普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

その場凌ぎの政策さえ出来ない民主党政権(2)・農業改革

2011-01-06 12:55:22 | 農村問題

 昨日「何を話すか菅総理・「報道ステーション」」を書きましたので、責任上?実際に聞いた感想を書きます。
・良かったことは、昨日書いたNHKの麻生さんのインタビューで漢字の読み違いなど些細な事ばかりで時間をつぶされたのに比べると、今度は大半の時間が政策問題に費やされたこと
・残念だったのは、菅さんが折角のチャンスに自分の意見を国民に訴えようとしなかったこと、古館さんの質問に明らかに逃げの姿勢が目立ったこと(私は民主党政権の政策の殆どがピンボケしているからと思いますが。)
 そのため読売が消費税に意欲ととりあげた以外は各紙とも無視またと内閣改造以外は取り上げられなかったのは、全て菅さんの責任で、普天間基地問題では沖縄県の人達始め、全国民にも訴えるべきだったと思うのですが。
 TPP参入に伴う農業改革の問題で、古館さんから「これに付随する関係者の負担をこの際はっきりこの場で訴えては」とのしつこい質問と言うか要請に対して菅さんは言を左右してとうとう、テレビを通じて関係者へ話しかけることはありませんでした。
 古館さんは「農水大臣の反対は判るが経済産業大臣まで反対しているのはおかしい」と言っていましたが、菅さんが煮え切らないのは、小沢グループを中心とする党内の反発が大きいからでしょう。
 菅さんが番組で言った、農業改革の基本的な考えは、米作りの大半は兼業農家で高齢化が進んでいる。 それでそいずれ田んぼを手放すだろうからその時に、農業の大型化を進めれば良い。これらのことを考えてTPP参加の条件として、党内で農業改革を検討していると説明していました。
[農業の問題点]
 ここで今まで言われていることと私の考えた農業の問題点を列記してみます。
米作の場合
・小規模農業が多い、全体の86%が兼業農家だ
・米作の場合その生産性が非常に落ちる
 休耕田、耕作放棄地、年に半年しか使わない田んぼが多い、年に一度しか使わない高価な農作機
・それを可能にした保護行政
・人為的な米価の吊り上げで負担を消費者に押しつけ、それをまた米作者は当然として生産性向上を怠ってきた
・1,8兆円の生産額のコメが日本の主力の製造業の足を引っ張っている(農業総産出額は約8兆円)
・コメ余りによる価格の下落
農業全体の問題
・農地の転用の規制
・大型流通業者に主導権を取られた農産物価格の決定権
・自然現象の影響は避けられない
・農家の戸別所得保障制度のために大規模農家への田んぼの貸し渋り、貸し剥がし、流通業者によりこの制度があるからとの値引要請→その分の国庫負担の増加(そんな馬鹿な)
・若者の都会指向、高齢化の進行、10年後には農業従事者の平均年齢が76歳になる(都会の場合は高齢者の能力を活かせる場所があるが、肉体労働が避けられない日本農業は崩壊状態になる?)
[日本の農業の強み] (畜産は紙面の都合で省略)
野菜・果実の場合
 ・野菜農家は輸入野菜にその品質と安全性で善戦
・優良野菜・果実の輸出
・野菜・果実の加工で付加価値を付けている
・異業種の参入で生産性が向上している
・道の駅等、産直販売で流通コスト削減、農家による価格決定
[農業改革の方向]
問題点を並べてみましたが、それだけで誰でも思いつく対策です。
・米の生産量の適正化とコメの需要の拡大
・農業の生産性の向上→大規模化、田畑を年間を通じての活用、全国的に使い回しての農業機械の生産資材の活用、農産物加工→製造業のノウハウの導入→異業種の企業の参入and/or農協の改革・株式会社化→金融から生産・農産物のの加工への回帰
・大流通業者の値下げ圧力に負けない農業の大規模組織設立and/or農協の業務の見直し
・その為の農地使用の規制の緩和
・農業団体による消費者への直接販売
・儲かる農業の確立と若者の参入
・農村部への製造業の進出→若者の参入
・農産物のブランド化、輸出拡大を目指す
・新農業団体による品種改良、生産性向上など地方自治体の試験場に頼らないの自主的な研究開発
・これらの動きに就いて行けない人の救済策を講じる
・改革反対のグループには農村改革の対案を求める、単なる反対の意見は全て無視する
上記のことを達成するための問題点と対策
・もし農家の戸別所得保障制度を続けるとしたら、兼業農家の農業以外の所得も考慮した所得保障にし、その減らした分を専業農家、特に大規模農家の所得保障の強化に当てる。  (民主党のばら蒔きとは違う表向きの精神(多分平等)の精神に反しますが、子ども手当ての同じこと(菅さんは子どもは国が育てる(?)方針なので所得による仕分けはしないと言って居ましたが)でそのような精神的な問題を考慮する財政的な余裕はないと思うのですが。)
・異業種の参入もより農家の長い付き合いがあり、農村の実情も良く判っている農協の改革の方が良いのは当然が、何故か農業改革会議での農協問題は外された。(圧力団体と化した農協の反発が怖かったのでしょうが。然し農協改革を外しての農業改革の成果はしれたものになるような気がします。)
 このような難しい問題が起こると必ず起こるのが政治家得意の先送りです。
 民主党内では小沢支持グループを中心とするTPP反対、古館さんも呆れる経済産業大臣まで慎重姿勢、自民党でもTPP問題は選挙に影響するからと、とりあえず統一選までは封印して置くことを決めたそうです。 (もし大畠さんが今度の内閣改造で外されたら菅さんの意欲も判るかも知れません。)
 然し高齢化に伴う農村崩壊の危機は十年以内にあるかもしれないと言われています。
 10年と言うのはあっとて言う間に来ます。
 心配性の私が心配するように、政治家特に民主党政権はその場凌ぎの政治でなくてきっちりした対策を立てて、その時になって慌てふためくことのないようにして貰いたいものです。

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参照:カテゴリー →農村問題


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