていない
・上記の諸問題による農業の弱体化
・農家の高齢化と人口減少が進んでいる
農協の問題
 この問題で議論の主導権を握ったのは自ら日本と中国で農業を行い、農産物を中国に輸出している新鮮組の岡本さんの農協批判でした。
・農協は戦後の農地改革に始まって、農協は国の農政転換の実施機関
 特に小作農からいきなり自作農へ変わった人達の指導、育成
・その間、政府自民党と癒着、票田として機能し高米価政策を推進した
・農協は単なる仲介業者であり一般への小売りをしていないので、農家のリスクヘッジの機能はない。詰まり農協は農家が幾ら苦しんでも損をしない仕組みになっている。
・農家の多くがTPPに反対なのではなく、農水省や農協などの周辺利権が反対している・灌漑用水の利権を農協が独占
・米の中国への輸出は、農協が独占している。(全農神奈川工場のみと法律で規定)
・農協は政府補助金の利権となっており、高コスト体質が定着化している
・農協の売る農業機械やコンバインなどの使用料より、個人で購入したり設備を設ける方が安い。
それに対する原口さんの反論
・農協改革は党内で議論している
・規模拡大して農家の数自体を激減させれば農村自体が成り立たない。農家が一定以上あっての農村だ。(原口さんは言いませんでしたが、大規模農家と棚田のように小規模農家も混在すべきだと考えているのでしょう。この考えは賛成ですが、現実は高齢化のために農家の減少は着実に進んでいます。原口さんもこのことが判っている筈ですから、その対策を言うべきです。)
・農業を単に既得権からのみ論じるのは一方的だ。(農協が既得権益を護ろうとしているのは事実だ。)
・兼業農家が多すぎて悪いというのも偏った見方だ。
・今までは農業団体を通じて補助金を出していたが、農家の個別所得保障制度で農家に直接金が渡るから既得権化することはない。(同制度が農業の大型化を妨げているのも事実。)
対策
岡本さんの意見

・米国の大型化の脅威を言うが、日本の地形や豊富で綺麗な水をを活かした農産物で勝負できる。
・農協は農家ばかりに犠牲を払わせないで、流通業まで手を伸ばしてリスクを自分で負うべきだ
私の意見
前に何度も書いていますので簡単に書きます
・日本が誇る工業の生産性向上のノウハウを農業にも活かすべき
・田畑を二毛作や昔のような畦道などに大豆を植えるなどして、農業機械と同じ生産資材としてその生産性を挙げるべき
・南北に長い日本の国土を活かして、人手や農業機械の全国への移動使用を図るべきだ
・農村への一般工場の立地で農村への若者の流入や季節毎の農業と工業の相互応援
・農産物の価格決定を流通業者に任せるのでなく対等の立場で交渉に当たるべき
・そのために出来るだけ大型化が望ましい
・そのためには一般の工業・流通業者の参入ばかりでなく、今までの農家や農業との関わりの大きい農協の改革とその生産性の向上を図るべき
・日本の複雑な地形に伴う、棚田や傾斜地の地形にあった細かな農業の振興策も考えるべき
 そのためには今までの地産地消、農家と消費者の結びつき強化、ネット販売や直売所の販売、大分県大山町の「梅を売ってハワイに行こう」のように農産物の変更。
・それでもどうしてもついて行けない高齢者への支持の強化
 それと老登山の愛好者としての私の思いつきですが、山林の下草刈りや間伐材などの除去に、登山の愛好者をボランティアベースで動員してはと思うのですが。
 登山者の中にはより難しい山登りや、岸壁登攀に命を掛ける人もいますが、私のようにシンプルに自然に浸りたいという人や、山の里人に触れたいという人も多いと思います。
 交通費自弁、宿と飯付きでの条件でも希望者は多いと思うのですがどうでしょう。
・民主党内野党の動き
 私は前にツイッターで、「民主党内野党の人達が野田さんがTPPを表明したら離党も辞さないと言っていたが99%はいないと思っていた。現実はゼロ。私の読みが甘かった。反対の理由は農業問題だが、TPP参加の有無に関わらずこの問題は避けて通れない。反対者からこの問題に取り組む人は何人いるだろう。私は90%は頬被りすると思うが、この読みは当たるだろうか」
と書こうと思っていましたが、時期遅れで出しませんでした。
 民主党内野党から何%の人から農村改革の話がでるのでしょうか。
 反対は単なる選挙対策で終わりはしないでしょうね。

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参照:カテゴリー→農村問題

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (あき)
2011-11-22 19:28:02
 あなたは農業を論じない方がよいでしょう。不得意な分野です。
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Unknown (Unknown)
2011-11-23 05:35:19
>現実はゼロ

野田はまだ交渉に参加するとは言ってない。ということになっているわけだからね。OK?
返信する
山下一仁氏の論文が参考になります (遠州報國隊)
2011-11-23 13:12:05
「構造改革派」の農水官僚だった山下氏の論文が参考になると思います。タイトルを紹介すると

「農業界こそTPP推進で市場確保を」
「関税引下げと食料自給率向上を両立させる農政改革」

というものがあります。詳しくは

http://www.rieti.go.jp/jp/fellow_act/allcategory_top10_yamashita-kazuhito.html

からどうぞ。
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