普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

リーダーシップの条件(麻生さんと橋下さんの比較)

2009-08-09 08:28:35 | 政策、社会情勢

 一昨日のテレビで全国知事会とて自民、公明、民主の3党と公開討論会の様子が放送されていました。
 3党からは菅・自民党選対副委員長、山口・公明党政調会長、玄葉・民主党分権調査会長。
 各党は、権限と財源を求める地方側の要求を受け入れる発言を連発、知事会は討論を踏まえ、3党の政権公約を点数化して公表する予定。
 橋下さんは討論会後の記者会見で、「(公約が実現しなければ)我々は記者会見のたびに『うそつき政党』と言い続ける」と、あまりに物わかりのいい各党にクギを刺した
。(以上読売の記事 
の一部を引用)
 このように事実上3党の幹部を呼びつけて、討論会の名で知事会の要求を呑ましたことが出来たのは、選挙直前とは言え、明らかに一府県知事に過ぎない橋下さんや東国原さん、特に橋下さんの国に対する影響力が如何に大きかったか判ります。
 橋下さんの国や3大政党に対する影響力とその行使をリーダーシップの発揮と言うのが適当かどうか判りませんが、今の日本では政治のリーダーの問題と大きな関係を持つ日本のマスコミの特徴を考えて見ました。

[マスコミ、特にテレビの特徴]
・権力者に厳しく弱者に優しい 

 安倍内閣のときは単なる事務所経費の処理間違いで、自殺者を出すほど厳しく追求したのに、刑事事件にもなりかねない小沢さんや鳩山さんの政治資金問題には軽く触れただけなど数知れない例があります。
 最近は民主党政権誕生の可能性が高くなって、やっとその政策の批判が出だしたが、二人の金の問題は殆ど触れられないままです。
・その傾向が過ぎて権力者を悪、弱者を正義と決めつけたがり、そうするのを進歩的と感じている
 NHKの台湾報道など数知れない例がありますし、テレビの所謂コメンテーターの批判は殆ど政府・与党向けで、その相手側の野党や国民に対する批判は殆どでません。
・世の風潮に乗りやすい
 小泉さんの米国一辺倒政策に乗った世の動き、ホリエモン、企業は株主のものの考え方、企業の成果主義導入など殆ど無批判に紹介するだけでした。
 今は小泉さんの政策の負の部分の派遣社員問題、医療・福利の批判ばかりです。
・支持率の高い政治家に対しては弱い、逆にそれが低い政治家には厳しい
 小泉さんの「人生いろいろ」、「自衛隊の行くところは安全だ」、橋下さんの「ボッタクリバー」、「糞・・」発言など問題発言に無批判。
・マスコミ自身に対する批判には物凄く敏感で、自己防衛反応が物凄く強い。
 NHKの台湾報道批判に対する対応は正にそれです。

[橋下さんと麻生さんのマスコミへの対応]
・橋下さん

 (マスコミの好きな)政府や府の教育委員会などボロクソに言っても、マスコミに対しては余り強い批判をしないようです。(知事になってからは殆ど聞いたことはありません。)
 労組との会合などをマスコミにオープンにするなどマスコミの利用が巧み。
 (マスコミが弱い)高い支持率を持っています。(その支持率を作り上げたのにマスコミも一役買っています。)

・麻生さん
 麻生さんが首相になる以前に人気があった一番の理由は、他の政治家にないマスコミへの批判的な発言で、それがマスコミのあり方に疑問を抱いている大衆に受けたのです。
 逆にマスコミ側から言えばそのような麻生さんの態度が面白い訳はありません。
 安倍さんの突然の引退後の総裁選では、党内から安倍さんを追い込んだのは麻生だ、安倍さん引退の情報を知った麻生が事前に総裁選の準備をしているなどの情報が流され、それに喜んでマスコミが飛びつきました。
 続いての麻生内閣組閣時の内定閣僚の情報のジャジャ洩れ報道→新内閣の低支持率、それ以後の数々の失言、漢字の読み間違い、発言の振れから最近の中川秀直さんの麻生降ろしの動きなど、全てがマスコミ特にテレビの標的になりました。そしてマスコミは麻生内閣の支持率低下に大きく貢献して来ました。
 麻生さんにも勿論批判されるところもありますが、マスコミが作り出したそして支持率の低い麻生さんはマスコミにとっていい鴨でした。

[小泉さん、橋下さん、麻生さんの比較]
小泉さん:郵政改革は彼の持論、日本のバブル崩壊
 自民党の最大派閥に属していたほか、財政再建には竹中さんの他、塩川さんや飯島さんと言う秘書官がいました。
 そう言う人達引き入れそれを活かすのもリーダーの才能です。
 米国一辺倒の方針で米国の年次改革要望書にしたがって改革しましたがその結果は衆知のような現状で、彼のリーダーシップの成果に就いては評価する人より批判する人達の方が多くなっているようです。
 麻生さんも行き過ぎた市場中心主義経済の決別を言っています。

橋下さん:大阪府の窮状を知って知事に就任、見た目には孤軍奮闘の形ですが、マスコミと府民のサポートを得て少しづつ実績を積んでいます。

麻生さん:麻生さんの著書の「とてつもない日本」の題名が示すように、将来明るい日本を考えていた彼も、小泉改革を引き継いできた自民党もそうですが、その想定外の百年に一度の金融・経済危機に直面し、その考え方を大きく舵を切り換えねばなりませんでした。
 そこで小泉改革推進派、族議員、それから人気のある人を首相に担いで、裏からリモートコントロールしようと言う人達の間の調整の問題が起こりました。
 麻生さんは支持基盤が弱い上に、中山さん、中川昭一さん、鳩山弟さんなど有力な支持者を失いました。
 その為にどちらかと言えば、調整型の麻生さんは自分の意見と党内の意見が食い違いのため発言の振れが生じまたマスコミの餌食に成りました。
 内閣の意思決定のについて、読売新聞は、内閣の政策決定前に全て党の最高機関の総務会の了承を得ること、総務会は全員一致が原則なこと、その制度に乗って族議員がごり押しする余地が生れることを指摘していました。
 私はそれに加えて黒幕の大物が首相をリモートコントロールするとが、制度的に可能にしていると思います。
 その自民党の制度を無視した唯一の人は圧倒的な支持率を持った小泉さんです。

[優れたリーダーの育成] 
 最近はテレビで良く日本は優れたリーダーシップを持つ人物を養成すべきだと言っています。
 然しそうかと言って昔のヒットラー、今の金正日では困ります。
 何もかもごり押しにするリーダーでなく、民主的な人でなければなりません。
 その為には如何にも素人染みた考えですが、自民党の例で言えば一旦決めた総裁→首相に対しては、余程大きな間違いでなければ、挙党一致してそれを支持し、それに抵抗する皆で説得する、マスコミに知られないよう進言するなど、首相にリーダーシップを発揮(または演じ)させるべきだと思います。
 一方マスコミに対しては今までのような、権力側を批判するばかりの報道姿勢がリーダーシップを持つ政治家を育てるのに役立ったきたのす改めて考える必要があると思います。

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