普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

軍事保護国日本の功罪

2007-02-04 22:32:06 | 憲法

広辞苑によれば保護国とは「条約に基づき、他国の主権によって保護を受ける国で、内政および特に外交によって干渉・制限を受ける」とある。

この定義と、沖縄他の米軍基地の配備などを見、米国が作った日本国憲法との絡みもあり、日本が米国本土の防衛参加など全く考えられないことから、日米同盟といっても全く一方的なもので、日本は言わば軍事保護国な立場にあると言って良いだろう。
その点同じ敗戦国のドイツと比べてみれば明らかだ。

そして日本が軍事保護国的たちばの功罪を考えてみる。
勿論これの裏には非常に多くて微妙な問題が複雑に絡み合っていることは想像されるが、思いついた表向きの現象だけしるす。

有利な点
1.日本が危険にさらされた時なと米国から助けて貰える。
だから平和日本をお経のようにを唱えていれば良い

2.軍事予算が節約出きる。
(米国から高価な兵器や戦闘機など買わされたり、米軍駐留にかかる費用負担がなどで余分の支出を予期なくされていると言う批判もある。)

3.核兵器を持たずに済む。
こちらがやられたら、相手国に核兵器で反撃して貰える。

4.情報機関を設置せずに全て米国の情報にすべて頼れば良い。

5.外交も米国追随一本槍で済むので、外務省は特に国独自の外交方針を持たずにすむ。
その点、小泉さんのときは外務省は非常にやりやすかったと思う。
在外外交官は、任地の国との儀礼的なおつきあいと、任地の日本人の保護や、日本からの大臣、官僚、代議士などの世話をしていれば良い。

不利な点
1.米国がその外地で戦闘を起こした時、日本は憲法、法律の解釈を変えてでも、自衛隊を派遣せねばならない。
米国兵が日本を守る為に血を流すのに、日本もその危険を顧みず、兵士を派遣するのがおつきあい というものだ。

2.然も日本を保護している米国が世界一の横紙破りで、また戦争好きの国だ。
だからその保護を受けている日本が米国に協力せねばならない機会が増えるばかりだ。
BBCと米国の某大学の世界中で行った有名な世論調査では世界で一番信頼されてない国の一つの米国にべったりくっついている日本に悪役イメージを意識的に植えつけようとしている国がある。
同調査で世界で一番信頼されていると判った日本にだ。

3.同盟国である日本が米国に忠告すべきだと言う人もいるが、被保護国の言い分を聞く国はない。
実際に米国が日本の忠告を聞いたと言う話を聞かない。

4.ブッシュさんも認めている米国のイラク出兵が誤った情報に基づいたことに、日本も乗ってしまった。

5.日本独自の外交をやるのに、干渉させられる。 (保護国の定義参照)
折角小泉さんが、日朝平壌宣言まで漕ぎつけたのに、米国の干渉で中途半端になった。

6.日米両国の相互の経済政策への申し入れと言う形の米国の干渉。(保護国の定義参照)
小泉さんの経済改革すべては米国の申し入れに従っていると言われている。
当然のように、米国が日本からの忠告を受け入れた話は聞かない。

7.国を守ることなど他人事と考える人ができる

8.何をするにも米国の顔色をうかがわねばならない。
そうでないと、何時ひっくり返されるか判らない

9.保護して貰っている米国にかぶれてきた。
(1)金儲け至上主義、米国型市場経済の導入→企業のモラル低下、同一労働同一賃金と言う人道的無視の運営、家族主義経営の衰退、格差社会発生の兆候、自殺の増加

(2)日本古来の美徳を忘れた教育→義務を忘れて権利ばかり主張する人の発生、自由、個性ばかり重視して規範意識を忘れた生徒と成人、いじめ自殺、学級崩壊、家庭とコミュニティーの崩壊、教育の基本は家庭だと言う事を忘れてた父兄、モラルの低下、異常な残虐事件の増加

ことわっておくが、これに米国ばかりが悪いと言うより、日本人自身が米国の良いところも取り入れる事を忘れたことなど、反省すべきことの方が多いことだと思う。
然し、これも保護国の宿命と片づけて良いのだろうか。

この問題は日米同盟がからむ非常に微妙な問題で、安倍さんは勿論何も言わないが、彼の言う規範意識、防衛省への昇格、主張する外交の主張、情報機関の創設(戦後50年経ってこの問題が出るのもおかしな話だが)は、少なくとも私の言う米国依存症からの脱却を目指しているものと思う。

<<安倍さんのやり方を軍国主義化と言っている人へ>>
1.植民地拡大からその終焉に向かっている時に、それを遅まきに進め、その結果大戦から敗戦を経験した一方で、結果的には全世界的な植民地解放と言う思わぬ引き金を引いた日本が、植民地時代が完全に終わった今、また侵略戦争や武力侵攻など起こすほど日本人は馬鹿だろうか。

2.過去植民地を持っていた国で自国を守るに足る軍備を持つ多くの国が、軍国主義でなく、同じ立場の日本の進む方向だけが軍国主義にに繋がると言う人達は、世界の多くの同じような国と比較して日本が どこがどう違うのか説明すべきだと思う。

3.本当に軍国主義化を心配せねばならぬ時は、過去の日本やそれと同様な諸外国の例から、
(1)政党の腐敗、無意味な抗争で政治が停滞し、軍人が自分達が出なくては国の為にならないと思って行動し、それを国民がそれを支持する時。
つまり先ず軍国主義に進まないようにするには、政党自身が軍部の進出を避けるための自戒 が一番だと思う。

(2)軍部が実権を握るか、独裁体制が確立した国の可能性が高い。
例:過去の日本、現在の北朝鮮、昔のソ連、中国、イラク、ホメイニ革命前のイラン等々

(3)特定の人を偶像化するとき
 例:上と同じ

(4)自国の利益を極端に優先する国
例をあげるのは止めますが読者で想像して下さい。

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