普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

自民、民主、世論三つ巴の政局

2007-10-13 06:18:56 | 民主党

 国会再会前からねじれ国会と言われてきたが、小沢さんのISAFへの武力行使を含む兵力の派遣は合憲の発言から、そのねじれの傾向はますますひどくなったきたようだ。

[自民党側]
 読売新聞の解説の「新テロ特措法案、世論、民主の動向見極めへ」によれば、
・新テロ特措法案を17日の閣議決定が決まっている
・参院で新法案否決の場合衆院で再可決
  参院で審議引き伸ばしをしたときか会期延長して衆院で再可決
・然し再可決の場合は安倍内閣の強引な手法への国民の記憶から衆院選敗北の可能性がある
・かと言って通常国会に持ち込ちこめば、2国会に跨がるので60日規定が適用されずに、成立は不可能となる
・然し活動継続を諦めるのは国際社会の理解を得られないと言うジレンマがある
・公明党の太田さんが小沢理論は合憲でないと発言した。
とあるように自民党は国会審議の成り行き、選挙と世論の動きを睨んでの国会対策を考えているようだ。

[民主党側]
・小沢さんが持論の国連公認の治安維持活動を中心とISAFへの参加は合憲の発言に対して党内のかなりの人達の反発を招いている。
 想像だが横路さんを始めとする旧社会党出身者、自由党と合併前の民主党員はほぼ皆本心は反対で、賛成なのは旧自由党の一部の人達ばかりかも知れない。

・前代表の前原さんは、小沢さん率いる自民党が民主党に合流するときの条件として、政策は従来からある、民主党の政策を受け入れるとの約束を明らかにし、小沢さんが元自由党の政策を今持ち出すのはおかしいと公式に表明した。

・小沢さんはこのような動きに対して公約の国連活動への協力に反対する人は離党すれば良いと言った。
 公約には国連活動への協力と書いてあるだけて、憲法上疑義がある武力行使を伴う兵力の派遣など具体的に何も記していないのでこれも小沢さんの言い分がおかしい。

・元党最高顧問の渡部 恒三さんが「小沢さんの言うことに反対する人は出て行け」というのは間違いだ、民主党は民主主義の党だと発言した。

・小沢さんの発言に対し、野党協力を約束をしている社民党からも反対の声があがり、野党協力の意味を見直すとまで言い出した。

・小沢さんは現在のISAFの治安維持活動については疑問がありとし、ISAFの関連活動の内、参加可能な対案として民生支援、基金の拠出、警察の訓練などの対案を作る様に指示した。
 これは国連公認のISAFには武力行使を含む兵力の派遣も合憲だと言う、彼の主張から一歩後退したように見える。
 そして、日本国民の生命の危険を冒す活動を国民に納得させられるかとか、基金の支出と言っても、評価の少なかった湾岸戦争の際の資金提供の二の舞との批判を浴びる恐れなどから、実際の対案作成は難しく時間を要している。
予定されていたアフガンの調査団派遣も中止状態のようだ。

[自民党対民主党の関係]
・国会での民主党の元代表を並べたテロ特措法に関する質問で、岡田さんや前原さんとのテロ特措法問題の質疑の間、石破さんや高村さんとの間に意見が一致する場面が度々あった。
 考えて見ると小沢さんが代表前は、民主党が出した条件が認められずに反対してきた(言い換えれば条件付き賛成の)、民主党の人達との討論だから意見が合う点があっても当然だ。
 結局、際立ったのは、菅さんの給油の行き先追求一本槍の発言→福田さんの謝罪だけで、民主党の攻撃も空振りに終わったようだ。

・民主党側から言えば一番良いのは徹底的反対の小沢さんの審議への出馬だろうが、多分彼は絶対に出ないだろう。
 つまり彼がこの問題の審議に出てきて持論を展開すれば、自民党からの袋叩きにあい、民主党のイメージがダウンするのは必至と知っているからだ。

・自民党の中川元幹事長は、給油支援と、小沢さんの言うアフガンへの地上軍の参加はどちらが合憲かは重要な問題だ、次期衆院戦では小沢理論は最大の争点となると言っている。
 私が予測したように衆院戦で自民党は小沢発言を民主攻撃の材料に使おうとしているのだ。

・このような党内外の情勢に慌てて、小沢さん側近の山岡国対委員長は自民党の大島国対策委員長に小沢さんとのISAF参加論について、「小沢さんの考えを述べたもので、国会で法案を出していないのに、本人のいない所で論ずるべきでない」と申し入れた。
 これは明らかに不合理で、人の意見について意見を述べるのは自由のはずで、いかに民主党員達が小沢さんの発言で慌てているかが判る。
 然も私の想像のように本人の彼は少なくともテロ特措法問題では絶対に国会審議の場に出ないと思う。

[政治と世論]
 自民党幹部の中には、世論調査で給油支持が60~から70%に達すれば、粛々と再可決をすべきだと言う人もいるそうだ。

 民主党の前原さんも、給油反対or賛成の条件として、世論の支持率も加味すべきだと主張している。

 これも私がかねてから言う様に、政治もだんだん世論を無視出来なくなっている ことを意味する。

 従って国会でも自民、民主とも審議を通じて、世論の動きを見ながら、自党の主張を国民に理解して貰い自党の主張に有利な世論調査の結果が出るうよう、そしていずれ来る選挙戦で自党の有利になる様な方向で審議を進めて行くに違いない。

 これ等を考えると、自民党、内部がごたごたしだした民主党と世論の動きが三つ巴になった政局がどの方向に進むのだろうか。

 然し国民としてはそれを面白がって見ている訳にはいかない。

 いずれにしても国会で決定が、日本や日本国民にとって有利な方向になる ように進めて貰いたいものだ。

 一方国民は、国会の審議が解散後の総選挙でいずれに投票するかの良い判断材料として、その成り行きを注目していかねばならぬと思う。

参照:
 カテゴリー → 福田内閣
            民主党

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