普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

衆愚政治の日本?

2008-05-20 11:21:34 | 政策、社会情勢

[各国の政治体制の比較]
米国

・政治制度:二院制度+大統領
・プラス面:大戦後世界のリーダーとして、軍事、経済面で君臨してきた。
・マイナス面:民主主義の名のもとに多くの国に武力を含む介入してきた。
  イスラエル制裁決議に対する度々の拒否権発動→自爆テロの拡散と恒常化。
  アフガン、イラクでその力の限界が見えてきた。
  経済的にはサブフライムローン問題を発端として、経済のリーダーの立場が危うくなってきている。
・変化への対応性:二院の反対に関わらず、大統領の拒否権行使で重要問題の政治的な停滞を防がれている。

中国
・政治制度:共産党の一党独裁
・プラス面:小平さんの一国二制度の考え方による市場主義制度の導入以来急激な発展を遂げ、近い将来は経済面では世界第二位になるのは間近い。
・マイナス面:内政不干渉を唱えて、人道面で世界から批判されている国の援助を行うなど強引な資源外交、オリンピックを目前にしてのチベット族の暴動、四川大地震などの多くの困難に直面している。
・変化への対応性:情報統制によるチベット問題の鎮静化、国の総力を上げての大地震の被害者の救出などの迅速な対応、やや遅ればせながらアジア地域からの救援も認めてきた。

ミャンマー
・政治制度:軍事政権の事実上の独裁
・プラス面:社会主義に基づき、土地の国有化、企業の国家管理下鎖国的な経済で最貧国と認定されるまでになったが、天然資源開発中心の国有企業主導型の工業開発等でやや開発進んだが、欧米諸国の経済制裁で発展を阻害されているなどプラス面ではあまりない。
・マイナス面:長井健司さんを巻き込んだ仏教僧による大規模な反政府デモが行われ、最近では死者7万人をサイクロンによる大洪水が起こった。
・変化への対応性:政権は反政府デモ弾圧し、サイクロン被害者救済応援の国際的な応援申し出をタイ以外は拒否し続けてまた国際的な非難を浴びている。

日本
・政治制度:二院制、内閣総理大臣は国会の指名
・プラス面:日本人の優秀さと勤勉さ、企業に対する忠誠心などで戦後急速な発展を遂げ、世界第二位と言われる経済大国になった。
・マイナス面:中国の台頭による競争力の低下→非正規労働者の増加→平均的賃金の低下、社会格差の拡大、800兆を越す負債の圧力増大、少子高齢化の進展などで多くの問題が山積している。
 世界的に見れば、米国の経済的地位低下にともなう世界経済の流動化、経済や生活の基盤となる原油や食料品の高騰など半永久的になるかも知れない問題が起こっている。
・変化への対応性:ねじれ国会で完全に政治が停滞して、二院制、議員内閣制と言う日本の政治制度では、これらの緊急勝つ重大な問題に全く対処されてない。
              
[日本の政治制度]
日本の良い所

 上記のような各国の政治制度とその問題点を比較して見た時にわざとミャンマーの例も上げた。
 日本の政治制度は日本人の中でときどき見かける自虐的な見方からしても、ミャンマーの制度より遥かに優れているのは明らかだ。
 例には上げなかったが、余程の左翼信仰者で無い限り、皆、北朝鮮より日本の政治制度ははるか優れていると思うだろう。
 また実利主義の中国が如何に発展してきても、チベット族の締めつけや、他国の批判にも耳を貸さずにミャンマー、北朝鮮、スーダンなどを援助するなど、その一党独裁政治と相まって、日本は到底同じ道を進むことは出来ない。
 同じ民主主義の先生と仰ぐ米国の今までにやってきたことに比較して、日本は中東の米国の支援(私の意見では参戦)を除いては平和を護り、他国のように見返りを求めない国際貢献をしてきた態度が評価されて世界で一番信頼される国と言われている。

日本の政治での硬直性
 然し世界や国家の情勢の変化への対応性では、大統領制を持つ米国、一党支配の中国とは遥か下位にある。
 それどころか日本の政治での硬直性で言えば、大水害に対して国民を犠牲にしてまで外国の支援の支援を断るミャンマーの軍事政権に何となく似ているような気がする。

衆愚政治の日本?
 民主主義の基本は国民とそれを代表する政治家の叡知だ。
 逆に民主主義を危うくするのは「衆愚政治」だ。
 勿論、与党、野党の中でもこれに対して、参議院のあり方の研究会、与野党連合の勉強会など色々の動きがあるようだかなかなか大きな動きにならないようだ。

 最後に残るのは福田さんや小沢さんのリーダーシップだが、福田さんは頼り無い、小沢さんは信頼できないと言う評価が最近の世論調査で現れているようだ。

 私はこの様な停滞状況を抜け出す当面の対策として、
・参議院の選挙制度を政党に属さない識見を持った人達がもっと多く当選できるようにすること、
・少なくとも参議院の採決では党議拘束を掛けることを禁止すること、
の二つがあると思うが、この様な既存政党の不利になる様な提案は全くないようだ。

 今の日本は衆愚政治に陥っていると言われて、表立って反論できる政治家はいるのだろうか。

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