普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

野田内閣成立・問題は素人大臣と参院選敗戦の総括

2011-09-03 15:15:38 | 野田内閣
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 野田内閣が成立しました。
 これに就いてはマスコミもおおむね前向きの評価をしています。
 一般に右翼的と言われる有名ブロガーも全面的ではないにしろ、やや好意的な見方をしているようです。
 私も野田さんが代表選で代表に当選した時に消去法ですが5人の候補の中では一番の人だと書きました。
 その後の野田さんの動きを見ると、自民・公明や経団連の挨拶回りなど、手堅い進め方をしているようです。
[素人大臣でやって行けるか] 
 問題は党内融和を重んじる余りに重要ポストまで明らかに素人と思われる人を大臣に当てたことです。
 財務:安住さん、経済産業:鉢呂さん、防衛:一川さんなどです
 財源の確保、円高問題、経済復興、日米同盟の深化、軍備を強化する反日教育の中国との在り方など、日本の今後を左右する政策で、野田さんもこれを重点に置いた施策を発表しています。
 特に一川さんは「自分が防衛は素人だがそれが文民統制の基本だ」と言って、早速、自民党の石破さんから噛みつかれています。
 国会が始まれば、野党は自民党を中心にして、その道に詳しい議員を登場させて、素人の大臣を追求して来るのは間違いないでしょう。
 財務は専門の野田さんが安住さんのサポートに廻る積りにしているのでしょうが、細かい所は安住さんは結局は財務省の官僚の書いたメモを棒読みにするしかないと思います。
 経済はだれが応援するのか。
普天間基地問題は。これも外交の当たったことのない玄番さんと防衛は素人を自認一川さんが何とかタッグを組んで当たるしかないのでしょう。
 仮に彼らが行き詰まってもいきなり交代させる訳には行かず、ひたすら野党の攻撃に耐え、最後は「天下り」を「出向」と言い換えたように頬被り戦術で逃げるしかないような気がします。 (同じ辞めさせるにも「政治と金」の問題があるのなら簡単に出来ますが、政治家にその能力が無かったからと言えばそれこそ、首相の任命責任が問われることになります。)
 勿論上記以外の人を含んで、その道では最初の新大臣が猛勉強して、それなりの識見をすぐ身に付けるかも知れませんので、野党ならとにかく素人の外野がとやかく言うことはありませんが、少なくとも不安一杯の野田丸の船出であることは間違いないでしょう。
[いかに辛くても参院選敗戦の総括すること]
 私は前回の「小沢グループの人達へ・政局を真っ直ぐに見よう」のエントリーで小沢グループだけでなく、野田内閣の持つ問題点を指摘して来ました。
 今回の組閣を見ても、マニフェスト回帰を主張する小沢さんの側近中の側近の山岡さんや、前述の一川さんが入っています。
 そして幹事長には輿石さん。
 民主主義のルールで言えば、多数決で野田さんが代表・首相になった以上、野田さんの政策に従うべきと言うのが普通なのでしょうが、政治家としての信念はそう簡単に変えられないのは当然です。 (ころころ信念の変わる議員も困ったものですが。)
 その対策としては、私が何度も書くように民主党の参院選敗戦の総括をして、今までのように菅さんの消費税増税が総てだと片づけずに、今までの民主党政権のやり方やマニフェストに問題があったのか無かったのかを検証して、閣内は勿論党内の意見を纏めることだと思います。
 そしてこれこそが民主党が今後政権交代に耐え得る政党になるために避けて通れない道だと思います。
 その為には、党内に特別の委員会を作るか、第三者機関に依頼して、両論併記でもよいからしっかりした総括をすべきと思います。
総括に取り上げるべきことの例
*今までの政治主導のやり方で、官僚の士気を低下させなかったか、いかに彼らの能力を引き出すか考えべきでは無かったたか。
*事業仕分けより一般企業がやってきた徹底的な組織の合理化の手法を採用すべき
*官僚のモラルを高め、合理化意欲を高めるための会計システムの見直し、全体および個別の予算に人件費、固定資産費などを明らかにすること
*鳩山さんの普天間基地に関する大チョンボと発言の大ブレと、鳩山さん、小沢さんの「政治と金」の参院選結果に与えた影響
*総ての事業の結果について費用対効果のフォローをすること
*民主党のマニフェストの問題点
・野党の公約としては十分でも政権党の公約としては不十分でなかったか 
・民主党のマニフェストが日本の経済情勢に合っていたのか
 苦しい財政の中で、子ども手当て(特に所得制限なしの説明不十分)、農家の個別保証制度、高校の無償化にみる、みんな一律、日教組並みのお手手繋いでゴール・みんな百点式のばら蒔き批判
・最低年金保障制度の行き詰まり、後期高齢者医療制度の事実上の継続
・民主党のマニフェストが政権党の公約として十分だったか
 中小企業対策に偏り過ぎた経済政策で野党からは経済無策と批判
・支持団体に配慮した見え見えの公約
 公務員経費削減は地方分権に伴う公務員の地方への転勤、その費用は地方交付金で払うことになり国庫負担は変わらない。
 事実はこれが出せずに公務員給与の一部削減でお茶を濁す。
・天下りの廃止→省内の人事の停滞と組織の台形化→出向と言う名の天下り復活
*マニフェストに出たり入ったりした外国人参政権付与などの一連の反日と言われる政策に就いて、態度をはっきりすること(野田さんも反対のように、私はあっさり引っ込めるべきだと思うのですが。)
 このような自党の問題点を自ら抉ることは辛いこと、または反対党に洩れることなど問題点があると思いますが、野田さんの三党合意に従う、自民・公明、経団連に挨拶という謙虚な姿勢が、自民党の一党支配に飽きてきた国民に受けるのは間違いないと思います。
 党内の問題に就いても、野田さん以下の民主党員が厳しい現実に敢えて取りかかることが、三党合意か公約の原点回帰に別れた党内の意志統一に繋がり、民主党支持の増大に繋がると思うのですが。 

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