普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

株式公開買い付けがまた始まる!!

2007-02-17 21:23:15 | 政策、社会情勢

報道によれば、
米系投資ファンドのスティールは15日、同社が19%の株を所得しているサッポロにへTOB(株式公開買い付け)による同社の買収を提案した。

同日、アサヒビールが、同3位のサッポロビールの持ち株会社、サッポロホールディングスに対し、経営統合を提案していることが、15日明らかになった。
そうだ。

これに対して、2月17日の読売新聞はその社説で、
スティールは、やはり大量の株式を保有していた明星食品に対してもTOBを仕掛けた。
明星が日清食品に支援を求めた結果、日清による明星株のTOBに応じる形で、高値で売り抜けた。

 サッポロは、株主に対し、スティールが低割増率での部分買い付けにとどめたことなどを指摘し、明星のケース同様、経営権取得より第三者への転売を狙ったTOBだ、と強調するだろう。
と見ている。
 2月17日  読売新聞

また読売では、
同投資ファンドは、大型遊具製造大手の三精輸送機に同社の保有する発行済み株式総数の24・57%を株式を3・43%買い増し、保有比率を28%に高めたいとの提案をした。
と報道している。

<<株主最優先政策の問題点>>
日本の同業会社が友好的公開買いつけをするならある程度判る。

然し、この様な外資による企業買収や、村上ファンドのような持ち株に物言わせての会社運営への介入が本当に日本にとって有益か否かは素人の私にとって今でも判らない。

何故なら、一つには日本人は、会社は経営者と従業員の物だと言う考え にまだ囚われているからだ。
勿論、会社は村上さんの言うように、会社は株主のものなのに、彼らは「自分の会社」と思って働いているのが普通だ。

そして、もう一つは企業買収や、株買い占めを仕掛けた会社や何とか資金が、買いつけに失敗してもその行動で莫大な利益を挙げているからだ。

買収を仕掛けた会社が僅か数カ月間の動きで、普通の会社が一年間営々として働いた結果得た利益の額を遥かに越えている など聞いて、釈然としないのは私だけだろうか。

これが「美しい国」で許される経済活動だろうか。
同ファンドがサッポロを買収したあと、どのような企業理念で会社を動かすのだろうか。

このような話しを聞かされる日本人従業員から、
古来から持っている勤勉さ、
近代日本で培われ来た、会社の家族主義的な経営から生まれた会社への忠誠心、
それが基礎になって発展してきた小集団活動、
それから生まれ、日本の会社の競争力の源泉となった、改善活動や品質管理向上運動、
などが薄れたり、なくなったら日本の会社はどうなるだろうか。

そして、会社の経営陣から授業員まで拝金主義へ走り出したから、会社は勿論、日本の社会や国はどうなるだろうか。

ただはっきり言えるのは日本が、安倍さんの言う「美しい国」からかけ離れた国 になるだろうと言う事だけのような気がする。

<<株主最優先政策のよい点>>
素人考えだが、次のようなよい点もあるようだ。
1.株価を下支えして外資の導入をしやすくする。
然し、それだけの理由で、今までの日本の企業風土に合わない、買収と見せかけての株価吊り上げて、莫大な利益を持ち去る投資会社やファンドの存在まで認めねばならぬのか。

2.企業防衛→他の優良企業へ吸収または合併要請→下記のような経営陣の入れ換え→企業の体質の強化 と言う利点があるのかも知れない。
(1)創業一族の利益ばかり考える経営者
(2)企業の基本理念や倫理を忘れた経営者
(3)経営は素人のサラリーマン経営者
(4)幹部の間で権力闘争ばかりしている経営者
(5)身の保全ばかり考えている経営者           
(6)自分で決断できずに、前例や横並びを踏襲するか、政府や経団連の指示に従うだけの経営者などなど

しかし、企業の吸収や買収の結果、企業間の格差が異常に拡大するのは、日本にとって本当に良い事なのだろうか。
もっと基本的なことを言えば、日本固有の風土に全く合わない、米国流のシステムを日本が丸呑みして良いのだろうか。

今まで、私は原則として、私なりの提案をブログでしてきたが、
1.日本型資本主義経済への見直しの時期に来ている、
2.このようなファンドの活動に何らかの規制を加える
べきではないか、
のではないかと、漠然と思うばかりで何の具体案も浮かばない。

ただひたすらに政府、政権与党、経団連
などの経営団体、有識者の巧みな舵取りを願うばかりだ。

もっとも、経団連は、契約労働者を大量に投入して、格差社会の形成に一番貢献したのに飽き足らず、残業代ゼロ法案まで提言して、国民の信用がなくなりかかってるが、どれだけ日本独自の提案をして呉れるのだろうか。

こうなると後、頼りになるのは、安倍さんのリーダー・シップだけだ。
是非誰か有能なスタッフと共に「美しい国」に本当に相応しい経済政策 を考えて頂きたいと思う。

それとも一般国民は、米国流のグローバリズムに呑み込まれる日本を、あれよあれよと見守る他しかないのだろうか。

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