普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

首を捻る民主党のアフガン貢献案

2007-10-23 08:50:18 | 民主党

 10月21日づけの読売新聞で新テロ特措法案の対案として検討中の貢献案として下記のようにを報道していた。
・ISAF(国際治安支援部隊)に関連する地方復興チーム(PRT)に参加
・食料・医療支援の実施、武装解除の支援、アフガンの警察・行政機構の改革を支援
・自衛隊部隊の参加は見送り
・自衛官を外務省などに出向させ、文民としてPRTの民生部門の派遣
・民間警備会社を利用し派遣した日本人を警護

 これを一目で見ただけで、民主党の担当者が苦慮して作った案とは判るが、内容は珍妙な貢献案と言うほかないもので、専門家から言えばまともに批判する気にもなれないものだろう。

 然しずぶの素人の私だから、敢えて各項目について感想を書いて見たい。
[PRTの参加とその活動内容]
 趣旨も内容も立派なものだ。

[自衛隊部隊の参加は見送り]
 今の民主党としてはイラク支援のための自衛隊派遣に反対している立場からと、自衛隊として派遣すれば、武器使用の問題が出てくるためか。

[自衛官を外務省などに出向させ、文民としてPRTの民生部門の派遣]
・公務員を派遣することは当事者達からの猛反対が予想される。
 これは自治労を支持母体とする民主党としては是非避けたいところで、それなら自衛隊員を派遣、使用という発想のように思える。
・業務内容にアフガンの警察・行政機構の改革を支援とあるが、これを自衛隊員で処理出来るだろうか、これに官僚や警察の協力が期待できるだろうか。
・そうかと言って、私がアフガンの民生支援
で指摘したように、ペシャワール会の中村さん達を含む日本の会社、団体にアフガンに派遣を依頼するしかないが、基本は参加する人自身の意志が原則となる。
 その場合は中村さんのグループのような生命を賭けてもと言う人が何人集まるかだ。
 これは政府として甘すぎる考えで、国民から「それなら政治家が先に行って見ろ」との猛反発が出るのは当然だ。
 こんなことでは国としての政策が推進出来ない。
・そのため国家としての強制力が効く自衛隊員を文民として活用しようと言う考えたのだろう。

[民間警備会社を利用し派遣した日本人を警護]
・日本人警護をISAFに依頼することは、小沢さんが今のISAFの治安維持活動に疑義があるとしているため出来ない。
・民主党の案では派遣される自衛官は文民の立場だから、武器は持てないことになる。
・従って、民間警備会社を利用すると言う発想になったのだろう。
・民間会社と言っても、タリバンの攻撃を受けた時反撃をしなければならない。
 これは自衛のためとは言え戦争行為だ。
 国が派遣した民間会社なら戦争しても平和憲法に違反しないのだろうか?
 民間会社に どのような武器を持たせるのか、その法律の整備は出来ているのか?
 今の民間会社も元自衛官を雇うとは思うが、実際に対戦能力が持てるのだろうか?
 そうかと言って、戦闘能力のある外国の民間会社に委託出来るのか?
 もともと戦争するために養成された自衛隊員が丸裸で、民間会社の警護の下で働くなど士気を維持して行けるだろうか?
 タリバンに襲われたとき、自衛隊員がつい民間会社の人達を応援することにならないのだろうか?
 民間会社の警護については、素人が考えても????の連続だ。

 民主党はこの案自体についても、20日の石破防衛相と民主党の浅尾さんのと討論会で、浅尾さんは「政府・与党が国会を延長して、60日間の再可決規定を想定して新法案を成立させるのなら、法案の形で提出する。しかし国会の会期末の11月10日や、同20日に国会を閉じるようなら法案は作らず、要項しか出せない」と述べたそうだ。

これは、
・党内で同法案を出せば、国会がテロ特措法案が中心議題になる自民党のベースに巻き込まれる と言う意見があること。
・このような疑問符だらけの法案に党内からも反発が大きいこと、これを敢えて国会に出せば自民党やマスコミからコテンパンに叩かれることは間違いないことを民主党自身が知っている。
ことを意味している。

 同討論会で石破さんが「民主党は小沢さんのような理由で給油に反対と主張するのか」の問いに、浅尾さんは「民主党はテロ特措法について、集団的自衛権行使に当たるから反対とは言っていない。今もそうは言っていない」と言ったそうだ。
 これは小沢さんや鳩山さんの違憲論と明から対立している。

[民主党へ]
 公平に言って、自民党の給油にも米国べったりとか、集団的自衛権の問題とか首を捻ることも多いし、民主党も党内の意見がバラバラ小沢さんの国連が認めた戦争に参加しても合憲発言に困惑する人達、そしてその様な中で無理やりに作ったとしか言えない今回の給油反対のための対案の素案など、自民党以上に首を捻ることばかりだ。

 私は小沢さんの解散、総選挙一点張りの国会運営を進めれば進むほど、民主党の人気が落ちてくる様な気がする。
 何度も言うが、給油反対に成功して、総選挙に持ち込んでも、自民党の抱きつき政策から一変した総攻撃に逢って、折角の政権奪回のチャンスを失うような気がする。
 そうなれば前に書いたように捩れ国会がまた数年続き、国民をうんざりさせることになる。

 民主党は政権奪回の近道として、国会運営でも、国民の人気を高めるようなやり方を選ぶべきだと思う。
 そして民主党への支持率が上がり、選挙に勝てば、私が多年の念願の政権交代の実現とねじれ国会解消にも繋がるのだが。

 それも今のところ遠い道のような気がする。

参照:
 カテゴリー → 民主党

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